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隣の席の美少女の獲物になってしまったぼくは彼女を小瓶で飼育することにした  作者: 猫の集会


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2/5

おうち

 美名川さんは、昨日のことを恨んでいるのだろう。


 そりゃそうか。


 あんな言葉のスプレーかけられた挙句に、キモ笑顔までお見舞いさせたのだから。



 怒って当然だ。


 やってみなさいよ‼︎わたしを小瓶に入れて飼育してみなさいよ‼︎ってことなのだろう。


 案の定、今日一日ずーっとこっちをみてきた美名川さん。



 そして、帰宅部エースのぼくは美名川さんから逃げるべく、一目散に下駄箱へと向かった。


 しかし、いる…


 ぼくの後ろに美名川さんが。


 これは、どうしたことか…


 仕方なく、先に美名川さんを追いやったほうがよさそうだ。


 ゆっくりゆっくり歩いて、先に行ってもらう作戦だ。


 しかし…


 一向に抜かされない。


 というか、そもそも方向が一緒すぎる。



 このままずーっと一緒じゃないだろうな⁉︎


 今日から義妹になります♡的な展開になったりしないよな⁉︎


 恐る恐る振り向いて聞いてみた。


「家、どこ?」

 って。


 そしたら美名川さんがまさかの逆方向を指差した。


 ⁉︎


「じゃあ…なぜこっちに⁉︎」

「だって、小瓶飼育してもらうからだよ?」

 と、イタズラに笑う美名川さん。


「はあ?非現実的すぎるでしょ」

「できるよ?だって昨日言ったよね?」


 …


 おそろしい人だ。


 いや、そもそも人じゃない可能性大だ‼︎


 執着心半端ないオバケやん…


「いや、ムリだってわかるよね?そもそも、まず捕獲してポケットに入れるつもりだったんだけど、ポケットに入らないよね。残念だなぁ」

 と、わざと言ってみた。


 すると…


 ⁉︎


「えっ⁉︎な、なにしてんのっ⁉︎」


 美名川さんがぼくのポケットに手を入れた。


「ね?入れたよ?」

「とりあえず手、どけてよ」

 二人で同じポケットに手を入れガサガサしていた。


 手…ホッソ‼︎


 …


「あらーぁ?ゆうちゃんじゃない?仲良くポケット手繋ぎして♡いいわねぇ♡」


 と、まさかの母さんが両手ハートを手でつくり、ぼくたちを手のハート越しからみていた。


「母さん…なにしてんだよ…」

「お買い物ー♡お二人は、おうちデートね♡さ、うちここだから、どうぞどうぞ〜」

 ニマァ


 母さんが、めっちゃにやけていた。


「おじゃましまーす」

 と、普通に入ってくる美名川さん。


 …


 この人…いや、この魔女ヌルっと侵入に成功していやがるぜ。


 さすがだよ。


 魔女さん。


 まさか、母さんまで魔女じゃないよな⁉︎


 目的は、なんなんだ…


 …


 とりあえずぼくの部屋に閉じ込めた。


 母さんまで巻き込まれたら大変だ。


 ぼくの部屋に入るなり、ぼくの本や小物をじろじろみてまわる美名川さん。


 そして、ぼくの一番のお気に入りの置物を指差し、これわたしに似てない?なんて言ってきた。


 …


「別に…。」

「そうかなぁ?似てると思うんだけどなぁ」


 …


 ジーッと置物をみる美名川さん。


 やめてください。


 ぼくの大切な置物に、念を閉じ込めるのやめてください。


 そう、ぼくも無言で美名川さんに念をおくった。


 お互い念をおくりあっていたら、母さんが乱入してきた。


 ゆうちゃんの大好物シュークリームだよーってね。


「わぁ、ゆうちゃんはシュークリームが好物なんですね!おぼえておきます‼︎」

 と、美名川さんがくらいついた。


 ゆうちゃん呼びやめてほしい。

 

 …


 しかし、なぜだ…


 なぜぼくの好物をおぼえる必要があるのだ?


 まさか…


 いつか好物に毒でも入れるつもりか⁉︎


 …


 母さんが立ち退いた後、ぼくは美名川さんに質問した。


「美名川さんの好きな食べ物はなに?」

 と。


 すると

「金平糖と…あと、わたしもシュークリームが好きだな」

 って返してきた。


 こ、これは…


 仕返し毒盛りをするとき、相手に油断させてわたしも食べるから安心ですの罠じゃないか。


 …


 …


 油断ならないな。


 ところで、普通にぼくの部屋に潜入してきた美名川さんだが、目的はなんだ?


「あのさ、美名川さん?今日は、なぜぼくの部屋へ?」


 美名川さんが最後のひとくちのシュークリームを頬張って、モグモグしだした。


 モグモグもまたかわいい。


 ⁉︎


 いやいや、危なっ‼︎


 うっかりかわいいなんて、ぼくは…どうかしている。


 モグモグタイムを終えた美名川さんは、なにやら自分のバッグをあさり出した。


 そして、瓶を取り出した。


 ⁉︎


 あの例の瓶…


 これをどうしようと?


 …


「ここでいい?」


 ⁉︎


 なにがだよ⁉︎


「どういうこと?」

「わたしを小瓶で飼育するんでしょ?」


 …


「あー、そこでいいよ。てかさ、もうぼくの部屋に監禁されてるね。自分から監禁されにくるなんてどうかしてるね」

「ほんとだね。じゃあ、今日はお泊まりかな?お泊まりセット持ってきてないなぁ。どうしよう」


 …


 いや、それは危険だ!


 ぼくが魔女の餌食にされそうだ。


「いや、帰りなよ。」

「ふふ、じゃあ監禁じゃないじゃない」


 …


「そうだね。じゃあ、送る」

「うん、ありがとう」


 …


 なにこの会話。


 普通のカップルかよ⁉︎



 意味がわからないが、とりあえず美名川さんを送ることにした。


 なんだったんだよ…



 続く。


 

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