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隣の席の美少女の獲物になってしまったぼくは彼女を小瓶で飼育することにした  作者: 猫の集会


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1/4

撃退

 ぼくは、高校一年生になった。


 しかし、中学からなんにも変わっていない。


 あえてどこか変わったっていうのならば、背が伸びたくらいだろう。


 あ、足も大きくなったかもしれない。


 でも、それくらいだ。


 あとは、なんの変わり映えもしない、いつも通りの安定の帰宅部だ。


 そんな安定の日常の中で、とても苦痛なことがある。


 それは、隣の席の美名川みなかわ あやめさんの存在だ。



 ぼくよりも背は低いものの、とっても神々しいのだ。


 なぜだろう?


 同じ人間なのに…目もふたつあるし、鼻も口も同じようなところにパーツはあるし…髪の毛も生えてて、手も足もほぼ同位置なのに…


 なぜこんなにも別の生き物になっているのだろう?


 一度小さくして小瓶で美名川さんを飼育してみたい。


 いや、それはヤバいって…

 変態の妄想が垂れ流れてきた。


 危険だ。


 これ以上、美名川さんに関わっては、ならない。


 いや、これっぽっちも関わってないが、みることすらやめよう。


 なんだかわからない身の危険を感じたぼくは、なるべく美名川さんのほうに視線を向けないようにした。



 しかし、美名川さんという人は…なぜかぼくをジーッと見ているように感じる。


 …


 これはいったい…


 …


 はっ!まさか…ぼくが美名川さんを小瓶で飼育したいって妄想が、美名川さんにバレたのでは⁉︎


 なぜ⁉︎


 まさか…美名川さんは、魔女なんじゃないか⁇


 ぼくの心がよめるのかよ⁉︎


 ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさいと、手を顔で覆い呪文を唱えた。


 そして、みずから封印をといて、手を顔から離した。


 …


 でも…まだ感じるおそろしい視線。


 …


 どうしよう…


 目があったら、なんかビームとか発射してくるじゃないだろうな。


 あぁ、なぜこんな日に限って朝のホームルームが長いんですか?先生…



 早く終わってくれと、念じるも無念…


 先生は、楽しそうな演説みたいに話している。


 離してください。


 だれか、ぼくと美名川さんを…



 ‼︎

 席替え…

 ‼︎


 ぼくは、閃いた。


 先生がいつも最後に、それじゃあ、だれか発言したい人手をあげてって言うので、そこで席替え提案してこの魔女から逃げればいいのだ。


 なので、さっそく先生のいつものお言葉の後に挙手を…と思ったら、なぜかぼくは元気よくクラス委員の代表をする人に挙手していた。


 …


 なぜ…こんなハヤトチリを…


「すごいねぇ」

 と、美名川さんがぼくをみて微笑んだ。


 ⁉︎


 はっ、話しかけてきた…


 このぼくにっ…


 ぼくは、ふたつの目玉をギョロギョロさせた。


 なぜって…


 うっかりバッチリ美名川さんと目があってしまったので、慌てて目玉をギョロギョロさせて、ビームを逃れるためだ。


 こんな美人がぼくに話しかけてくれるなんて…


 やっぱり裏があるに違いない。


 とりあえず、美名川さんを無視した。


 騙されるもんか。


 こんな美人が、ぼくなんか褒めるわけないんだ。


「ねぇ」


 ⁉︎


 無視したのに、美名川さんがぼくに話しかけてきた。


 目的は、なんだ…


 金か?


 ぼくには、そんな大金ないぞ?


 とりあえず無視無視。


「ねぇって」

 ツン


 ⁉︎


「うわぁ‼︎」


 いきなり美名川さんから突っつかれて、ぼくは大声をあげて立ち上がった。


 すると、なぜか皆がぼくをみて

「おお」

 って顔をした。


 ?


「すげ〜な。魔法使いかよ」


 ひとりの陽キャが魔法使いという言葉を放った。


 やっぱりか。


 こいつは、魔法使いで間違いないんだ。


 そう確信すると、陽キャ男子が立ち上がり窓を開けた。


 すると、黒を基調にしたブルーをまとった蝶々が教室から出ていった。


「肩に蝶々いたんだよ」

 と、ぼくの肩にポンポンと触れる美名川さん。


 …


 ぼ、ぼくを触ってきた‼︎


 二回もっ‼︎


 とりあえず呪われたらイヤなので

「あー、どうも」

 と返しておいた。


 絶対目を合わさずに。


 その日、何度か隣の人からの視線を感じたが、絶対見ないように徹底してやった。


 これは仕返しなのかもしれない。


 小瓶飼育妄想の…


 ぼくは、帰り際に隣の魔女に言ってやった。



「あんまりこっちみてると小瓶に入れて飼育するからな‼︎」

 って。


 さらにおまけにキモ笑顔もお見舞いしてやったぜ‼︎


 こんなキモ笑顔が役立つ日が来るなんて、まさか想像もしていなかった。


 すると美名川さんは、キョトンとした顔をしていた。


 そのキョトンを放置して帰宅部エースは、一目散に家に帰りベッドにダイブした。


 ぶっちぎりの一位だ。


 なにが一位かは、わからない。


 でも、スッキリした。


 隣の美人を言葉のスプレーで撃退したのだから。


 明日からは、もうなんにも怖くない。


 むしろ、キモがられて話しかけてこないだろう。


 そう思っていた…



 なのに…なのにまさか、次の日…


 朝、学校に行くと美名川さんが自分のバッグから小さな小瓶を取り出した。


 そして…


 …


 コトンと、自分の机の上に置いていた。


 そしてぼくをジーッとみて微笑んだ。


 …




 やっぱり彼女は、魔法使いなのかもしれない。


 いや、魔女だ。





 続く。

 

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