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『ハズレ職業【鑑定士】と呼ばれた俺、誰にも知られない固有スキル《真実の眼》で世界の理を見抜き最強へ』  作者: ねこノにゃんたん


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第五話 神官の来訪

ご覧頂きありがとうございます!

ついに5話目、お楽しみ下さい!

翌朝。

 村はいつもと違う空気に包まれていた。


「王都から神官様がお見えになったぞ!」


 誰かの声が村中に響く。

 畑仕事をしていた村人たちが次々と広場へ集まっていく。


「神官?」


 父も鍬を置き、俺へ振り返った。


「アルト、お前も来なさい。」


 広場には一台の豪華な馬車が止まっていた。

 白銀の装飾が施され、その側面には天秤を模した紋章が刻まれている。

 昨日、鐘が鳴ったあの教会と同じ紋章だった。

 馬車の前に立つのは、純白の法衣を纏った一人の青年。

 二十代半ばほどだろうか。

 穏やかな笑みを浮かべているが、その瞳だけは笑っていなかった。


「初めまして、皆様。」


 青年は丁寧に一礼する。


「私は神聖教会・第三調査部所属、神官レオルと申します。」


 村人たちがざわめく。

 神聖教会。

 王国中に教会を持つ、最も大きな組織だ。

 神官がこんな小さな村へ来ることなど滅多にない。


「本日は少々、お尋ねしたいことがありまして。」


 レオルは笑みを浮かべたまま続ける。


「数日前、この村の近くでグレイウルフが討伐されたと聞きました。」


 その一言で、村人たちの視線が一斉に俺へ集まる。

 嫌な予感がした。


「その魔物を倒したのは……。」


 レオルの目がこちらを見る。


「君ですね?」


「……はい。」


 隠しても仕方がない。

 俺が答えると、神官はゆっくり近づいてきた。


「失礼。」


 そう言って俺の肩へ手を置く。

 その瞬間。

 《真実の眼》が激しく反応した。


警告。

解析を受けています。

解析元

【神聖教会】

聖遺物《審判の天秤》


「っ!」


 頭の奥が痛む。

 見られている。

 昨日の"逆観測"とは違う。

 もっと強引に、何かを探られている感覚。


「どうしました?」


 レオルは何事もなかったかのように微笑んでいる。


「顔色が悪いですよ。」


「……大丈夫です。」


 嘘だった。

 冷や汗が止まらない。

 この人は危険だ。

 理由は分からない。

 でも《真実の眼》が警鐘を鳴らしている。


「ふむ……。」


 レオルは一歩下がる。

 そして小さく首を傾げた。


「不思議ですね。」


「何がですか?」


「いえ。」


 笑顔のまま答える。


「普通の子供でしたので。」


 その言葉に胸を撫で下ろした。

 見つかっていない。

 《真実の眼》のことは隠せた。

 しかし。

 視界には別の文字が浮かんでいた。


解析妨害に成功。

成功率

0.03%


「え……?」


 たった〇・〇三パーセント。

 もし失敗していたら?

 考えるだけで背筋が寒くなる。


 神官たちは昼過ぎには村を後にした。

 しかし、その日の夕方。

 村長が慌てた様子で家へ飛び込んできた。


「アルト!」


「どうしたの?」


「王都の冒険者ギルドから使者が来た!」


「え?」


「グレイウルフ討伐について詳しく話を聞きたいそうじゃ。」


 父と母が顔を見合わせる。

 村長は続けた。


「安心せい。」


「討罰した者への報奨金も出るそうじゃ。」


 報奨金。

 それを聞いて父は少しだけ笑顔になる。

 農家の我が家にとっては大金だ。


「どうする?」


 父が尋ねる。

 俺は少しだけ考え、静かに頷いた。


「行くよ。」


 確かめたいこともある。

 《真実の眼》のこと。

 レベルという存在。

 そして。

 あの神官が、何を探していたのか。


 その夜。

 眠りにつこうとした俺の視界に、見慣れない文字が浮かんだ。


メインクエスト更新。

【王都へ向かえ】

推奨達成期限

30日以内

報酬

世界設定・第一階層の閲覧権限


 俺は思わず身を起こした。


「……クエスト?」


 今まで一度も表示されなかった文字。

 しかも報酬は――

 世界設定の閲覧権限。

 《真実の眼》は、まるで誰かが作った"ゲーム"の案内役のように、次の目的を示していた。

 だが、その「誰か」が何者なのか。

 今の俺には知る術がない。

 窓の外では、雲に隠れた月が静かに姿を現す。

 そして遠く離れた王都では、一人の少年が同じ夜空を見上げていた。

 その少年の胸には、黄金に輝く紋章が刻まれている。

 後に"勇者"と呼ばれることになる少年との出会いが、もう間もなく訪れようとしていた。

読んでいただきありがとうございます!

まだ続けられているのは皆様のおかげです!

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