表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ハズレ職業【鑑定士】と呼ばれた俺、誰にも知られない固有スキル《真実の眼》で世界の理を見抜き最強へ』  作者: ねこノにゃんたん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/21

第十九話 ハズレ職の英雄

ご覧頂きありがとうございます!

楽しんで頂けましたら幸いです!


アースリザードの巨体が地面に横たわる。

 先ほどまで農場を包んでいた恐怖は消え、代わりに静寂が広がっていた。


「……本当に、倒したのか」


 ガルドが呆然と呟く。

 目の前にあるのは、間違いなくレベル十五の魔物の死体。

 Eランクどころか、ベテラン冒険者でも苦戦する相手だ。

 それを倒すきっかけを作ったのは、七歳の《鑑定士》だった。


「アルト!」


 カインが勢いよく駆け寄り、アルトの背中を叩く。


「お前、本当にすごいぞ!」


「いや、僕一人じゃ倒せなかったよ」


 アルトは首を横に振る。


「ガルドさんが最後の一撃を入れてくれたから勝てたんだ」


 その言葉に、ガルドは顔をしかめた。


「……なんで俺を庇う」


「え?」


「俺はお前を散々バカにしたんだぞ」


 ギルドでも、農場へ向かう途中でも、《鑑定士》はハズレ職だと言い続けてきた。

 なのに、アルトは功績を独り占めしようとはしなかった。


「仲間だからです」


 アルトは当たり前のように答える。


「一人じゃ勝てないなら、みんなで勝てばいいじゃないですか」


 その言葉に、ガルドは何も言い返せなかった。


 一行がアルメリアの町へ戻ると、門の前は大騒ぎになっていた。


「おい、あれを見ろ!」


「アースリザードの死体だ!」


「誰が倒したんだ!?」


 門番たちが驚きの声を上げる。

 農夫たちが興奮した様子で叫んだ。


「この子だ!」


「この《鑑定士》の坊主が、弱点を見つけたんだ!」


 その瞬間、周囲の視線が一斉にアルトへ集まる。


「嘘だろ?」


「鑑定士が?」


「そんなこと、聞いたことないぞ……」


 ざわめきが広がっていく。

 だが、その中から聞こえたのは賞賛だけではなかった。


「たまたまだろ」


「運が良かっただけじゃないのか?」


「ガルドたちが倒したんだろ?」


 アルトは少しだけ俯いた。

 やっぱり、簡単には認めてもらえない。

 そう思った、その時だった。


「違う」


 低い声が響いた。

 皆が振り返る。

 そこに立っていたのは、ガルドだった。


「俺たちは、あのガキに助けられた」


「弱点を見つけたのも、作戦を立てたのも、全部アルトだ」


 町の人々が息を呑む。

 昨日までアルトを見下していた男が、自らそれを認めたのだ。


「少なくとも俺は、もう《鑑定士》をハズレ職だなんて言わねえ」


 ガルドはアルトの方を向く。


「……悪かったな」


 アルトは目を丸くした。

 そして、小さく笑った。


「こちらこそ、ありがとうございました」


 冒険者ギルド。

 アースリザード討伐の報告を聞いた冒険者たちは騒然としていた。


「本当にあの坊主が?」


「信じられねえ……」


 二階のギルドマスター室。

 ガレスは窓の外を見つめながら、静かに呟いた。


「思ったより早いな」


 すると、背後の扉がノックされた。


「入れ」


 部屋へ入ってきたのは、白いローブをまとった男だった。

 胸元には、神聖教会の紋章。


「神聖教会の者です」


「何の用だ?」


「最近、この町に妙な力を持つ少年が現れたと聞きまして」


 ガレスの目が鋭くなる。


「知らんな」


「とぼけないでください」


 神官は不気味な笑みを浮かべた。


「《真実を見抜く力》——我々は、すでにその存在を把握しています」


 部屋の空気が凍りつく。

 ガレスは静かに椅子から立ち上がった。


「帰れ」


「今すぐにな」


 神官は肩をすくめる。


「まあ、今日は挨拶です」


「ですが、いずれ教会は彼を迎えに来ます」


 そう言い残し、男は部屋を後にした。

 扉が閉まる。

 ガレスは拳を強く握り締めた。


「……急がねばならんか」


 その夜。

 宿へ戻る途中、アルトは広場の噴水の前で立ち止まっていた。

 空を見上げる。

 星が綺麗だった。


「鑑定士はハズレじゃない、か……」


 今日だけで、みんなが認めてくれたわけじゃない。

 進行率も、たった二・三パーセント。

 それでも。

 昨日よりは、確かに前へ進めている。

 その時、《真実の眼》が静かに文字を映し出した。


クエスト更新。

【第一章の試練】

達成条件:

アルメリアを襲う災厄を退けよ。

残り時間:三日。

推定成功率:12%

「……え?」


 アルトの顔から血の気が引く。

 災厄?

 三日後?

 意味を理解する前に、さらに文字が浮かび上がる。


警告。

災厄級個体、接近中。

対象名——

【????】


 次の瞬間、町の外れの森から、空を震わせるほどの咆哮が響き渡った。


 ゴオオオオオオオオオオオッ!!


 アルトは反射的に森の方角を見る。

 遠くの山の上で、巨大な影が月を覆い隠していた。

 そして、《真実の眼》が、これまで見たことのない真っ赤な文字を映し出す。


勝率。

0.3%

最後まで読んでいただきありがとうございます!

皆様に楽しんで頂けるよう今後も頑張ります!


評価や感想など是非いただけますと活動の励みになりますのでよろしくお願いいたします!


次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ