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『ハズレ職業【鑑定士】と呼ばれた俺、誰にも知られない固有スキル《真実の眼》で世界の理を見抜き最強へ』  作者: ねこノにゃんたん


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18/21

第十八話 攻略法

ご覧頂きありがとうございます!

楽しんで頂けましたら幸いです!


ドゴォォォン!!


 地面を突き破って現れたアースリザードは、家畜小屋を尻尾の一撃で粉砕した。

 木片が宙を舞い、農夫たちの悲鳴が響く。


「に、逃げろーっ!」


「子どもたちを連れて行け!」


 農場は一瞬で混乱に包まれた。

 一方、ガルドたち三人の冒険者は、突然現れた巨大な魔物を前に顔を青ざめさせていた。


「レベル十五だと……!?」


「Eランクの依頼じゃねえぞ!」


「くそっ、なんでこんな化け物が!」


 アースリザードが低い唸り声を上げる。

 黄色い瞳が、逃げ惑う農夫の親子を捉えた。


「まずい!」


 ガルドが剣を抜くが、間に合わない。

 その瞬間――。


対象:アースリザード

勝率

単独戦闘:0%

共同戦闘:12%

特殊条件を発見。

攻略法を表示します。


 アルトの視界に、赤い文字が浮かび上がった。


【攻略条件】

一、首の後ろにある逆鱗を破壊する。

二、《鑑定士》による指示が必須。

三、攻撃可能時間、三秒。


「……え?」


 アルトは思わず息を呑んだ。

 《鑑定士》による指示が必須?

 そんな条件、今まで見たことがない。

 だが、考えている時間はない。


「ガルドさん!」


「あぁ!?」


「首の後ろを狙ってください!」


「はあ!? 何を言ってやがる!」


「いいから聞いてください!」


 アルトは叫んだ。


「左に三歩!」


「そのまましゃがんで!」


「今です、尻尾が来ます!」


 半信半疑のまま、ガルドは言われた通りに動く。

 次の瞬間。


 ブォンッ!!


 巨大な尻尾が、さっきまでガルドの頭があった場所を薙ぎ払った。


「なっ……!?」


 あと一瞬遅れていれば、間違いなく直撃していた。


「お、お前……どうして分かった!?」


「説明してる暇はありません!」


 アルトは《真実の眼》を見つめる。

攻略まで残り二手。


「カイン!」


「おう!」


「右から石を投げて!」


「任せろ!」


 カインが全力で石を投げつける。

 石はアースリザードの目の前で砕け散った。

 魔物の視線が一瞬だけ逸れる。

チャンス到来。

残り三秒。


「ガルドさん! 今です!」


「ちっ、信じるぞ!」


 ガルドが地面を蹴る。

 一歩。

 二歩。

 三歩。

 アルトの指示通り、アースリザードの背後へ回り込む。


「そこだあああっ!!」


 渾身の一撃。


 ガキィィン!!


 硬い鱗に剣が弾かれる。


「駄目だ! 硬すぎる!」


 その時、《真実の眼》が最後の一文を表示した。


条件未達。

【鑑定士自身が弱点を指し示してください】


「僕が……?」


 迷う暇はない。

 アルトはアースリザードへ向かって駆け出した。


「アルト!?」


 カインの叫びが聞こえる。

 だが、止まれない。

 アースリザードの首元へ飛び込み、逆鱗を指差して叫んだ。


「そこだ!!」


 その瞬間。

 逆鱗が青白く光った。


「なっ……!?」


 ガルドが目を見開く。


「うおおおおおっ!!」


 振り下ろされた剣が、光る逆鱗を真っ二つに切り裂いた。


 ズガァァァン!!


 断末魔の咆哮が響き渡る。

 巨体が大きく揺れ、そのまま地面へ崩れ落ちた。

 土煙が舞い上がる。

 静寂。

 誰も言葉を発せなかった。

 レベル十五の魔物を。

 Eランクですらない見習いの《鑑定士》が、倒したのだ。


「……助かったのか?」


 農夫の一人が呟く。


「勝った……?」


 やがて、誰かが歓声を上げた。


「やったぞー!!」


 農場に歓声が広がる。

 子どもたちが泣きながら親に抱きつく。

 カインはアルトの肩を掴んだ。


「お前、すげえよ!」


 しかし、その隣で。

 ガルドだけは、黙ったままアースリザードを見つめていた。


「……なんでだ」


「なんで、お前みたいなガキが……」


 アルトは息を切らしながら答える。


「僕は、鑑定士です」


「敵の弱点を見つけて、みんなに伝える。それが僕の役目です」


 ガルドは何も言い返せなかった。

 今まで散々「ハズレ職」だと笑ってきた。

 だが、そのハズレ職に、自分たちは救われたのだから。

 その時、《真実の眼》が静かに文字を映し出した。


クエスト進行。

【鑑定士はハズレではないと証明する】

進行率:0.01%→2.3%

 たった二・三パーセント。


 だが、アルトは初めて、自分が前に進めている気がした。

 夕日に照らされながら、少年は静かに拳を握る。

 いつか必ず、証明してみせる。

 鑑定士は、決してハズレなんかじゃないと。

 だが、その様子を、遠くの丘の上から見つめる白いローブの影があった。


「やはり、あの力は危険ですね」


 男は不気味に微笑む。


「報告しましょう。教会の上層部へ」


 アルトはまだ知らない。

 今日の勝利が、さらなる運命の歯車を回し始めたことを。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

皆様に楽しんで頂けるよう今後も頑張ります!


評価や感想など是非いただけますと活動の励みになりますのでよろしくお願いいたします!


次回もお楽しみに!

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