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『ハズレ職業【鑑定士】と呼ばれた俺、誰にも知られない固有スキル《真実の眼》で世界の理を見抜き最強へ』  作者: ねこノにゃんたん


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第十三話 迷いの森

ご覧頂きありがとうございます!

楽しんで頂けましたら幸いです!


翌朝。


 アルメリアの空は雲一つない快晴だった。

 ギルドへ入ると、エミリアが手を振る。


「おはよう、アルト君。」


「おはようございます。」


「ちょうどよかったわ。ギルドマスターから伝言よ。」


「伝言?」


「昨日の地図の話、覚えてる?」


 アルトは頷く。

 薬草採取に向かった人物が戻らないという話だ。


「正式な調査依頼になったわ。」


 エミリアは依頼書を差し出した。


調査依頼

迷いの森周辺の行方不明者捜索

推奨ランク:E


「僕が……?」


「もちろん一人じゃないわ。」


 その時。


「アルト!」


 聞き慣れた声が響く。

 振り向くと、カインが笑顔で手を振っていた。


「また一緒だな!」


 アルトも自然と笑みを浮かべる。


「よろしく。」


 町から北へ一時間。

 二人は問題の森へ到着した。

 森の入口には古びた木札が立っている。

迷いの森

深入りするな


「なんか嫌な感じだな。」


 カインが肩をすくめる。

 アルトも同じだった。

 静かすぎる。

 鳥の声もしない。

 風さえ止まっているようだった。

 その時、《真実の眼》が反応する。


周辺環境を解析。

危険度:低

異常反応:あり


「異常反応?」


 表示はそれだけだった。

 原因までは分からない。


「行こう。」


 二人は慎重に森へ足を踏み入れた。


 三十分ほど歩いただろうか。


「なあ。」


 カインが立ち止まる。


「さっきもこの岩、見なかったか?」


 アルトも辺りを見回した。

 大きな切り株。

 曲がった白樺。

 苔むした岩。

 確かに見覚えがある。


「同じ場所……?」


 嫌な予感がした。

 《真実の眼》が静かに表示する。


現在地

入口から127メートル


「え?」


 そんなはずがない。

 三十分も歩いたのだ。

 百メートルしか進んでいないなんて。

 アルトは周囲を見渡す。

 すると一本の木に、小さな傷が付いていた。


「これ……。」


「俺がさっき付けた目印だ。」


 カインが青ざめる。


「戻ってきたのか。」


 二人は知らないうちに同じ場所を歩き続けていた。


 アルトはしゃがみ込み、地面を見つめた。


「どうした?」


「考える。」


 昨日、ガレスが言っていた。

 《鑑定士》は"考える者"だと。

 《真実の眼》は答えを教えてくれる。

 でも、それだけじゃない。

 自分でも考えなければ。

 アルトは目を閉じる。

 風。

 土。

 草。

 そして。


「……足跡。」


「え?」


「僕たちの足跡が一つしかない。」


「一つ?」


 カインも覗き込む。

 本来なら往復していれば足跡は重なるはずだ。

 しかし地面には、一方向へ続く足跡しか残っていない。


「つまり。」


 アルトは静かに立ち上がる。


「戻ってきたんじゃない。」


「景色だけが同じなんだ。」


「……!」


 カインが目を見開く。

 《真実の眼》が反応した。


推論を確認。

正解率:91%


 アルトは思わず笑った。

 初めてだ。

 《真実の眼》が先に答えを出したのではない。

 自分で考えた答えを肯定してくれた。


「なら。」


 アルトは空を見上げる。


「景色じゃなくて、太陽を目印にしよう。」


 十分後。


「見えた!」


 カインが叫ぶ。

 木々の向こうに、小さな小屋が建っていた。

 煙突からは細い煙が上がっている。


「人がいる!」


 二人は駆け寄る。

 扉を叩くと、中から老人が顔を出した。


「おお……!」


「人か!」


 老人は涙を浮かべる。


「助かった……。」


「薬草を採っていたら森から出られなくなってな。」


「三日も迷っとった。」


 アルトとカインは顔を見合わせる。

 無事だった。

 依頼は成功だ。

 その時、《真実の眼》が静かに反応する。


依頼達成。

追加情報。

この老人は嘘をついていません。


「……追加情報?」


 アルトは首を傾げる。

 誰も嘘を疑っていない。

 なのに、わざわざ《真実の眼》が教えてきた。

 まるで――

 これから誰かが嘘をつくことを予告するように。

 その瞬間。

 小屋の奥から、小さな物音が聞こえた。

 コトン。

 老人は一瞬だけ表情を強張らせる。


「……?」


 アルトはゆっくりと、小屋の奥へ視線を向けた。

 《真実の眼》が、静かに新たな文字を映し出す。


生命反応。

2名。


 老人は一人暮らしだと話していた。

 では。

 もう一人は、誰だ。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

皆様に楽しんで頂けるよう今後も頑張ります!


評価や感想など是非いただけますと活動の励みになりますのでよろしくお願いいたします!


次回もお楽しみに!

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