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翌朝、貴仁は目を覚ました。だが、貴仁は新鮮に思える。どうしてだろう。いつもと違う場所で寝ているからだろうか? ここは実家ではない。それに、世界ではない。ここは違う世界だ。自分がここにいていいんだろうかと思っているが、そっちの家族が快く受け入れてくれた。これでよかったんだろうか? 本当の両親は心配していないだろうか? 今頃、両親は貴仁がいなくなって大騒ぎになっているだろう。そう思うと、早く帰らないとと思えてくる。
貴仁は1階のダイニングに向かった。階段もいつもと違う。どこか新鮮に感じる。経験したことはないが、ホームステイってこういう感覚なのかな?
貴仁はダイニングに入った。そこには紀夫がいる。紀夫は新聞を読んでいる。ここは元に住んでいる世界と同じだ。
「おはよう」
「おはよう」
紀夫は声をかけた。貴仁の表情を見て、紀夫は思った。何か悩んでいる事があるんだろうか? もし会ったら、話してほしいな。
「どうしたの?」
「いつになったら、帰れるのかな?」
貴仁は思っている。いつになったら帰れるんだろうか? 自分はここにいるべきではない。元の世界に戻り、そこで生きるべきだ。家族と一緒に住み、いつか独り立ちするんだ。
「帰りたいの? 追い出されると思うよ」
まだそう言っているんだろうか? 追い出されても、一晩経てばまた家の中に戻れるのに。
「そうかな? 一晩経てばまた家に入れたんだけど」
それを聞いて、紀夫は何かを感じた。どうしたんだろうか? 貴仁は疑問に思った。
「うーん・・・、そうかな?」
「信じられないの? だいたいそうだよ。僕、何回も追い出された事あるんだもん」
貴仁は、追い出された時を思い出した。一晩経てば、表情が元に戻って、また家に戻れるよ。
「そんなにあるんだ。何回されたの?」
「わからない。多すぎてわからないんだ」
それを考えると、貴仁は下を向いた。何度もそんな事をされた。とても恥ずかしい。誰にも言いたくないぐらいだ。
何度もされた事を知って、紀夫の表情が変わった。何度も追い出す両親が許せないんだろうか? 叱ってやりたいと思っているんだろうか? 本当に悪いのは僕なのに。
「ひどい親だね」
瑠奈もひどいと思っているようで、厳しい表情だ。とても気になっている。
「頑張ってるんだけど、なかなかうまくいかないんだよ。両親は勉強を手伝ってくれないし」
貴仁は両親に不満を持っていた。どんなに勉強で悩んでいても、助けてくれない。そんでもって、テストや通信簿が悪ければ、容赦なく家から追い出す。いつかそんな両親に仕返しをしたいと思っていた。
「うーん・・・」
それを聞いて、紀夫は悩んでいる。貴仁のためにも、この両親を何とかしないと。
「どうしたの?」
「いや、何でもないよ」
「そっか」
瑠奈が朝食を作り終え、テーブルに朝食を並べた。みそ汁とごはん、ベーコンエッグだ。
「さぁ、朝食を食べよう」
「うん」
それを聞いて、明がやって来た。だが、その姿は青い龍だ。その姿を見て、貴仁は戸惑った。声は明だが、姿は青い龍だ。どういう事だろうか? ここはどこだろうか? まさか、異世界に迷い込んだのか?
「おはよう、って、えっ!? 龍?」
「うん。驚いた。僕たち、龍なんだよ」
だが、明はそれが普通だと思っていた。自分たちは普通に龍だよ。それがどうしたのって表情だ。
「そうなんだ・・・」
「全然怖くないわよ」
瑠奈の声を聞いて、貴仁は振り向いた。瑠奈は黄色い龍の姿だ。それを見て、貴仁は思った。この家族は、龍の家族なのか?
最初は戸惑っていた貴仁だが、徐々に落ち着いてきた。姿が龍なだけで、とても優しそうだ。この家族とも仲良くなれそうだな。
「そう・・・。ところでここ、どこ?」
「えっ、ここ? 魔界」
魔界と聞いて、貴仁は驚いた。まさか、魔界にやって来たとは。自分はとんでもない世界にやって来たな。早く元の世界に戻らないと。
「えっ!?」
「魔界だよ。僕らのような魔獣がいる世界」
貴仁は紀夫の方を向いた。紀夫は赤い龍の姿だ。とてもかっこいい。強そうで、どこか優しい表情だ。
「ふーん・・・」
「どうしたの?」
「何でもないよ」
すでに起きて、嶺亜は朝食を食べている。嶺亜は緑の龍の姿だ。だが、貴仁は驚いていない。ここでは普通の光景だろうと思っていた。
「まぁ、食べなさい」
「いただきまーす」
貴仁は椅子に座り、ご飯を食べ始めた。とてもおいしい。本当の両親よりもおいしいな。この両親なら、ずっといてもいいなと思った。でも、本当の両親ではない。両親のもとに帰らなければならない。
「おいしい?」
「うん」
それを聞いて、瑠奈は喜んだ。自分の作った料理がおいしいと言われて、嬉しかったようだ。もっと頑張る気持ちになれる。
「よかった。本当の親と比べて、どう?」
その声に、明は反応した。果たして、貴仁はどっちの親がいいんだろうか? 貴仁の本当の両親は見るからにダメな両親だ。指導しないと、また家から追い出すだろうな。そして、貴仁はいい子に育たないだろうな。
「こっちのほうがおいしいな」
「それはよかった」
それを聞いて、明はほっとした。貴仁はその視線が気になった。明はずっとここにいてほしいんだろうか? 自分は元の世界に戻らなければならないのに。
紀夫と瑠奈はそのやり取りをじっと見ていた。とても気になるようだ。果たして、貴仁は元の世界に戻りたい、また本当の両親と暮らしたいと思っているんだろうか? また追い出されるというのに。
「えっ、何か?」
貴仁は2人の表情が気になった。また実家に戻ろうと思っているのが気になるんだろうか? ずっとここにいてほしいと思っているんだろうか?
「いや、何にも」
貴仁はほっとして、朝食を再び食べ始めた。その様子を、紀夫と瑠奈は見ていた。
その頃、島田家でも朝を迎えた。昨日は貴仁を追い出した。1晩外で過ごして、反省しているんだろうか? 今度こそ反省しているんだろうか?
名津子は玄関を開けた。いつもの朝だ。果たして、貴仁は外にいるんだろうか? 名津子は辺りを見渡した。
「貴仁ー、もう戻りなさい」
だが、名津子は異変に気付いた。貴仁がいないのだ。いつもなら、外でじっとしているはずなのに。どうしたんだろう。こんな事はなかった。まさか、家出をしたんだろうか? もしそうなら、捜索願を出さないと。
「あれっ!?」
名津子はもっと真剣に辺りを見渡した。だが、それでも貴仁はいない。いったいどこに行ったんだろうか? 名津子は知らなかった。貴仁が魔界にいて、そっちの家族の世話になっているという事を。
「どこ行ったのかな?」
その声を聞いて、優太郎は目を覚ました。いつもとは違う声だからだ。貴仁の身に何があったんだろうか?
「どうしたんだ?」
「ここにいるはずの貴仁がいないの」
優太郎は呆然となった。貴仁はどこに行ったんだろうか? まさか、近所の子供の家に世話になっているんだろうか?
「えっ!? いないって?」
「うん。ここにいるはずなのに」
名津子は指をさした。追い出されたら、翌朝はいつもここにいたのに。今回はいない。
「どっか行ったのかな? 探そうよ」
「うん」
名津子は朝食を食べずに、近所を回った。優太郎は仕事を休んでまで、貴仁を探そうと思った。一体貴仁はどこに行ったんだろうか?
2人は隣の家にやって来た。その家には、子供がいない。だけど、貴仁とは仲が良くて、知り合いだ。
「すいませーん、うちの貴仁、見ませんでした?」
だが、出てきた老婆は、何も知らないようだ。貴仁の姿を、昨晩見ていない。
「見なかったなー」
「そうですか・・・」
その表情を見て、老婆は気づいた。きっと、貴仁の身に何かがあったに違いない。もし行方不明なら、一緒に探そう。
「どうしたんですか?」
「昨夜、外で反省していろと言われて、玄関の前にいたはずの貴仁がいないんです」
それを聞いて、老婆はあきれた。また追い出したのか。これで何度目だろう。もうやるなとさんざん言っているのに、またやるとは。この夫婦は全く懲りないな。
「えっ、またあんな事やったんですか?」
老婆は怒っている。何度もこんな事をするから、貴仁がいなくなったに違いない。いつかそんな事になると思っていたが、本当にこんな事になるとは。
「はい・・・」
「いい加減にしなさいよ! ひどいよ」
老婆は怒鳴った。それを聞いて、2人は反省した。自分はとんでもない事をした。もうやらないから、早く帰ってきてほしい。そして、また一緒に暮らそう。
「でも、それが愛情だと思ってやってるから」
だが、名津子はそれが愛情だと思っているようだ。それを聞いて、老婆は名津子をビンタした。名津子は驚いた。
「いっつもそんな言い訳してんじゃないの!」
「ご、ごめんなさい・・・」
名津子は頭を下げた。だが、老婆の表情は変わらない。とても怒っているようだ。追い出した夫婦が許せないようだ。
「もう貴仁くん、帰ってこないかもしれないよ」
「そんな・・・」
それを聞いて、優太郎は呆然となった。愛情をこめて育てた貴仁が、もう帰ってこないかもしれない。それを考えると、名津子は涙が出てきそうだ。もう会えなくなったら、どうしよう。これからどうして生きていけばいいんだろう。全くわからない。
「そんなの嫌でしょ? だったら、もうやらない事。そして、謝りなさい」
「はい・・・」
2人は家を後にした。別の家に聞こう。もしかしたら、そこにいるかもしれない。
と、そこに誠也がやって来た。誠也は公園で行われていたラジオ体操からの帰りだ。
「ねぇねぇ、貴仁、見なかった?」
誠也は首をかしげた。貴仁のみに何かあったんだろうか? 表情から察するに、とんでもない事になったんだろう。昨夜は落ち込んだ表情で家の前にいた。誠也は島田家の前を見たが、そこに貴仁はいない。
「昨夜はいたんだけど、いないなー」
名津子は思った。捜索願を出そう。早く出して、見つけ出さないと、命が危ないだろう。
「捜索願、出そうよ」
「うーん・・・」
2人は焦っていた。貴仁が行方不明になったという事は、あまりにも大事件だ。これは警察に言わないと。だが、優太郎は思っていた。しばらくしたら、また帰ってくるだろう。まだそんなに大騒ぎするほどではないだろう。
「これは大変な事だよ!」
「そうだね、捜索願を出そう!」
名津子の慌てている表情を見て、これは大変な事だと感じた。貴仁が死んだら、これから僕たちはどう生きていけばいいんだろう。そうならないためにも、早く捜索願を出さないと。
「ああ」
だが、その様子を1人の男と女が陰で見ていた。紀夫と瑠奈だ。だが、みんなには見えていない。魔法で透明になっているからだ。
「どう?」
「捜索願が出されそうだ」
瑠奈は感じた。これはとんでもない事になったな。何としても、彼らを落ち着かせるためにも、何とかしないとな。
「そうなんだ・・・」
紀夫は考えた。そろそろあるものを用意しないと。そして、貴仁の両親を懲らしめないとな。
「そろそろ、あれを用意しないとな」
「あれ?」
瑠奈は首をかしげた。何を用意するんだろうか? 瑠奈には全くわからない。
「ああ。あれだ」
紀夫は思っていた。貴仁の複製人間をここに送り込み、2人の日々を観察する。そして、魔界に連れ去るチャンスを伺う。そして、貴仁の両親を連れ去り、魔界で裁こう。それと入れ替わりに、貴仁の両親の複製人間を送り込む。そして、貴仁は貴仁の両親の複製人間と暮らす。そっちの両親の方が、貴仁にとっては幸せだろうと思っていた。
「そうだね」
瑠奈も理解した。貴仁にとってはそれが幸せだな。貴仁の両親は、親として失格だな。魔界で裁きを受けないと。




