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今日は7月17日、明日から夏休みだ。小学校の授業は午前中で終わり、子供たちは暑い中、家に帰っていく。彼らは明日から始まる夏休みに夢を描いていた。家族と旅行に行ったり、友達と一緒に遊ぶ、それを夢見ていた。長い夏休みは、子供たちが夢見る長い休みだ。
そんな中、1人の男の子が歩いていた。その男は島田貴仁、都内に住む小学校5年生だ。両親は勉強熱心で、名門私立中学に進学するように命じている。そして、成績が悪かったら容赦しないらしい。近所からはその教育を批判されているが、両親はその教育を変えようとしない。
貴仁は下を向いていた。通信簿の成績が悪かったからだ。見せたら、どんな事をされるかわからない。もしそんな成績だったら、家から追い出されるだろう。いつもそうなっている。今年もそうなるかもしれない。どうしよう。
「はぁ・・・」
貴仁はため息をついた。なかなか立ち直れない。どうしよう。
「大丈夫?」
突然、誰かが貴仁の肩を叩いた。同級生の金村誠也だ。貴仁の近所に住んでいて、貴仁の事を気にしていた。とても厳しい教育で、あまりにもかわいそうすぎるんじゃないかと思っていた。何度も注意したが、それでも貴仁の両親は反省しようとしない。
「また怒られるよ・・・」
貴仁は泣きそうだ。このまままたあんな事になるのでは? 貴仁は不安でいっぱいだ。
「わかってるって。ひどいよね・・・」
誠也は貴仁の頭を撫でた。また追い出されたら、僕が何とかするから。心配するなよ。僕が注意してやるからさ。
「いくらなんでも、ひどいよ・・・」
「もし、大変な事になったら、僕が助けてやるから」
貴仁は少し元気が出てきた。誠也が助けてくれるさ。そして、両親に注意してくれるさ。
「ありがとう」
誠也の家の前に来た。貴仁の家はその隣だ。
「じゃあね、バイバイ」
「バイバーイ!」
誠也は家に入った。貴仁はその様子を見ている。
「うーん・・・」
だが、貴仁は不安でたまらない。この後、どうなるかと思うと、とても不安だ。何とかして、通信簿を見せないようにしないと。
貴仁は家に戻ってきた。貴仁は相変わらず下を向いている。母、名津子に顔見せできない。
「ただいまー」
貴仁は玄関を開け、家に入った。それとともに、名津子がやって来た。名津子はエプロンを付けている。昼食を作っているようだ。
「おかえり。今日、通信簿、帰ってきたんでしょ? 見せなさい」
名津子は厳しい表情だ。今日、通信簿が帰ってきたはずだ。それを見せなさい。見せないと、昼食を食べさせないつもりだ。
「・・・、はい・・・」
貴仁は名津子に通信簿を見せた。それを見て、名津子の表情が厳しくなった。成績が良くないからだ。このままでは、私立中学は厳しいだろう。
「全く、こんな成績で、恥ずかしくないの?」
名津子は貴仁を叱った。貴仁は泣きそうだ。もっと頑張らないとと思っているのに、なかなか頑張れない。
「ごめんなさい・・・」
2人は右にある座敷にやって来た。座敷はシーンとしている。あまり使われないからだ。
「ここに座りなさい!」
「はい・・・」
貴仁は座布団を敷き、正座で座った。名津子はテーブルに通信簿を叩きつけた。それを見て、貴仁は凍り付いた。
「これはどういう事なの!」
「本当にごめんなさい・・・」
貴仁は頭を下げ、謝った。だが、名津子の表情は厳しいままだ。
「もう何度も何度もこうじゃないの! いい加減にしなさい!」
成績が悪かったのは、何度目だろうか? 数えきれない。一生懸命育てて、教育してきたのに、あまりにもひどいじゃないか?
「何か言いなさい!」
名津子は貴仁の頭を引っ張った。貴仁は痛がったが、名津子は離そうとしない。
「・・・、ごめんなさい・・・」
「全く! こんな子に育てた覚えはないよ!今夜は外で寝なさい!」
貴仁の予想通り、やはり家を追い出されてしまった。あまりにもひどすぎるよ。
「そんな・・・」
名津子はまた貴仁のシャツを引っ張り、家から追い出そうとした。あまりにもひどいよ。
「痛い!」
だが、名津子は離そうとしない。貴仁はとても痛そうだ。もうこんな事やめてよ。
「出ていけ!」
名津子は貴仁を突き飛ばし、玄関から追い出した。すぐに貴仁は入ろうとするが、中から鍵を閉められた。貴仁は暑い中、朝までここでいる事になるだろう。食事も水分補給も一切なし、まるで地獄のようだ。
「そんな・・・」
貴仁はうずくまり、泣き出した。誰か助けてよ。また追い出されちゃったよ。
「お母さん・・・」
貴仁はそのまま、家の前でうずくまっていた。中からは、名津子の楽しそうな声が聞こえる。それを聞いていると、とてもうらやましくなる。家を燃やしたくなる。だが、そんな事をしてはいけない。捕まってしまうだろう。
夜の7時になった。だが、外はまだ明るい。日の入りが遅いのだ。貴仁は相変わらず、外でうずくまっていた。人々は貴仁の様子を見ているが、誰も助けようとしない。誰もかわいそうだと思わない。僕はどうすればいいんだろう。貴仁は1人で静かにうずくまっていた。
程なくして、スーツ姿の男がやって来た。父の優太郎だ。優太郎はサラリーマンで、家の近くの事務所で働いている。優太郎も勉強熱心で、名門私立中学校に行かせようとしている。その姿を見て、貴仁は顔を上げた。
「父さん・・・」
だが、優太郎も厳しい表情だ。貴仁の成績をわかっているようだ。
「ちゃんとやらなかったから、こうなるんだ! 反省しなさい!」
「はい・・・」
優太郎は玄関に入っていった。だが、貴仁を入れようとしない。その様子を見て、貴仁は泣きそうになった。自分はここの家族なのに、この家に入れない。あまりにもひどいよ。自分の成績が原因だという事は知っているけれど、ここまでやらなくていいんじゃないかと思った。
「貴ちゃん・・・」
貴仁は顔を上げた。誠也だ。誠也はスポーツドリンクを持っている。追い出された貴仁に持ってきたようだ。
「誠也くん・・・」
誠也はスポーツドリンクを渡した。貴仁はすぐに飲み始めた。誠也はとても嬉しそうだ。
「追い出されたの?」
「うん・・・」
やっぱり追い出されたようだ。また両親を注意しないと。
「ひどいよね」
「うん・・・」
だが、誠也には何もできない。もし、他人の家に入れたら、両親に怒られるだろう。そして、また追い出されるだろう。
「何もできなくて、ごめんね・・・」
「うん・・・」
誠也は去っていった。貴仁はその後姿を見ている。誠也は申し訳ない気持ちでいっぱいだ。助けを求めているのに、何もできない。
「父さん、母さん、ごめん・・・」
貴仁は両親の事を思い出した。両親とはいい思い出がいっぱいだが、それ以上に悪い思い出ばかりだ。どうして自分はそんな家族に生まれてしまったんだろう。もし生まれ変わったら、優しい両親のもとに生まれたかったよ。
「大丈夫かい?」
誰かの声で、貴仁は顔を上げた。また誠也だろうか? いや、別の少年の声だ。その少年はそこら辺にいそうな顔だが、服装が変わっている。魔法使いのようなマントを着ている。どこから来たんだろうと思わせる。
「うん・・・。君、誰?」
「僕、僕の名前は、坂根明。どうしたの?」
明は笑みを浮かべた。明はとても優しそうだ。初めて出会ったのに、まるで兄のようだ。
「お母さんに追い出されたの・・・。1晩ここで 反省してろって」
それを聞いて、明は驚いた。こんなひどい事をする両親がいるとは。これは大変だ。何とかしないと。
「そうなんだ・・・。本当に大丈夫? 僕が何とかするよ・・・」
明は手を差し伸べた。どうしよう。両親に見つかったら、怒られるだろう。
「えっ!?」
明は破れた服に手をかけた。おそらく、両親に破られたものだろう。こんな事もされたとは。
「ひどいよね・・・」
「うん・・・」
と、明は思った。この子がかわいそうだ。何とかしないと。しばらく、家にかくまっておこうかな?
「うちに来いよ」
それを聞いて、貴仁は驚いた。まさか、誘ってくれるとは。優しい男の子だな。
「本当に? いいの?」
「いいよ」
だが、それを聞いて、明は何かを考えた。貴仁は思った。何か問題でもあるんだろうか? だが、このままでは熱中症で死んじゃう。
「・・・、ありがとう・・・」
貴仁は、明と一緒に明の家に向かう事にした。だが、どこにあるんだろう。全くわからないな。
「こっちこっち!」
明は狭い路地に入った。ここは人通りが少ない場所だ。とても静かだ。本当にこの先にあるんだろうか?
突然、明は手のひらを正面に向けた。すると、目の前に魔法陣ができた。ひょっとして、明は魔法使いだろうか? 明は魔界からやって来たんだろうか?
2人は魔法陣に入った。その先には、のどかな田園風景が広がっている。ここは異世界だろうか?
しばらく歩いていると、かやぶき屋根の家が見えてきた。まるで農村の家のようだ。ここが明の家だろうか?
「ここだよ!」
「ここ?」
その家を見て、貴仁は驚いた。こんな所に住んでいるのか。とても立派だな。
「うん。いい家でしょ?」
「うん」
2人は家の玄関に向かった。貴仁は辺りを見渡している。ここは農家のようで、物置には農業機械が多くある。
「お邪魔しまーす」
2人は玄関から入った。すると、中年の男と中年の女性、そして女の子がやって来た。中年の女性は瑠奈、明の母親だ。中年の男性、紀夫は明の父親だ。そして、女の子の名は嶺亜、明の妹だ。一体誰だろうか? 瑠奈は貴仁を見て、顔を変えた。
「おかえりー、あら、この子、どうしたの?」
瑠奈は驚いた。どうして人間の子がやって来たんだろうか?
「家から追い出されたんだって」
「そうなの? ひどいわね」
瑠奈はかわいそうだと思った。こんな事をする両親なんて、許せないな。何とかしないと。
「ひどいと思ってる・・・」
紀夫もかわいそうだと思っている。何とかしないと。
「そうでしょ?」
ふと、明は思った。これは大変な事だ。貴仁を、その両親を何とかしないと。
「しばらくここで過ごしなさい」
「ありがとう・・・、ございます・・・」
貴仁はそわそわしている。本当にいいんだろうか? 人の家に世話になったら、両親に怒られるのに。
「いいのよ。私、坂根瑠奈というの」
瑠奈は笑みを浮かべた。名津子よりも優しそうだ。こんな母ならいいな。貴仁は思った。
「私、坂根嶺亜。明の妹」
嶺亜はとてもかわいい。こんな妹がいたらいいな。
「俺、坂根紀夫。明と嶺亜の父さんだ」
紀夫は厳しさの中に、優しさがあるようだ。こんな父ならいいな。
紀夫は貴仁を2階に案内した。貴仁は紀夫についていく。
紀夫は部屋の前で立ち止まった。ここがしばらく、自分の部屋になるようだ。
「この部屋を貸してやるから、今日はゆっくりお休み」
貴仁はお事後をした。それを見て、紀夫は笑みを浮かべた。この子は礼儀正しいな。きっといい子に育つだろうな。
「ありがとうございます。おやすみ」
「おやすみ」
貴仁は部屋に入り、扉を閉めた。その様子を、紀夫はじっと見ている。
「どうしたの?」
紀夫は振りかえった。瑠奈がいる。
「いや、あの子が気になって」
紀夫は貴仁が気になっていた。子供を追い出すなんて、あまりにもひどいな。何とかしないと。そして、両親をそれにふさわしい罰を与えないと。
「そうだね。私、あんな事をする親って、許せないと思う」
「ああ。何とかしないと」
2人は決意した。この子のためにも、両親をそれにふさわしい罰を与えようと。




