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『女神国家』外伝 ー双子ー

女神国家の外伝集に載せてるエピソードです!


第一章 聖別の朝 ―ふたつの運命―


空は抜けるように青く、ドローンの羽音が静かな音楽のように響いている。

国立次世代育成センター「ひまわりの園」の朝は、いつも通り完璧に管理された平穏の中にあった。


今日、カイは7歳になる。


「カイ、動かないで。襟を直してあげる」

同じ日に生まれたユイが、カイの真っ白なシャツを整えた。


二人は同じ母から生まれた、この国が誇る「最高品質」の双子だ。

整った顔立ち、高い知能、そして同年代の他国の子供を凌駕する体格。


すべては国の徹底した管理の賜物だった。


「今日から僕は『居住区』に行くんだ。お父さんと同じ場所だよ。楽しみだな」

カイの瞳は希望に輝いている。


教育ビデオで見た男性居住区は、美味しい食事と楽しいゲーム、そして「女神様」たちのために働く誇りに満ちた場所として描かれていた。


「ええ。あなたは私たちのために、立派な男性になるの。私は今日から個室が与えられて、将来の『女神』としての学びが始まるわ」

ユイの言葉には、7歳とは思えない気品と選民意識が宿り始めていた。


彼女にとって、カイは愛すべき兄弟であると同時に、いつか国が共有し、管理すべき「贈り物」の一つになる存在なのだ。


第二章 儀式


センターの中央ホールには、今日7歳を迎える男児たちと、その母親たちが集まっていた。

壇上には、白衣を纏った女性職員たちが並んでいる。


「これより、聖別式を執り行います」

厳かな声と共に、職員の手には細く、真珠のように白いシリコン製の首輪が握られていた。


「カイ、おめでとう」

母・葵が微笑みながら、カイの前に膝をついた。


彼女はエリート官僚として多忙な日々を送っているが、週に三度は必ず子供たちに会いに行っていた。


カイが首を差し出すと、カチリ、という小さな音がホールに響く。


その瞬間、カイの首筋に最新鋭のGPSと心拍監視、そして「もしも」の時のための致死性薬剤が組み込まれたデバイスが固定された。


カイにとって、それは「大人の男」として認められた勲章であり、女性たちへの忠誠の証だった。


「……少し、冷たいね」

カイは誇らしげに笑った。


彼はまだ知らない。

この首輪が外されるのは、……


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