『女神国家』外伝 ー双子ー 2
第三章 分かれ道
午後。
男性居住区へと向かうバスがセンターの前に停まった。
男児たちは、母親や女児たちに深々と頭を下げてから乗り込んでいく。
「さようなら、ユイ。次は『面会』で会おうね」
カイがバスの窓から手を振る。
ユイは、少しだけ寂しそうな、けれど慈愛に満ちた表情でそれを見送った。
「さようなら、カイ。元気でね。私のために、良い国を作ってね」
バスが走り出す。
カイの視界には、清潔で美しい街並みと、そこを颯爽と歩く美しい女性たちの姿が映っていた。
彼は心から「この国に生まれてよかった」と思っていた。
一方、ユイは自分の個室へと向かう廊下で、職員から新しいタブレットを受け取った。
そこには、カイたちが学ぶことのない「世界の真実」と「管理の技術」のカリキュラムが並んでいる。
ふと、ユイは窓の外を見た。
高い壁の向こう側。
男性居住区の上空を、無数のドローンが音もなく旋回している。
「女神様、お部屋の準備が整いました」
ロボットの声に、ユイは小さく頷いた。
日本の、そして世界の最先端を行くユートピアの朝は、今日も完璧な調和の中で過ぎていく。
第四章 父との対面
儀式の後、カイは許可を得て「父」に会いに行った。
そこには、カイとユイの生物学的な父、タクミが待っていた。
タクミは32代。建設現場で働く屈強な肉体を持ちながら、その態度はどこまでも謙虚だ。
彼は「上位40%」に選ばれた繁殖適格者であり、その遺伝子は極めて優秀だった。
「カイ、立派になったな。その首輪がよく似合っている」
タクミは息子を抱きしめた。タクミの手は、日々の労働で硬く、マメができていた。
「お父さん、僕も早くお父さんみたいに働いて、女神様たちに貢献したいよ!」
「ああ、いい心がけだ。居住区はいいところだぞ。美味しい食事もあるし、夜は仲間とゲームもできる。」
「何も心配することはない。ただ、女性を敬い、ルールを守るんだ。それだけで人生は約束される」
タクミの言葉に嘘はなかった。
彼は自分の境遇に満足していた。
毎月の国からの支給金で趣味の模型を買い、快適でホテルのような生活を送り、たまに選ばれて「女神」と過ごす夜。
それ以上の幸せがあるなど、想像したこともなかった。
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