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それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


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337 再誕魔王

キスの日なので初投稿です

 6枚羽が翼人族の若人達と歌って踊って大騒ぎをしている。


「楽しそうだな」

「そうでございますね」

「さて、と」


 盛り上がっている会場をアリスとともにそっと抜け出して外に出る。


「どこに行くのよ?」

「クレア、それにソフィーも」

「大方予想はつくけど」

「じゃあ全員で行くか」


 俺達が目的地へ向かう道中ソフィーから問いかけられる。


「ろいあるが神ではないと思ったのは何故なんだい?」

「あいつ言ってただろ、自分は翼神様ではないって」

「そうだね……え、まさかそれだけ?」

「まあ本当なんじゃないか?神を騙る奴は居ても自分が神である事を否定する神は居ないんじゃないか?流石に関係者だと思うが」

「じゃあ翼神はどこにいるのよ」

「そりゃ決まってる」


 会話しているうちに目的地にたどり着いた。昼間に来た山の中腹、その広場だ。


「この祭壇だ」


 木組みで作られた小山のような祭壇だと思っていたが山頂部分が凹んでおりその中央には大きな卵の形をした石の様な何かがあった。


「この祭壇は巣、この卵が入った帳は温める親鳥だ」

「じゃあ羽根継儀はなんだったんだい?」

「それは……」

「あーしを呼び戻す方法だよ」


 後ろから声がするので振り返るとろいあるがいた。いつの間に。


「あんたらがこっちに向かってるのが見えたから追ってきたんだよ」

「それよりも貴方様を呼び戻す方法とは……?」

「まんまそのとおりだよ。翼神が復活した時にあーしも来て翼神をもう一度封印するために残したんだ」

「よくわからないんだが、翼神とは翼人族の神じゃないのか?」

「翼神が?ジョーダンよしてよ!アイツは自分の欲望のためにあーし達を振り回したクソ野郎だよ!」

「翼神はむしろ邪悪な存在なのか?じゃあなんで神として伝承が残っているんだ?」

「あーしが斬ったジジイがいたでしょ?アイツが翼人族に潜り込んだ擬翼族」

「擬翼族?」

「本当は翼人族は女の子しか生まれない種族なんだ。逆に男しか生まれないのが擬翼族」

「男しか生まれないのにどうやって繁栄するんだ?」

「さあ?翼人族と交わって生きてるくらいしか知らないし」


 それは男性の翼人族ではないのか?


「ではその擬翼族の神が翼神なのですか?」

「あいつが神様?ただの擬翼族の1人だよ」


 なんかあったのだろうか。


「正直、あんたの弱点とか、本体がここにあると思って来たんだけどな」

「なに?そんなに啄木鳥の呪いを解きたいの?」

「そのためにここまで来たんだから」

「うーん、啄木鳥を壊しても良いんだけどもう少しまってもらっていい?」

「正直そこまで待てないけど何か理由が?」

「そりゃもちろんこいつをちゃんと止めるため」


 卵に近づくろいある、その時卵の影に人影を見た。


「誰かいるぞ」

「あんた、たしか……」


 影から出てきたのはエアロゥ達を慕っていたという子供だった。


「おねえちゃんたちを殺したあなたたちを、うちは許さない」


 傍には並んだエアロゥとケライノの亡骸、そして子どもの手には金槌が握られていた。


「あんた、それって孵化の槌!」

「これを割れば、助けてくれるって……!」

「やめな!それを使ったって二人は……!」

「うるさい!おねえちゃんを使って出てきた化物が!」


 金槌を卵に叩きつける。割るには弱すぎる一撃、だが叩きつけた所から罅が卵全体に広がっていく。


「もしかしてヤバいやつか?」

「大分ヤバい。封印が壊れかけなのもあったけどあの孵化の槌で一気に解かれちゃった」


 卵の殻が割れ、ズルリと羽根が出てくる。腕だけで卵の何倍も大きいんだが?


「なんかおかしい、あんなのボレアスじゃない!」


 ボレアスが誰なのかは置いといてどうやらこの孵化したデカ雛はろいあるの想定したものではないということだ。


「あー、漸く、漸くだ!あのカスに殺されてから漸く生まれることが出来た!」


 卵か孵ったデカ雛が口汚く誰かを罵りながら出てくる。この口ぶりからして転生者だな、この世界か別の世界からなのかは分からないが。


「地を這うだけの四足ごときが我に逆らいよって!家畜にしようと思ったが皆殺しだ!」


 うーん、こいつをこのまましておくのも人類的にも不味いな。

 ろいあるを見れば同じ考えなのか頷いている。


「ずいぶんと独り言がでけえ雛だな、腹が減ってんのか?」

「あ?人間に我の身体で作った肉人形か」

「身体もデカけりゃあ態度もでけえな、殻に戻してホビロンにしてやろうか」

「クカカカッ!そういうお前は小さいのに口は大きいようだ!お前の全てを破壊してから殺してやる!」

「あ、あの!」


 卵の殻に隠れていた子供が声を上げる。気付かれる前に逃げてほしかったが声をかけるとは。


「何だ小娘?」

「こ、この殻を割ったらおねえちゃん達を助けてくれるって……」

「おうおう、そうだったな」


 デカ雛は翼を高く持ち上げる。嫌な予感がする。


「肉人形風情が我に指図するな!」


 翼を振り下ろして子供に叩きつけようとする。


「『反射(パリィ)』!」


 キィーン!という金属音が響きデカ雛の翼が再び持ち上がる。


「きゃあ?!」

「ほう?おもしろい技をつかう」

「速く逃げろ!」

「なんで……」

「お前が俺達を恨んでいるのは知っている、だからといって見殺しにしていいとも思ってないからな」

「でも……」

「いいから今は逃げろ!俺を殺す前にお前が死ぬぞ!」


 俺の声にビクリとして足早に逃げていく。それを確認した後は改めてデカ雛を見る。


「自身を殺そうとしたやつを助けるか、どこまでもヤツと同じで気に食わんな」

「自分が出来ないからか?」

「ふんっ!よかろう、この大空のガルーダが直々に殺してやる!」


 雄叫びを上げながら殻から這い出てきた。だからなんで卵の体積よりも何倍も大きい身体が出てくるんだよ。


多々買いが始まる

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