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女神トラベル ~異世界へいってらっしゃい~  作者: 桜色
第二章 『冒険者編』
25/28

冒険者編6 ~ 鍛冶屋の夫婦 ~

遅れました、本当にもうしわけないです。

少々事情もありまして遅れました



◎2015.5.22

5月22日より修正を開始します。 (現在プロローグまで修正完了)

【修正内容】

・・・  ⇒ …… 修正します。

???「」 ⇒  「」 名前を付けない様に修正します。


ストーリーに関しての修正ではありませんが、修正いたしますのでお知らせをしておきます。

エウゲンと冒険者ギルドに向かい歩いていると、露店の主人から声をかけられた


「おっ、エウゲンの旦那じゃないか! 何か食べてくかい?」


そう声をかけてきたのは、お酒と何かの料理を売っている露店のふくよかな亜人種の女主人だった


「わりぃな、コレから行く所があるんだ。 今度買うから今日は勘弁しといてくれ」


「あいよ! そっちの兄ちゃんはどうだい?」


「えっ? あ、俺もこの後用事があるので遠慮しておきます」


急に話しをふられてビックリしてしまった

前この場所を通った時は警戒するような嫌いなものを見るような嫌な目で見られていたが、今回は嫌な目で見ているわけではなさそうだ


「そうかい、兄ちゃんも気が向いたら買っておくれよ」


「じゃあ今度、買いに来ますね」


そう答えて先に歩いていたエウゲンの後を追う



「ふむ、俺と居るから害は無いと思われたみたいだが……それでもまだ警戒している奴等が多いな。 少しずつでも、慣れていってくれるといいんだがな」


暁が後ろに来たのを確認すると、そう呟いたエウゲン


「いえ、昨日は全く声をかけられませんでしたし……少し嬉しかったですよ」


「そうか? いい奴も多いんだが、人族に対してはどうしても警戒してしまうんだ

悪く思わないでやってくれ」


苦笑いしつつそういうエウゲンに暁も苦笑いを返す事しかできなかった



「……まぁ、ゆっくり馴染んでいければと思ってますから、気にしてませんよ」


「そうだな、お前さんが良い奴だってのは俺が保障する。 もし難癖つけて絡んできた馬鹿が居たら俺を呼ぶんだぞ!」


「ありがとうございます。 話し合いで解決しそうに無かったら呼ばせてもらいます」



そんな事を話していると冒険者ギルドに着いた


「じゃあ俺は外で待ってるから、さっさと報告して防具屋に行こう」


「分りました、すぐ済ませてきますね」


そういうと急いで冒険者ギルドへ駆け込む



どうやらまだ人の少ない時間のようでカウンターは空いていた

朝に依頼の手続きをしてくれた受付嬢が居るカウンターに行くと笑顔で話しかけてきた


「お疲れ様です、薬草は見つかりましたか?」


「なんとか見つける事ができましたよ!」


そう言いつつロシナ草の葉を40枚取り出し受付嬢へと渡す


「1、2、3、……40枚ですね。 依頼は20枚で7,000 G 、そらから5枚毎に1,000 G上乗せですので、上乗せが4,000 G 。

合計で11,000 G です。 報酬の支払いはギルドカードと現金どちらになさいますか?」


「カードでよろしくお願いします」


ギルドカードを受付嬢に渡し入金してもらう


「処理が終わりました、残高をご確認ください」


受け取ったカードには『87,500 G』と表示されていた

朝素材を売り『86,500 G』あったがアンジュに『10,000 G』渡したから間違いないな


「確認できました、ありがとうございます」


「いえいえ、またのお越しをお待ちしてます」


受付嬢にお礼を言うと待たせていたエウゲンの元に急ぐ





「おう! 終わったか~? 」


待たせていたエウゲンの元に行くと既に手に何かのお酒を持ち屋台に売っていた鳥の手羽肉のようなものを美味そうに食べていた


「いい匂いでなぁ! 我慢できなくて一本だけ買っちまったよ! ガッハッハ!」


「確かに良い匂いですね、何の肉ですか?」


日本で嗅いだ焼き鳥の屋台の様な匂いに思わず涎が溢れてきた


「コレか? コレは『サンドバード』って魔物鳥の肉だ。 サンドバードは鳥なのに飛べなくてな、温厚な性質で家畜向きでよく出回ってる肉だが味はいいぞ」


「サンドバード……そんなニワトリみたいな魔物も居るのか」


ガツガツと肉を食べるエウゲンに自分も我慢できず一本買うことにした


「はいよ! サンドバードのタレ焼きだ! 熱いから気をつけなよ」


「ありがとう」


サンドバードのタレ焼きは一本 500 G とお手頃な値段だった

一口齧ってみると、味は地球の焼き鳥のようなタレに少し固めの鶏肉が噛みごたえがありとても美味しかった


「うん、匂いもよかったけど味もいいですね! 美味しいです!!」


「だろう? これ食べるとついつい酒が欲しくなっちまうが、続きはちゃんと食える場所にしよう。 それにまずは防具屋に行かないとな。 ボックス持ちみたいだし荷物にはならないんだろうが鎧を装備してから連れのお嬢ちゃんを迎えにいこう。きっと驚くぞ」


確かにゲームのような世界での防具屋や武器屋は憧れるものがある

じっくり見ている間、待たせるのも悪いな

タレ焼きを食べつつ歩き始めたエウゲンの後を着いていく



「それにしてもよくそんな装備で生き残っていたもんだ。 それでも十分な腕はあるんだろうが何が起こるか分らないんだ、もう少しちゃんと考えておけよ」


「そうですね……重いエウゲンさんが着てるような鎧は着たくないですけど、軽い皮鎧ぐらいなら欲しいですね」


「まぁそうだな、お前さんの武器はあの細い片刃の剣だし、アレは切り結んだりタンク職のヤツラみたいな戦い方では無いだろうからな。 どちらかといえばスピードを生かして立ち回るタイプだろうから俺のような鎧は着ない方がいいな」


「軽くてそれなりの防御力があれば……後は値段ですね」


こっそりと途中に売っていた飲み物を飲みながらどの様な鎧にするか話し合う


「値段はなぁ……最初はルーキー用の安いのがあるだろうから最初はそれでもいいと思うが、たまに直ぐに壊れて使えなくなるような不良品を混ぜてたりするからな。 そこ等辺の店で買うのは止めておきな。 まして人族だからわざと不良品を売ってくるかもしれねぇ……」


「そうですね……馴染めたらいろんなお店も見てみたいですね」



エウゲンの後に続き暫く歩いていると大通りから脇道に入り人気も少ない小道に出た


「ほら、あそこの寂れた店がそうだ」


エウゲンの指し示す方にはボロボロの看板に窓には木の板で補修し、壁もちぐはぐに修理されたかなり古い小屋があった


「こ、コレは……」


何と言っていいのか返事に困っているとエウゲンが笑い出した


「ガッハッハッハ! 寂れたボロ小屋だろ! まぁ外観はボロだが腕は確かな職人なんだがふっ!?」


大声でボロ小屋だと話すエウゲンに何処からか飛んできたハンマーが命中する


「ダレの小屋がボロ小屋だ~? 小僧……いい度胸じゃないか」


いつのまにか開かれていたボロ小屋……もとい防具屋の扉から背丈は小柄だが、がっしりとした体格の男が出てきた

顔には手入れを怠っていないのであろう立派な髭が生えており、その姿は地球でよくイメージされていたドワーフそのものだった


「いきなり何しやがんだ! このクソ爺!」


投げつけられたハンマーをドワーフらしき男性に投げ返し……投擲したが難なくキャッチされてしまった


「テメェが大声でボロだなんだとすき放題喚いていたからだろうが!」


「事実だろうが! 誰がどう見たってこの小屋はボロ小屋だ!」


「あぁん? またボロだと言いやがったな小僧! 俺の城をボロだと言うのは我慢ならねぇ!」


怒りに体を震わせながらエウゲンへと近づくドワーフらしき男性

同じ様にドワーフらしき男性を睨みつけながら近づくエウゲン

一触即発な空気に取り残された暁はどうするか迷ったが静観する事にした


しばらく見ていると、開いていたボロ小屋の扉から恰幅の良い背丈の小さな年配の女性が出てきた


「アンタ等、またやってんのかい! いい加減にしないかこの大馬鹿共!!」


その言葉と共に投げつけられる金属の塊を避ける事もできず被弾した二人に更に怒鳴り声が響く


「毎度毎度……来る度に喧嘩してんじゃないよ!」


「「すいませんでした!!」」


二人がキッチリと同じタイミングで土下座した様に、この世界にも土下座はあるんだなと場違いな事を思うのだった



●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●



外での騒動を治めた女性に促されるまま小屋に入るとカウンターに椅子が幾つかあり、奥は仕切られていて良く見えないが、石造りの部屋が広がっている

石作りの部屋の扉から鍛冶道具らしきものが見える

おそらく奥が鍛冶部屋になっているのだろう


「さぁ狭いとこだが座っておくれよ。 それにしてもアンタが人族を連れてくるなんてどういう風の吹き回しだい?」


ニコニコと人のよさそうな笑顔を浮かべたままエウゲンを見る女性に、バツの悪そうに頬を掻きながら苦笑いを浮かべるエウゲン


「いやぁ……なんと言うかな。 色々あってな、暁は人族だが悪い奴じゃない。 俺も直感でそう思うしあの宿屋をやってるババア(マリアン)も認めてる奴なんだ」


そういうと驚いたような表情を浮かべると此方をジロジロと観察する


「ほぉ、マリアンが認めてるのかい。お前さんの勘は当てにならないがマリアンが認めてるなら大丈夫なんだろう。 それでどうしてウチにきたんだい。 そんな話しや喧嘩をするためじゃないんだろう?」


「そうだ、暁の防具を見繕ってやってくれないか? コイツは防具もつけずに冒険者やってんだ……こんなんじゃ何時不覚を取って逝っちまうかもわかんねぇ。 軽装でも鎧をつけろって事で此処に連れて来たんだ。 人族って事もあって他所じゃ不良品つかまされるかもしれねぇからな」


「確かにそうだなぁ……他所じゃボロを渡されるかもしれねぇな」


ドワーフのような男性がジロジロとこちらを見ながら何か考えているような仕草をしている


「そうだねぇ、ウチはちゃんとした客なら種族は気にしないからね。そこは安心しな」


恰幅のいい女性がワッハッハと大声で笑い奥の部屋へと消えていった



なにをどう反応していいのか分らず、エウゲンに助けを求めようと視線を送るが、満面の笑みを向けてくるだけだった


「(はぁ……人選ミスったかな……)」


なんて思いつつ流れに身を任せる事にした



●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●



暫くすると服やマントなどを持ち奥から戻ってきた女性


「とりあえず服とマントを少し持ってきたよ。 アンタ! 早く鎧を持って来てあげな」


「お、おう。 しかし……ふむ」


まだ何かを考えている男性に痺れを切らしたのか頭を叩く


「悩んでたってなんもわからないよ。 とりあえず合いそうな候補を幾つか持って来てあわせればいいじゃないか。 こんな素体がいいのは久々だからね」


そういうとまたジロジロと観察されて居心地が悪くなってしまう



「ふむ、分った。少し待っていてくれ」


そういうと男性の方も奥へと消えていった


「すまないね、そういえば自己紹介がまだだったね。 あたしゃヨランデ、見ての通りドワーフ族だよ。 頑固な偏屈爺さんは夫のバルテル、同じドワーフ族だよ。よろしくね」


そう言って手を出してきた女性、ヨランデと握手し自己紹介をする


「俺は御三月 暁です。暁が名前で、見ての通り人族です。よろしくお願いします」


「おやおや、本当に変わってるねぇ……でも、いい子じゃないか。 さっきも言ったがマリアンが気に入るなら大丈夫だろう。 何か用があればウチにきな、他所じゃまともに売ってくれないかもしれないからね」


「ありがとうございます、何かあったらよらせてもらいますね」


そんなやり取りをしていると奥から男性、バルテルが荷物を抱えて戻ってきた


「おう、とりあえず色々と持ってきたが……とりあえず合わせてみるぞ。 坊主お前さんの体格、筋肉の着き方からそこの脳筋馬鹿のような戦い方じゃなくシーフのようにスピードを生かした戦い方だろう、軽い方がいいから軽装を持ってきた。 その体格じゃ重装備を着ても動けないだろうしな。篭手なんかは丈夫のが良いかもしれないから、色々とあわせてみて調節するがいいな?」


「はい、お手数をおかけしますがよろしくお願いします」


そう言って頭を下げるとバルテルさんは驚いたように手に持っていた荷物を落とし固まってしまった


ヨランデがバルテルの頭を叩き意識を戻す


「ハッ! 俺は……それにしても人族が亜人族にこうも礼儀正しくするとはな。 すまなかったな、それじゃあ合わせていこう。 まずはコレからだな」


そう言い渡してきた防具の付け方や手入れの仕方を教えてもらいつつ実際に付けていく


実際につけるアニメやゲームでしか見る事の無かった装備に少し興奮しながらも、その重さ動きにくさに戸惑いつつも

様々な種類の防具を付けては外し、嬉しそうにアレやコレやと装備を出してくるヨランデとバルテルにゲンナリとする暁だった 




●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●





着せ替え人形にされる事1時間……やっと解放されたのだった


「うむ、コレなら一端の冒険者にも見えるだろう」


サイズや動かす時に邪魔にならないよう調節を終わらせ、選び抜いた防具に身を包む暁を見て、夫婦揃って満足そうに頷いた


「そうねぇ、この黒色のマントも良く似合うじゃない。 耐寒性や耐熱に効果があるし、多少だけど防刃性もあるわ。 ちゃんと暁君を守ってくれるはずだよ」


夫婦が用意してくれた装備は全て黒色で統一された見るからに高そうなのだが……



----------


・ブラックタイガーのフード着きマント


・キラーアントの鎧(上下セット)


・ブラックタイガーのブーツ


・ブラックミスリルの篭手


ーーーーーーーーーーー



「値段は気にしないでいいわ。 ウチでも寝てた装備達なのよ。 装備品は使われてこそだけど、その装備がいい物ほど使用者を見極めて渡さないといけない。 コレは作ったものとしての責任よ。 ソレは違うけど、腕のいい鍛冶屋からは意志を持った装備品も生まれる事があるそうよ。 意志を持った武具、防具は大体はダンジョン・迷宮といわれる場所に極稀に存在するのだけど、その場合装備品が認めた存在しか装備する事が出来ないそうよ。」


値段を気にするなと言われても見るからに高そうなのが1つ混じって居るのだ


「ヨランデも言ったが値段は払える額で構わない。 申し訳ないと思うならコレは俺達からの先行投資だと思えばいい。 いい素材がアレば持って来てくれ、坊主やその仲間の為に腕を振るってやる。 俺達も刺激とレアな素材を扱える、お互いに利点があるからな。 坊主が悪い奴じゃないのは俺達でも分ったが無理して死んで欲しくないからな」


腕を組み満足そうに頷くバルテルに頭を下げお礼を言う


「分りました。 本当にありがとうございます。 今 【87,000 G】しかないのですが……」


「おいおい、商人に簡単に所持金をバラすもんじゃない。 今後は気をつけろよ。 俺達は儲けは度外視している部分がある。 生きていければそれでいいが、俺達が作ったものを渡す相手は俺達が選ぶ、そうやってやってきたんだ。 そうだなとりあえず【50,000 G】でいい。正規の値段を払おうとしてもお前さんの稼ぎじゃ無理だよ。 それだけアレば俺達も餓えないし次の仕入れも出来るだろう」


どうだ? というように隣に立つヨランデに聞くバルテル


「そうね、気持ちとしてはもう少し安くしてもいいのだけど……此方も生活があるからソレで構わないよ」


「分りました。では【50,000 G】 払わせてもらいます。 良さそうな物を見つけたら必ず持ってきます。 本当にありがとうございます」


手早くギルドカードから5万Gを支払い再度頭を下げる

コレで残高が【37,000 G】になったが暫く生活していく分は大丈夫だろう


「おう、坊主。お前の活躍を期待しているぞ。 仲間が居るなら、今度ある程度金を溜めて連れて来な。 勿論見極めて合格なら売ってやる」


「そうね、暁君はいつでも歓迎するわ。 装備のメンテナンスなんかもウチにおいでよ」


「ガッハッハ! なんだい、おやっさん達も暁を気に入ったのか! そりゃよかった、仲間が増えたな暁」


そう言って3人で大声で笑い始めた

不安な所はあったが装備の品質は素人目に見ても美しく強く仕上げられている


重くなく、軽くて丈夫で動きにも問題が無いように調節されていた

癖はあるが気のいい人達だということもよく分った


その後はエウゲンがバルテル達と雑談のような愚痴のような話をしてゆっくりとした時間を過ごしながら初めて着る鎧に体を慣らした



「それじゃあ俺達はそろそろ行くよ。 ありがとうなおやっさん達。助かったぜ」



頭を下げるエウゲンにあわせ自分も頭を下げる



「ありがとうございました。 良い物が手に入ってよかったです」



「なに、良いんだよそんな事。 ちゃんと元気な顔を見せにおいでよ」


「あぁそうだな。装備品で何かあったら来るといい。俺達は種族で差別したりはしないからな」


にこやかに笑いながらそう答えてくれる二人に再度頭を下げ外に出る

外には既に出ていたエウゲンが待っていた


「おう、暁は黒が似合うな。 良い男になったじゃないか! それじゃあその姿を見せに行こうか」


「はい、エウゲンさんもありがとうございました」


「良いって事よ! せっかくお前さんのような人材が簡単に消えちまうほうが惜しいからな」


エウゲンに頭を下げていると後ろからチクリとした痛みの様な違和感を感じた

慌てて振り向くがなにもない人気のない道があった


「ん? どうした暁?」


「いえ、なんでもないです。 それじゃあ行きましょうか」


行きに来た道を通り冒険者ギルドへと向かう


「(アンジュ達はどんな反応をするのか楽しみだな)」


自分の姿を見たアンジュやシルク、マリアンがどんな反応をするだろうか

行きとは違い少し重たくなった体だが行きよりも軽やかに歩みを進めギルドへと向かう



その後姿を観察する複数の怪しい影に気づかずに……

【2015.5.29】

次回更新 2015.6.1 0時 予定


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