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女神トラベル ~異世界へいってらっしゃい~  作者: 桜色
第二章 『冒険者編』
24/28

冒険者編5 ~ 忠犬?の護衛 ~

今回も短いです

少し遅れてしまいもうしわけないです

朝、ご主人様が薬草採取の依頼に出かけられて、もう半日

本来ならご主人様にピッタリとくっついて居たいのだが……

ご主人様からのお願いで新しく仲間になった女の護衛を任されてしまった


護衛対象の女は今、泊まっている部屋の床を一生懸命に拭いている


「ねぇシルクちゃん? 暁様は薬草採取の依頼に行くと言われてましたけど、上手くいっているでしょうか……?」


掃除の手を休め此方を見つめて呟く女、アンジュはもう何度もこの質問をしている


「ウォン!」


私のご主人様である暁様が失敗するはずなど無い


「そうですね、上手くいっていると良いですねぇ」


心配するだけ無駄なのだ。 だからこそ私は、ご主人様に任されたこの護衛をしっかりとやり遂げて褒めてもらうのだ!


--------

「偉いぞシルク! 本当に良い子だな」


そう言って抱きかかえると頭を撫でまわす


「よしよし、可愛いヤツめ! 本当にお前は最高のパートナーだよ」


頭から背中、腹となでられ思わず腹を見せ寝転がってしまう


「なんだ? もっと撫でて欲しいのか? よしよし!」


--------


あぁ……なんと甘美な時間なのだろうか


「シルクちゃん。 おーい、掃除が終わったからマリアンさんの所に行くよー?」


おっと、褒めてもらう所を想像してしまいボーっとしていたようだ

先程のを現実にする為にも、しっかりと護衛をしなければ!




下へ降りると、今朝ご主人に襲い掛かってきた女が暇そうに座っていたが、此方に気づくと笑顔で手を振ってきた


「おや、アンタ達。 部屋の掃除は終わったのかい?」


主人が依頼に向かわれた後、アンジュはこの女に掃除道具を借りて部屋の掃除をしていたのだ


「掃除増具を貸してくださってありがとうございました。 今から洗ってきますね」


「いやいや、宿の管理は私の仕事だからね。掃除してくれただけでもありがたいさ。 私に片付けぐらいはさせておくれよ。アンタはちょっとゆっくりしてな!」


掃除道具を抱え、庭の井戸へ向かおうとするアンジュを引き止め、桶を受け取ると庭へと歩いていった


どうして良いのか分らずオロオロとしていたアンジュは、諦めたのか椅子に座り一息つくことにしたようだ

やはり欠損して日が経っていない状態では慣れず不便な事も多いのだろう


「ふぅ……やっぱり片腕が無いって言うのは不便ですね…」


左腕の肘から先と左胸を失いバランス感覚も少し崩れているようだ


「ごめんねシルクちゃん。 本当は暁様に着いて行きたかったでしょう?」


申し訳なさそうな顔をしながら言うアンジュに、気にするなと尻尾を振っておく


「ふふっ、ありがとうシルクちゃん。 それにしても……奴隷なのに、こんなにのんびりした時間を持てるなんて思いもしなかったなぁ」


首に着いている首輪を触りながら、そう言うアンジュは嬉しそうに笑ってはいるが、どこか悲しそうな色も見えた

たしか……ご主人や鬼人族の女が、首輪を着けられている人は奴隷にされている人だって言っていた

アンジュも魔森の者達と同じ奴隷というモノなのなだ

新しい仲間という事はアンジュも魔森の拠点に連れて行く予定なのだろう


「魔森で処分されるって聞いた時は、もう私は死ぬんだなって思ってた。

暁様が助けてくれて、今こうしていられるけど…こんな体じゃお役に立てないですね」


失った左腕を見つめしょんぼりと落ち込んでしまった

宿の主人が戻ってきた気配がしたがアンジュの独り言が気になったのか出てくる様子は無い


「シルクちゃん、魔森にある暁様の拠点には、私と同じ様な元奴隷の仲間が居るんですよね? どんな方達でしょうか…こんな私でも受け入れてくれるでしょうか……会ってみたいけど、少し怖い気もします」


魔森の拠点という言葉を聞いてか隠れている宿屋の主人の気配が濃くなった


「なにやら面白そうな事を言ってるじゃないか…魔森の拠点だって……?」


急に物陰から出てきて、そう言い放ったマリアンに驚き固まっていたが、先程呟いていた独り言の内容を思い出したのかガタガタと震えだしてしまった


「き、聞いてました……か?」


「まぁね。 アンジュちゃんが独り言呟いてたからコッソリ聞いてたのさ。 ちょっとからかってやろうと思ったら、とんでもない事を呟くじゃないか!」


「いえ……あの……その」


どう答えていいのか分らず、此方を見てきたが私にはどうしようも出来ない

実力で勝てるものであれば消す事も出来ただろうが、この女はご主人が苦戦する程の実力者だ


返答に困り無言の見つめ合いが続く



見つめ合ったまま、どれ程時間が経っただろうか

しびれを切らしたのかマリアンが口を開いた


「よし、アンジュちゃん。 勘違いしているかもしれないが、私は君達に危害を加えるつもりは無い。 私はある事情で御三月君を気に入っていてね、彼に興味があるんだ。 敵意があるわけじゃないのは分ってくれ」


真剣な表情でアンジュの目を見つめ、語るマリアンの威圧感に押されたのか、少し腰が引けている


「そ、それをどうやって信じれば良いんですか?」


たとえマリアンの言い分が本当だとしても、何の根拠もなしに信じられるわけが無い


「そうだな、私が君達に危害を加えないと神に対して宣言し制限をかけてもらおう。 これでどうだ?」


神に対して宣言し制限をかける……? どういう事だろうか


「それは……本当に誓ってくださるんですか?」


何か思い当る事がでもあるのだろうか


「あぁ私はある加護を持っている。アンジュは知っているんだろう? 加護持ちのものが出来る制約を……」


「加護持ちの制約については先輩奴隷に聞いた事があります。 加護をくれた神を通して契約神へ宣言する事で契約する事ができるとか……」


神に対して誓いを立てる……という事だろうか?


「そうだ。 神に対して宣言する為、破る事は不可能だ。 宣言した内容にもよるが、私が今回宣言するのは破ろうとした場合、命を奪われ契約は守られるように宣言する。 このような宣言は主に重要な決め事などで使われるな」


「命を賭ける……ということですか、分りました。 私が知っている範囲でお話しはしますが、後でちゃんと暁様に聞いてください」


命を賭けてまでご主人様の事が知りたいとは……この女(マリアン)は何を考えているのだろうか


「神に誓おう。

『我、命を賭けて契約の神に宣言する。 この者と、その主人、その仲間達を裏切り危害を加えないと誓う』

さぁ、私のギルドカードを確認してみてくれ」


ご主人様が持っていたモノよりも豪華なギルドカードを取り出し何かを確認してアンジュへと渡す


------

『契約神の楔(くさび)』

御三月暁の奴隷アンジュと交わした契約

御三月暁、またその庇護下にある者への敵対行為、間接的に危害を加える行為を制限する。


契約を破ろうとした場合

警告が発せられ、それでも止めなければ、破られる前に命を奪う


契約期限

宣言者(マリアン)が死ぬまで

また対象者が奴隷である為、その主人である御三月 暁が契約を解消させた場合解除される

------


「『契約神の楔』……ギルドカードの偽装は出来ませんし……本当なんですね」


「それだけ本気なのさ。 そういえば私の加護について話してなかったな。

私は『縁(えにし)の加護』という加護を持っていてな。 この加護は言葉の通り縁を司る神の加護さ。 良い縁がある時に直感というかビビッと教えてくれるわけだ

私は御三月君を見たときにビビッと来たのさ

この人族の男は他と違う、何か面白い匂いもするってね

まぁ恋人だったり友人だったりと色々とある縁を結ぶ為の助けになる加護さ」


「なるほど……それで暁様の事を……」


「そうさ、あの子は不思議な匂いがしたってのもあるが、何処か護ってあげたくなる雰囲気があってね」


照れくさそうに頬をかきながら言う


「マリアンさんの事情は分りました。 ですが後で暁様にキチンと説明してくださいね!」


「分ってるさ。 あの子がダメって言っても魔森に着いて行ってやるさ!」



それから二人はご主人様について語り始めたが、暫くしてアンジュが何かを思い出した様に椅子から立ち上がった



「そういえば暁様から必要なものを買うように言われていました……

とりあえず必要なものは下着と服ですが……マリアンさん、安くていいお店知りませんか?」


「そうだねぇ……じゃあ案内してあげるよ。 どうせ、あんた等以外は居ない暇な宿だからね。 今から行って、ついでにお昼も食べようか」


「お昼ご飯代も貰っていますし、それでいきましょうか。 あの……シルクちゃんも一緒で大丈夫ですか?」


「シルクちゃんも一緒で大丈夫よ。 従魔付でも大丈夫なお店に行くからね」


此方を向き微笑むと、出口へ向かい歩き始めたマリアンの後を追う


「美味しい物が食べられるといいですね!」


「ウォン!」


2015.5.13

纏まらなかった事、それと少々体調というか怪我というか不調が重なり遅れました。

ですが今週中にひとまず次を上げます。

可能性としては 【土曜日 16日 0時】 投稿する予定です。


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