冒険者編3 ~ 素材と依頼 ~
3月1日、少し修正しました。
依頼内容が書いてある場面で、依頼の期日を追加しました。
流石に依頼期限が書いてないのはおかしいかと思い追加しました。
PV 30,000アクセスありがとうございます。
皆様の暇つぶしになっているのであればとても嬉しく思います。
これからも暇つぶしに読んでいただければ泣いて喜びます。
もしよろしければ餌(評価pt)をくださると嬉しいです
何かが頬に触れる感触で目を覚ますと目の前にシルクが居た
「おはようシルク。どうした、何かあったのか?」
「クゥ~ン」
ギルドカードを取り出し時間を確認すると朝の5時だった
「そういえば昨日は何も食べずに寝たんだったね。 お腹空いたんだろう?」
そう言って撫でると嬉しそうに尻尾を振った
「じゃあご飯にしようか、確か朝は4時からだって言ってたしね」
「ウォン!」
「アンジュはまだ時間もあるし寝かせておいてあげようか」
ベットから降りると机の上においてあった鍵を取り部屋を出る
一階へ下りると昨日テーブルが置いてあった場所へ向かう
奥の調理場が見える場所に昨日鍵を渡してくれた女性が暇そうに座っていた
「おはようございます、朝食を食べたいのですがいいですか?」
「あぁ、あんた等かい。 昨日はもう1人の娘しか降りてこなかったからね
疲れて眠ってるって聞いてたけど大丈夫なのかい?」
「ここ3日ほど走ってばかりだったので、やっとゆっくり休めました」
何かに気づいたように食事の準備の手を止めると顔を上げこちらに向く
「そういえばアンタ達は何処からきたんだい?」
「・・・それは、その・・・」
「あぁ・・・訳ありかい? なら無理に話さなくてもいいさ。 ただもし、アタシが信用できそうなら話しておくれよ。 アタシの直感だけどアンタはなにかと面白そうな気がするよ。
そういえば自己紹介がまだだったね、アタシはハイエルフの『マリアン』って言うんだ。 歳はいくつだったかな・・・そろそろ500ぐらいだったと思うよ」
そういうと握手を求めてきたので握手を返しつつ自己紹介をする
「俺は御三月暁、人族で18歳です。 こっちはシルバーウルフのシルクです」
「ほー若く見えるもんだねぇ、そっちの従魔はシルクちゃんだね覚えておくよ。
事情は分らないが追々話してくれると信じて待つさ。 これでも元高ランク冒険者だからね力になれる事があるかもしれない」
「分りました。 話せる時がきたら話しますね」
暁の返事に満足したように頷くと食事の準備をしに奥へ入っていった
シルクとじゃれ合いつつ待っているとマリアンが食事を持って出てきた
「はいよ、簡単だけどパンと野菜のスープに焼いた鶏肉だよ。 シルクちゃんは鶏肉を茹でて薄く味付けしたのだけどいいかな?」
「美味しそうですね、いただきます」
「ウォン」
地球にいた頃の食事と比べれば多少は劣るものの、久々に食べる肉以外の食べ物のせいかとても美味しく感じた
「いい食べっぷりだねぇ・・・久々のお客、それに人族が亜人族の私が作ったご飯をこんなに良い食べっぷりで食べてくれるなんてねぇ」
ガツガツと勢いよく食べすすめていく暁に、ニコニコと嬉しそうに笑うと同じテーブルの椅子に腰掛けその様子を眺め続けるのだった
「あ、すみません。 久々にまともな食事をしたもので・・・ここ4日ほど肉だけでしたから」
「そうだったのかい、暫くはこの街を拠点にして活動するんだろう?」
「その予定ですね、暫くはこの街で冒険者として活動してお金を貯めようと思ってます」
「そうかいじゃあ暫くの食事はアタシが腕を振るうから期待しておきな。 魔森が近いこの街は稼ぐには良いからねぇ、でも気をつけるんだよ? 稼ぎやすいって事はそれだけ敵も強く油断すればすぐに逝っちまうからね」
「まずは手持ちの素材を換金して、街中で受けれる依頼か簡単な採取依頼から始めようと思ってます」
食べ終わり食器を返すと、これからの事についての考えを伝える
「おや、もう何か魔物を倒したのかい。 荷物は昨日持ってる様子は無かったし・・・ボックス持ちかい、どれちょっと見せてごらんよ」
片付けの手を止めると暁の倒した魔物に興味があるのかワクワクした様子で近づいてきた
「そんなにたいしたモノでもないですよ、それに此処で出しても良いんですか? 床が汚れそうですけど・・・」
「あぁ、なら裏にある庭に出してみておくれよ。 その様子ならキチンと解体もしてないんじゃないかい?」
「大雑把には解体してきたんですけどね」
案内された扉から外に出ると軽く運動できる広さの庭にでた
「ほら、はやく出しておくれよ」
「わ、わかりました」
ボックスから道中で狩ったビッグボアの牙と皮を3頭分とマンティスの鎌と硬そうだった外羽を4頭分を取り出した
「はぁ!? ちょっと! これ本当に御三月君が倒したのかい?」
驚きつつも素材を手に取るとまじまじと見つめ、裏返したりと色々と弄りだした
はじめはニコニコと笑っていたが、何かに気づいたのか次第に険しくなってしまった
「これは・・・魔森の魔物だね? 御三月君、あんた魔森に入ったんか?」
鋭い目つきで暁を見つめると素材を地面に置き近づいてきた
「あ、あの・・・その、そうですね魔森で魔物を狩りました」
どのように説明していいか分らず正直に答える事にした
「アンタ何考えてるんだい!? 魔森なんて腕に覚えのある冒険者でも近づきはするも入りはしないもんだよ! あそこの魔物は桁違いに強いのさ、倒せたならそれなりに実力はあるんだろうけど無闇に入るもんじゃないよ!」
怒りをあらわにし暁に掴みかかるマリアンにシルクが間に割り込み邪魔をする
「どきなシルクちゃん! 実力を測るついでに一度お灸を据えてやるよ! 今から私と立会いな!」
そういうと何処からか木剣を2本取り出すと1つを暁に投げる
「えっ? いやちょっと待ってください!!」
「話しは後で聞いてやるさね!」
言い終るやいなや切りかかってくるマリアンの剣筋に体が勝手に反応し受け止める
「ほぉ・・・力も人族にしては強いようだね。 これならどうだい!」
木剣を受け止め、密着した状態から蹴り上げたマリアンの足を左手で防ぐと勢いを利用し後ろに飛び退く
「アタシの蹴りを片手で・・・まぁ身のこなしも十分実用レベルだけど、まだぎこちない感じがするね。 本当に面白い子だよアンタは!」
距離を詰め上下左右と連続で斬りつけてくる
「(一撃一撃が重い! それにこのスピード・・・さすが元高ランク冒険者って事か。 このままじゃ・・・やられるっ!)」
何とか木剣で防いではいるが、このままでは押し切られてしまう
「そらそらぁ! 防いでばっかりなのかい? こんな腕でよく魔森なんて入ったもんだよこの阿呆が!」
更に速度を上げるマリアンの攻撃に次第に防御が間に合わなくなっていく
「ハッ! アンタならちょっとは期待できるかと思ったけど、期待はずれも良いとこじゃないか」
後ろに下がり距離をとると少しガッカリしたように首を振る
「(落ち着いて・・・集中するんだ。 身体能力も上がってるし動きも見えてた。 後は・・・加護の力に身を任せて・・・一発だけでも入れて見せる!!)」
深呼吸して精神を集中させると木剣を構え直す
「ほぅ・・・雰囲気が変わったね」
呼吸を整え精神統一した暁の雰囲気は先程までと違い隙がなくなっていた
「ふぅー、いきますよ」
そう呟くと脱力し構えを解くと前に倒れこんだ様に見えた
「なっ! ぐっ・・・一体何を!?」
殺気を感じ辛うじて左腕で胴を防いだマリアンだったが、いったい何が起こったのか理解できなかった
ただ先程まで暁が立っていた地面がえぐれ、胴を防いだ腕に一瞬すさまじい衝撃と痛みが襲った後、鈍い痛みが続いている
慌てて暁の姿を探すと、自身の後ろに木剣を振りぬいた状態で止まっている暁を見つけた
振りぬいた木剣はへし折れ、先程の攻撃に込められた力の強さを物語っていた
「ふぅ・・・これで終わりにしましょう」
「いつつ・・・アンタ一体何をしたんだい!? あたしの目でも追いきれないスピードで、恐らく切られたんだと思うけど・・・」
「えぇ、ただ距離を詰めて斬りつけただけですよ。 上手くできるか分らなかったのですが・・・流石に全力で斬りつけない様に力加減はしておきましたから」
「じゃあアンタは一瞬でアタシとの距離を詰めて斬りつけたってのかい? こんな馬鹿みたいな速度で動くなんて・・・」
暁はただ速く、認めさせる為の一撃を入れる、それだけを考え全力で地面を蹴り距離をつめ様としたのだ。 その結果暁の高いステータスと加護『武芸の極み』により意図せず縮地モドキを発動し距離を詰め、木剣の腹で叩きそのままの勢いで通り過ぎたのだ
金属製でないとはいえそのまま切りつけるのは気がひけた為、剣の腹を叩き付けるようにしたのだが、もしそのまま斬りつけていればマリアンの腕は切れていただろう
そして使用していたのが金属製の剣だったら・・・防具もつけていない腕では防ぐ事はできず、真っ二つになっていただろう
その事実と苦笑いしながらこちらに向かい歩いてくる人族の若者に恐怖を抱くと共に、目で追うことの出来なかったその速さ、まだ全力では無いだろうその隠された実力にますます興味を引かれるのだった
●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
マリアンの腕は木剣が折れるほどの強さで叩いた為折れていた
そのままでは宿の営業に支障がでると思い癒し球で治療し、素材をボックスに仕舞うと食事をしていたテーブルへと戻った
「それにしても、いきなり立ち会えだなんて酷いですよ」
席に座りマリアンが出してくれたお茶を飲みつつそう言うと、ばつの悪そうに頬を掻きながら目をそらされた
「アンタが自分の実力を過信して魔森に入ってんじゃないかと思ったのさ・・・
もしそうなら、今回は上手く狩れたとしても次は命を落とすかもしれない。 最悪大量の魔物が魔森から出てきて街に被害が及ぶかもしれない。 だから実力を見てまだまだならお灸を据えようと思ったのさ」
「はぁ・・・理由は分りましたけど、いきなり襲ってくるのはもうやめてくださいね」
「分ってるよ、しかしアンタの強さはよく分らないね・・・私の斬り込みを防いでた時の動きは素人同然だったのに、最後の攻撃は全く見えなかったぐらい凄い攻撃で勘で防げたけど腕が折れちゃったしねぇ・・・アレがちゃんとした剣だったらと考えると恐ろしいよ。 それにさっきの回復魔法だよ!」
ズイッとテーブルから乗り出し顔を近づけると掴みかかってきた
「アンタ回復魔法以外には何が使えるんだい? 剣の腕はともかく、あの動きは凄かったから磨けば光るだろうし、その上回復魔法まで使える。 他にも使える属性魔法は何があるんだい?」
目を爛々と輝かせまくし立てるマリアンに思わず引いてしまう
「えっ・・・その・・・多分全属性です」
勢いに押されつい本当の事を言ってしまう
「ハッ? ・・・全部? い、いや~言いたくないからってそんな冗談言わなくてもいいじゃないか」
「いや、まぁ魔法はまだ初級魔法ぐらいしか使えないので・・・」
「自分の使える属性をキチンと調べてないって事かい? まぁ回復魔法が使えるならそれで十分だけど早いうちに調べた方がいいと思うがね」
そんな話しをしていると2階からドタバタと慌しく駆け下りてくる音がした
「さ、暁様は! どちらに!?」
駆け下りてきたのは慌てた様子のアンジュだった
「おはようアンジュ、俺ならここに居るけど・・・どうした?」
マリアンに掴みかかられたままアンジュの方へ顔を向けると此方を向いて固まっているアンジュが立っていた
「な、何をなさってるんですか暁様?」
ワナワナと指をこちらに向けられ自分の今の状況を確認する
「ん~まぁちょっと色々あってね。ほら、マリアンさんももう離れてください」
マリアンを引き剥がしアンジュに席に座るように言う
「アンジュもご飯食べるでしょ? マリアンさん準備お願いしますね」
まだ何か言いたい様子だったが朝食の準備に取り掛かったマリアンを見送り、待ってる間先程の事をアンジュへ説明する
アンジュが朝食を食べ終わり、マリアンに片づけを頼むとこれからの予定について話し合う
「アンジュには申し訳ないけど宿で待っててもらうのが一番だと思うんだ
その体では依頼に連れて行けないからね、アンジュの護衛としてシルクも残ってもらうよ」
そういうと落ち込んだ様子で了承してくれたが、何か思いついたのか顔を上げる
「ではお部屋のお掃除などをして待たせていただきます」
「無理しない範囲で頼むよ、ん?」
足元を見ると不満そうなシルクが足に顔を擦り付けていた
「シルクはアンジュの護衛だよ、奴隷のアンジュを守って欲しいんだ。 皆と同じ俺たちの新しい仲間だからね」
皆と一緒という言葉に耳をピクリと動かした後、アンジュを守るかのように隣でお座りをした
キチンと理解してくれたシルクの頭を撫でると今日の予定を話す
「そういう事だから留守番をよろしくね。 俺は素材を売って、受けれそうな依頼を受けてくるよ。帰りは・・・夕方までには宿に帰れるようにするから、夜ご飯は一緒に食べようね」
そう言い残し宿から出ると冒険者ギルドへと向かう
ギルドへ入ると昨日対応してくれた受付嬢が居た
「おはようございます、昨日はありがとうございました」
「その様子だと無事に泊まれた様ですね! やはり私の目に狂いは無かったです」
慎ましやかな胸を張り嬉しそうに笑う受付嬢に和みつつ目的を伝える
「昨日素材を売りたかったんですけど忘れてしまって・・・素材を売るには何処で売ればいいですか?」
「はい、素材ですね。 素材はギルドで買い取る事ができますが、直接お店で売る事もできます。 その場合、安値で買い叩かれてしまう事もございますので信頼できるお店以外ではお売りしない事をお勧めします。 ギルドで買い取る場合はアチラの素材鑑定所で鑑定して買取をいたします」
受付嬢のさす方を見ると、まだあまり人が居ないせいか暇そうにしている男性が目に入った
受付嬢にお礼を言い男性の方へ向かうと此方に気がついたのか身なりを整えた
「素材の買取をお願いします」
「かしこまりました、素材を出していただけますか?」
言われたとおり素材を取り出し男性へ渡す
「ビッグボアの牙6個と皮を3つ、マンティスの鎌が8つと外羽が8つですね
状態も良いですし大きさも素晴らしい・・・この皮や牙の大きさからとても大きなビッグボアだったのですね。 牙はこの大きさなら1つ4,500 Gで『27,000 G』、皮は大きさの割りに傷も少ないので1つ5,000 Gで『15,000 G』、鎌は1つ1,000 G で『8,000 G』、外羽は1つ4,000 Gで『32,000 G』ですね。
鎌は加工がし辛く需要が少ない為、どうしてもこれ以上の値は付けれませんのでご理解ください。
合計で『82,000 G』での買い取りになりますが、よろしいでしょうか?」
「それでお願いします」
「では此方にギルドカードをかざしてください」
言われたとおりにカードをかざすと残高が86,500 Gとなっていた
「ではまたのお越しをお待ちしております」
買取の男性に見送られつつ改めてギルド内を見渡してみる
「朝早いせいか本当に人が少ないなぁ・・・」
ギルドカードを確認してみると朝の7時を回った所だった
依頼の貼ってあるボードの前でウロウロしているのが3人と、受付と何かを話しているのが2人だけしかおらず、ただでさえ広い冒険者ギルドの中がより広く感じられた
お金に多少余裕が出た事もあり、まずは簡単な依頼を受けるべくボードの前で探してみる
「えーっと・・・薬草採取に物運び、それから教会の清掃? こんなのまであるのか
それに孤児院の傷んでいる場所の修理と・・・この世界にも孤児院はあるんだな」
どれにしようか迷ったが無難に薬草採取を受ける事にした
『 薬草採取
・薬草 ロシナ草の葉
・個数 20枚
・報酬 7,000 G
・20枚以上の場合、5枚毎 1,000 G 上乗せ
・受注資格 RANK G 以上
・期限 受注から3日以内 過ぎた場合は依頼失敗』
羊皮紙の様な依頼の書いてある紙を取り受付へ渡す
「薬草採取ですね、此方の依頼でよろしいでしょうか?」
「はい、問題ないです」
「ではギルドカードを」
カードを渡すと何かの装置に通して渡してきた
渡されたギルドカードを見てみると薬草採取依頼受託中と表示されていた
「無事完了しました、お気をつけて行ってらっしゃいませ。」
受付嬢に見送られながらギルドを出ると通りには少し人が増えていた
門に向かう前に一度宿に寄ると念のためアンジュにお金を10,000 G渡しておいた
お昼ごはんと生活に必要なものがあればそのお金で買うように伝えると、申し訳なさそうに何度もお礼を言っていたが、女の子であれば必要なものは多いだろうと言う嬉しそうにしていた
マリアンに呼び止められた。 何かと思えば朝のお詫びとして特製弁当をくれると言う事だったのでありがたく貰いボックスに仕舞うと宿を出て昨日入った東門へと向かう
「おや? お前は昨日の・・・その様子だと無事冒険者になれたんだな」
声のする方に顔を向けると昨日街に入る時手続きをしてくれた兵士が居た
「あぁ、貴方は昨日の・・・昨日はありがとうございました」
「ハッハッハ。いや、お礼を言われるような事はしていないさ、私は職務を全うしただけだ
それよりも無事登録出来て良かったな。 これから外にで出るのか?」
「えぇ、初めては簡単な依頼を受けようと思いまして、薬草採取をしに行ってきます」
そういうと不思議そうに此方を見つめる
「鎧も着けず武器も持たずに行くのか? 昨日も思ったが流石に無用心ではないか?」
「武器はあるのですが防具は持って無くて・・・」
「ふむ・・・町の近くであればそこまで強い魔物が出る事は無いから武器があればなんとかなるだろうが・・・防具は買うしかないだろうな。 どれ武器を見せてくれ」
言われたとおり蟷螂刀を取り出し渡す
「ほぉ・・・ボックス持ちだったのか、それに武器は片刃の剣か。 この武器は見た事無いがこの剣とお前の体格から考えると軽装の鎧が良いだろうな。 薬草なら街の近場で取れるからあまり離れ過ぎないようにな」
蟷螂刀を受け取り腰に下げる
「えぇ、離れすぎないようにします!」
「うむ。 武器を下げるとなかなか様になるじゃないか。 戻ってきた時にお勧めの防具屋を教えてやろう
そういえば自己紹介をしていなかったな。
俺はエウゲン、種族はウェアウルフだ。此処東門の兵を纏めている兵士長だ」
「俺は御三月 暁 です。種族はご存知の通り人族です」
自己紹介をしながら握手する
「お前は人族にしては礼儀もしっかりしているし傲慢じゃない。 亜人族を見ても蔑んだ目をしないし、こうして触れても嫌な顔1つしない・・・本当に不思議な奴だな」
「人族がどう思われているのかは知っていますよ。それに嫌な顔なんてしませんよ、こうして親切に色々な事を教えていただけましたし、私は種族なんて気にしませんから」
「ハッハッハッ! 本当に面白い男だ気に入ったぞ! 色々と話したい事はあるがいつまでも仕事を放り出してるわけにはいかないからな。 今度飯でも食べながらゆっくりと話そうじゃないか。 外は危険だ、気をつけるんだぞ!」
背中をバシバシと叩かれ思わず前につんのめってしまう
「ハイ! 行ってきます」
「あぁ、防具屋については戻ってから教えるからな。そこら辺の兵士にエウゲンを呼んでくれと言うといい。兵士達には俺からお前の事を伝えておくからすぐに分るだろう。」
「ありがとうございます!」
手を振り見送るエウゲンに手を振り返し門へと歩いて行く
「身分証を」
門に立っていた兵士に呼び止められギルドカードを渡す
「確認できました。 お気をつけて」
ギルドカードを受け取ると兵士に頭を下げ門の外へ出る
頭を下げられた兵士は人族が亜人族に頭を下げたという事に驚き固まっていた
後ろからエウゲンの楽しそうな笑い声が聞こえてきたがあえて無視する事にした
「今振り返ったらなんだか面倒な事になりそうだしな」
なかなか面白い兵士長と知り合えた事を喜びつつも、危険地帯に出た事で気持ちを切り替え、薬草を探し歩き始めるのだった
次の準備が出来次第 3月3~5日 0時 投稿予定
一話一話の長さはどれぐらいが良いのか迷っている所です。
現在一話、7000~9000文字を目安にしてはいますが短くするのか、現状でいくのか悩み中ですので長かったり短かったりするかもしれませんがご了承ください。




