打倒佑香! 期末テスト奮闘記(3)――○○視点
「――あ、絵玖ちゃんのお母さん、こんばんは~」
「どうも、こんばんは。先生は元気そうですね」
「はい、とっても元気ですよ~。お母さんは? 体調のほうは大丈夫ですか?」
「もちろん、元気ですよ。元気でなかったら、ここまで来ることはできませんから」
「それは言えてますね~。わざわざありがとうございます~」
「いえ、これくらいどうってことありませんよ。むしろこうやってしか娘の情報を知れないのが恥ずかしいです」
「お気になさらないでください。お母さんの気持ちは、私にもしっかり伝わっていますので」
「ありがとうございます。……じゃあ、教えていただけますか? 娘の学校での様子を」
……………………。
「――そうですか。では、大分学校生活にも慣れてきたんですね」
「はい。ちょっと体調を崩してしまった二日間を除けば、問題なく生活を送ってますよ~」
「よかった」
「最近は友達もできたようで、楽しそうにしゃべってる姿も見れますし」
「友達を作ったんですか? 絵玖が?」
「はい、よく一緒に行動をしているみたいです」
「名前は?」
「五十沢秀吾くんと、その友達の真行寺佑香ちゃんと三山亮くんです」
「まあまあ、三人も友達を作ったなんて……すいませんが、顔とか判別できるものがあれば見せてもらってよろしいでしょうか?」
「いいですよ~、えーっと……あった、これの一番左に映ってるのが、五十沢くんで、その隣、右端が佑香ちゃんと亮くんです」
「……………………! この子、一度会って話したことがあります」
「五十沢くんとですか?」
「はい。初めてこの学校にお邪魔しようとしてた時、道に迷ってしまって困ってたんです。その時にちょうど下校中の五十沢くんに会って、丁寧に道を教えてもらったんです。この子が五十沢くんだったんですね」
「あらあらそんなことが~、じゃあ仲良くなるのが早かったのもそれが理由なんですかね」
「良い子そうな雰囲気が出てましたからね。絵玖が友達になるのも納得な気がします」
「先週、絵玖ちゃんと軽くお話しした時、五十沢くんとのことをとっても嬉しそうに話してましたよ~。仲良くなって、学校生活が楽しくなったって」
「そうですか。……嬉しいでしょうね、なかなか友達を作る機会もなかったでしょうし……」
「しばらくは、安心しても大丈夫だと思います~」
「そうですね。……ありがとうございます、また頃合いを見てお邪魔させていただきますね。絵玖のこと、これからもよろしくお願いします」
「いえいえ、こちらこそ。責任を持って見守らせてもらいますね~」
「はい。では、失礼します」
「は~い」
――ガラガラ。
「五十沢秀吾くん、か……そうね、あの子だったら……うん、いいかもしれないわね……」
……………………。
…………。
……。




