勉強会日和とはこのことだ!(8)
「亮くん、おはようございます」
「おお、絵玖ちゃん。おはよう~、回復したんだな? 体調」
「はい、おかげさまで」
「そりゃよかった。クラスのみんなより、一足早く絵玖ちゃんの元気な姿を見れて得した気分だぜ」
「あはは、あたしも見せることができてよかったです」
「今日はありがとね。勉強会に誘ってくれて」
「いえ、とんでもないです。むしろ敢行に近い形で始めてしまって、大丈夫でしたか?」
「全然問題ないよ。俺たちの休日なんて、家で過ごすことが大半だからさ」
「そうそう。ほら、この辺は遊びに行くところもないからさ。いつも時間の過ごし方で悩んでるくらいなのよ。良い休日の過ごし方を考えてくれて助かったわ。今日は、頑張りましょうね」
「はい、よろしくお願いします」
「一先ず、二日間のノートが必要ね、ちょっと取ってくるから待ってて」
佑香は立ち上がって、ノートを取りに自室へと向かう。
「勉強を叩きこまれてると聞いてたが、ガチなのか?」
「ガチもガチよ。着いた途端に、はい勉強~って間髪入れずに勉強道具開かされてここをやりなさいって。……ただの熱血教師だぜ、ありゃ」
「そうか。でも俺は結構偉いと思うぞ? 勉強会だと知りつつ、こうして来ているってことが」
「電話でも言ったが、家にいるほうがよっぽど暇だからな。それに、絵玖ちゃんが来るって聞いてたし……言うなれば、絵玖ちゃんを見るために今日は来たようなもんだ」
「……だってよ? 絵玖。何か一言どうぞ?」
「ああ、えっと……そんなことを言ってくれてありがとうございます」
「あはは、ライブの一コマとかでそういうのありそうだな」
「実際あるんじゃないか? 絵玖、ステージに立った経験っていうのは?」
「子供の頃に、少しだけ……今の年齢に近くなってからはほとんどないです」
「まあ、ステージだけが全てじゃないしな。芸能界にもそれぞれの道もあるわけだし」
「随分詳しそうな口ぶりだな」
「単純に好きだからな。アイドル関連の情報は欠かさず取り込むようにしてるんだよ。今話題のグループから上昇してくるであろうグループまでバッチリ網羅してるぜ」
「――そっちの方に精を出し過ぎてるから、勉強ができないんじゃないのっていつも言ってるんだけどね……染みついたシミはなかなか落ちないもんで……」
本当にお母さんのようなことを言いながら、佑香が戻ってきた。




