表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
98/171

返信

初日の先生の言葉。



今日の検査室の空気。



技師達の表情。



母の不安そうな顔。



全部。



全部思い出してしまう。



今までずっと押し込めていたものが、


少しずつ溢れ出しそうになる。



香葉はスマホを握る。



返信画面。



何度も文字を打つ。



消す。



また打つ。



消す。



『大丈夫じゃない』



消した。



『怖い』



消した。



『会いたい』



消した。



「……。」



違う。



何か違う。



そして。



何度目かの打ち直しの後。



やっと送信した。



今泣かせないで、、、

優しくしないで、、、



送信、、、。



香葉はスマホを胸に押し当てた。



心臓がうるさい。



送っちゃった。



「……。」



重いって思われたかな。



困らせたかな。



面倒だって思われたかな。



そんな不安が一気に押し寄せる。



やっぱり消したい。



でももう送ってしまった。



取り消せない。



香葉は毛布を握る。



返事なんて来なくていい。



そう思う。



でも。



気になってしまう。



スマホが震えるのを待っている自分がいる。



そんな自分が少し嫌だった。



病室の時計は静かに時を刻む。



消灯時間。



でも香葉の心だけは、


全然眠れそうになかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ