LINE
病室。
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母は荷物の整理をしたら帰宅した。
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香葉はベッドへ腰掛けたまま、
スマホを手に取った。
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通知。
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古畑亮。
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「……。」
何だろう。
少しだけ緊張する。
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トーク画面を開く。
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終業式のパンツ似合ってた^_^
次回作も期待してる、、、笑
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「……。」
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香葉はしばらく画面を見つめる。
それだけだった。
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検査の話も。
病気の話も。
心配しているなんて言葉もない。
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でも。
思わず笑ってしまった。
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「何それ、、、笑」
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小さく呟く。
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あの日。
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ペンダントばっかり見てたくせに。
パンツ気付くの遅かったくせに。
今さら。
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似合ってた^_^
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である。
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「遅いんだよ-_-」
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そう言いながらも、
少し嬉しい。
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病院へ来てから。
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検査。
数値。
入院。
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そんな話ばかりだった。
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でも。
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古畑のLINEには、
病気の文字が一つもなかった。
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見ているのは。
病気の私じゃなくて。
服を作った私。
夢を語った私。
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そっちなんだ。
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「……。」
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香葉はもう一度LINEを見る。
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次回作も期待してる、、、笑
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次回作。
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、、、
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その言葉が妙に心に残った。
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まるで。
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数日で退院するのが当たり前みたいに。
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未来の話をしている。
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香葉はスマホを胸の上に置いた。
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そして小さく笑う。
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「作るよ。」
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誰もいない病室で、
小さく返事をした。
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次回作も。
その次も。
まだ作りたい服がたくさんある。
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だから。
少しだけ頑張ろうと思った。




