76/171
担任
それからしばらくして――
店の自動ドアが開く。
担任だった。
店内を見回している。
「きた先!」
亮が手を上げる。
「こっち!」
担任はすぐに二人の元へ歩いて来た。
「浜中、大丈夫か?」
香葉は小さく頷く。
「はい……。」
担任は少し安心したように息を吐いた。
「お母さんには連絡したから。」
「……。」
「職場からすぐ自宅に向かうそうだ。」
香葉は再び小さく頷く。
担任は続けた。
「浜中、家まで送るから。」
そして亮を見る。
「連絡ありがとう。」
亮は少し照れくさそうに頭を掻いた。
「いえ。」
担任は頷く。
「古畑も付き添え。」
「え?」
「ここまで一緒だったんだ。最後まで付き添え。」
亮は苦笑する。
「分かりました。」
そうして三人は店を出た。
担任の運転する車に乗り込み、タピオカ店を後にするのだった。
担任の先生は、北原誠。生徒からは"きたせん"と呼ばれて親しまれている。




