クラスの人気者
香葉は視線を逸らした。
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その時。
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担任がふと後ろを見る。
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教室後方。
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窓際。
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まだ帰っていない古畑亮。
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さっきから何となくこちらを気にしている。
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本人は隠しているつもりらしい。
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全然隠れていない。
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担任は思わず笑った。
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「浜中。」
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「はい?」
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「たまには頼ってみてもいいんじゃないか。」
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「……。」
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「誰かに。」
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香葉は少し首を傾げる。
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担任はわざとらしく亮の方を見る。
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「ほら。」
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「?」
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「心配ですって顔に書いてある。」
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香葉が振り返る。
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亮
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、、、
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担任
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「クラスの人気者に、、、笑」
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亮
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「先生。」
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担任
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「何だ。」
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亮
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「聞こえてます。」
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担任
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「聞こえるように言った。」
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香葉は吹き出す。
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亮は盛大にため息をついた。
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担任は面白そうに続ける。
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「いやぁ。」
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「クラスレクの日もなぁ。」
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「教室入ったら二人だけだったしなぁ。」
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香葉
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、、、、、、
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亮
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、、、
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担任
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「青春だなぁって。」
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「違います。」
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二人同時だった。
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担任
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笑笑笑
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「息ぴったりじゃないか。」
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「だから違います。」
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また同時。
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担任はとうとう笑い出した。
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「まあ何でもいい。」
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そう言いながらも、
全然何でもいいと思っていない顔だった。
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そして最後に、
少しだけ真面目な顔になる。
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「浜中。」
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「はい。」
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「本当に無理するなよ。」
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「……。」
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「頼れる奴がいるなら頼れ。」
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「先生でもいいし。」
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ちらっ。
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亮を見る。
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「そこの暇そうな奴でもいい。」
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亮
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「結構忙しいです。」
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担任
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「知ってる、、、笑」
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香葉は思わず笑った。
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でも。
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『頼れる奴がいるなら頼れ』
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その言葉だけは、
なぜか心に残った。




