表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
68/171

名前

電車の中。



ガタン。



ゴトン。



規則的な音が響く。



車内の冷房は効いている。



でも。



香葉の身体はまだ少し熱っぽい。



亮はペットボトルを持ったまま、


香葉の首元を見ていた。



「そのペンダント。」



「ん?」



「お気に入りなの?」



香葉は首元の葉っぱのモチーフに触れる。



小さく笑った。



「お父さんから貰った誕生日プレゼント」



「へぇ。」



亮は少し身を乗り出す。



「葉っぱ」



「うん。」



「今日の服に合う!」



香葉は少し照れ臭そうに笑った。



「ありがとう^_^」



亮はペンダントを見つめる。



そして。



「名前に葉が入ってるから葉っぱモチーフ?」



香葉は少し驚いた。



「よく気付いたね。」



「何となく。」



香葉は窓の外を見る。



流れる景色。



夏の空。



そして少しだけ懐かしそうに笑った。



「風薫る深緑の季節に生まれたから。」



「へぇ。」



「昔から親からは葉っぱモチーフの物貰うこと多かったかも。」



亮は頷く。



「なるほど。」



数秒。



そして。



「誕生日いつ?」



「五月。」



「五月かぁ。」



亮は少し考える。



「じゃあもう過ぎてるじゃん。」



「そうだよ。」



「何日?」



香葉は日にちを答える。



亮は小さく頷いた。



「メモしとく。」



「何で。」



「忘れそうだから。」



「簡単な日にちだよ。」



「確かに。」



二人とも少し笑う。



その時。



香葉はちらりと亮を見る。



そして。



少しだけ期待する。



今日のパンツ。



気付くかなぁ……



自作。



レース。



何日もかけて作った。



ファッション好きの古幡なら、


真っ先に気付くと思っていた。



でも。



さっきから見ているのは。



ペンダント。



名前。



誕生日。



私ばっかり、、、



香葉は少し可笑しくなる。



そして。



その数秒後。



亮が突然言った。



「そういえば。」



「ん?」



「そのパンツ。」



香葉



、、、





「新しくない?」



香葉は思わず吹き出した。



「遅い、、、笑笑」



「気付いてた。」



「絶対今気付いた、、、笑」



「バレた。」



ようやく。



亮の視線がパンツへ向いた。



でも。



香葉は何となく思う。



今日。



古幡が一番見ていたのは、

服じゃなくて私だった気がする

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ