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朝。

浜中家。

香葉の部屋。



カーテンの隙間から朝日が差し込む。

蝉の声。

もう夏だ。



香葉はゆっくり目を開いた。

「……。」

天井を見る。

しばらく動かない。



最近の朝はまず確認する。



身体。

頭。

呼吸。

立てそうか。



学校がない日でも癖になっていた。



「大丈夫。」

小さく呟く。

でも。

その言葉に以前ほど自信はなかった。



ベッドから起き上がる。

机の上。

編みかけのレース。

かぎ針。

スケッチブック。

そしてスマホ。



何気なく手に取る。

クラスルーム。

昨日の集合写真。

担任が投稿したもの。



香葉は写真を開く。

みんな笑っている。

根元さん。

渡。

蛍原さん。

担任。

そして。

古畑亮。

びしょ濡れ。

相変わらず楽しそう。

「ふふっ。」

思わず笑ってしまう。



その時。

昨日のことを思い出す。

『ちゃんと頼れ。』

『大丈夫じゃない時くらい。』

亮の言葉


香葉はスマホを見つめる。

昨夜。

送ろうとして送らなかったLINE。



ありがとう、、、。

いつか頼る、、、



もう消した。

送らなくて良かったと思う。

少し恥ずかしい。

でも。

少しだけ。

送れば良かったかなとも思う。

「……。」

変な感じ。



その時。



コンコン。

母だった。

「香葉ー。」

「起きてる。」



ドアが少し開く。

母が顔を出す。

「おはよう^_^」

「おはよう。」



母は少し安心したように笑う。



そして。

「来週の入院の書類、後で確認しようね。」

「うん。」



返事をした瞬間。

現実に引き戻される。



検査入院。

来週。

もうすぐ。

昨日の楽しい時間が、

少し遠く感じた。



香葉は再び集合写真を見る。

高校最後の夏。

まだ始まったばかり。

そう思いたい気持ちと、

何かが変わり始めている予感が、

胸の中で静かに混ざり合っていた。

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