亮部屋
夜。
古畑家。
亮自室。
スマホから音楽が流れる。
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ダンス動画。
海外のダンサー。
亮は画面を見ながら身体を動かしていた。
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ステップ。
ターン。
リズムを取る。
止める。
もう一度。
「違うな。」
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動画を巻き戻す。
何度も繰り返す。
いつもの夜。
好きなことをしている時間。
本来なら。
頭の中はダンスでいっぱいのはずだった。
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でも。
今日は違う。
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『ちゃんと頼れ。』
自分が言った言葉を思い出す。
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「……。」
亮は動きを止めた。
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スマホを置く。
ベッドに腰を下ろす。
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浜中。
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体育館横。
立ち眩み。
検査入院。
「毎年。」
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あの言葉が引っかかる。
何となく。
何かあるんだろうとは思っていた。
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でも。
実際に聞くと少し違った。
想像よりずっと。
深刻そうだった。
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「……。」
亮は天井を見る。
心配。
そうなのだと思う。
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でも。
それだけなのかな。
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昼間のことを思い出す。
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水風船。
数メートル先に落下。
二人で笑った。
逃げ回る浜中。
楽しそうな顔。
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『浜中ってあんなに笑う事あるんだ。』
思わず口に出した言葉。
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そして。
あの笑顔。
「……。」
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亮は顔を覆う。
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何だろう。
よく分からない。
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その時。
スマホが光る。
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クラスルーム通知。
クラスブログ更新。
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「あ。」
今日、浜中だった。
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亮は何気なく開く。
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自分の弱さを認められないのは、
自分を信じすぎているからなんだって。
そう考えられるようになってからは、
弱い自分を多少認められるようにはなったかもしれない。
今日は楽しかった^_^
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「……。」
読み終わる。
そして少し笑った。
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「良かった。」
小さく呟く。
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今日は楽しかった。
たったそれだけの文章。
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でも。
浜中が書いたなら、
それは本音なんだろう。
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亮はスマホを閉じる。
そして立ち上がった。
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「よし。」
もう一度音楽を流す。
ダンスを始める。
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でも。
身体は動いているのに。
頭のどこかには、
相変わらず浜中香葉がいた。
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「結構忙しいな……。」
誰に言うでもなく呟く。
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そして。
自分で言って少し笑った




