表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/64

レク中

「待ってぇぇぇ笑笑」



香葉は笑いながら逃げる。



後ろから女子達の笑い声。



前では古畑が水風船の餌食になっている。



校庭中が賑やかだった。



夏の匂い。



濡れた地面。



青空。



笑い声。



全部が眩しい。



香葉は立ち止まる。



肩で息をする。



「はぁ……笑」



楽しい。



本当に。



最近で一番楽しいかもしれない。



学校へ来て良かった。



みんなに会えて良かった。



クラスレクに参加して良かった。



そう思う。



でも。



「……。」



少しだけ。



息が上がり過ぎている気がした。



走ったから。



笑ったから。



暑いから。



そういうことだと思いたい。



でも。



胸の奥が苦しい。



呼吸を整えても。



なかなか戻らない。



「……。」



視界が少しだけ揺れる。



太陽の光が妙に眩しい。



校庭の音が遠く聞こえる。



みんなは楽しそうだ。



古畑も笑っている。



根元さんは相変わらず大騒ぎしている。



蛍原さんはなぜか本気で水鉄砲を撃っている。



その光景が少し遠く感じた。



楽しい。



本当に楽しい。



だから。



終わってほしくない。



でも。



身体が言うことを聞かない。



「……。」



香葉はそっと日陰へ視線を向けた。



少し休めば大丈夫。



きっと。



少しだけ。



本当に少しだけ。



休めば。



そう思いながら、


香葉は静かに歩き始めた。



その背中を、


少し離れた場所から見ている人がいることに、


まだ気付いていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ