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起動させないしガソタム〜おじいちゃんが地下にガンダムみたいな遺産を残していった件〜  作者: じょん-ドゥ
起動させないしガソタム〜おじいちゃんが地下にガンダムみたいな遺産を残していった件〜

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第85話:魂の同調、あるいは出撃の序曲

 ガソタムの操縦席コクピットは、不思議なほど

 温かかった。まるでおじいちゃんの懐に抱かれている

 ような感覚に、私の指先の震えはいつの間にか止まっていた。

 私はシートに深く座り、覚悟を決めて操縦桿を握る。


「……おじいちゃん。私に、勇気を頂戴。みんなを助けたいの」


 その声に応えるように、コンソールの計器が鮮やかに

 光り輝いた。スピーカーから響いたのは、気取った執事

 ではなく、あの懐かしい「おじいちゃん」のダミ声だった。


『おう、任せとけ! ワシがお前を独りぼっちにさせる

 わけなかろう。麗、お前の後ろにはいつもワシがいる。

 さあ行くぞ! この街の未来を、お前の手で掴み取れ!』


 モニターには膨大なデータが怒涛の勢いで流れ、

 出撃シークエンスが神速で進められていく。


『全神経接続完了! エネルギー充填、限界を突破!

 ガソタム、すべての拘束ロックを解除じゃ!』


 その瞬間、邸宅の庭の芝生が地響きと共に左右へ割れ、

 巨大な格納庫の屋根が、重厚な金属音を立てて開いた。

 地下の闇を切り裂くようにまばゆい光が溢れ出し、

 巨大な電磁レールが、夕闇の空へと真っ直ぐせり上がる。


発射台カタパルト固定解除! 最終チェック終了!

 麗、お前の想いをそのまま力に変えて、ぶちかましてこい!』


 地鳴りのような咆哮が足元から突き上げ、機体全体が

 解き放たれるエネルギーに震え、猛り狂っている。


「……いくよ、おじいちゃん! ガソタム、発進!」


 私はおじいちゃんの声に導かれ、スロットルを奥まで

 押し込んだ。瞬間、世界が後ろへ飛び去る。

 古谷麗。大好きなみんなを守るため、

 私は今、禁断の空へと解き放たれた。

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