第7話:再開発という名の死刑宣告
放課後。おじいちゃんの家……もとい、私の家がある場所は、
かなりのド田舎だ。
とはいえ、学校の周辺はまだ『町』と言っていい。
駅もあれば、バスだって通っている。
私は駅前の掲示板で、ふと足を止めた。
そこに貼られていたのは、見慣れない派手なポスター。
『祝! 駅前再開発計画始動 より便利な街づくりへ』
……再開発?
私は、ポスターに描かれた計画地図を食い入るように見つめた。
新しく通る予定の、地下鉄の路線図。
赤い点線が、蛇のように地図の上を這っている。
その線は、住宅街を抜け、山の裾野へと伸びていき……。
「……うそ、でしょ?」
微妙なところだ。私の家を、かすめているようにも見える。
いや、そもそも地下鉄って、電車が通る分だけを掘るんじゃない。
振動対策とか、補強工事とかで、周辺も大きく掘り返すはずだ。
もし。もしも、私の家の直下を掘削機が通ったら。
あの『違法建築』の地下室に、ドリルが突き刺さってしまったら。
……想像しただけで、心臓が跳ね上がった。
中から出てくるのは、おじいちゃんの遺産、ガソタム。
工事現場の作業員たちが、泥まみれの巨大ロボを見て絶句する。
だらだらと、嫌な汗が背中を伝った。
ハンカチで拭っても、次から次へと溢れ出してくる。
隠蔽すれば済む話だと思っていたのに。
まさか、地面の下から暴かれる可能性があるなんて。
「……じいちゃん、助けてよ。私、どうすればいいの?」
西日に照らされたポスターの前で、私はただ震えていた。
私の平和な日常の足元が、文字通り崩れようとしていた。




