第6話:放課後の攻防、女子高生の鉄壁
学校生活は順調だ。
……一つ、致命的な問題を除けば。
「ねえ、うらら。今日、放課後ひま?」
休み時間、親友のサキが身を乗り出してきた。
「一軒家で一人暮らしとか、最高じゃん。
みんなでピザ取って、お泊まり会しよーよ!」
周りの女子たちも「賛成!」と盛り上がる。
……やめて。私のライフはもうゼロよ。
「ごめん、今はちょっと無理かな……」
私は、精一杯の引きつった笑顔で答える。
「じいちゃんが亡くなったばっかりで。
まだ片付けが終わってなくて、埃がすごいの。
それに、古い家だから夜は不気味だし……」
嘘じゃない。地下室の隠蔽作業のせいで、
私の体は筋肉痛だし、居間は釘と板だらけだ。
「えー、いいじゃん。片付け手伝うよ!」
「だめ! ……あ、いや、本当にもう少し落ち着いたら。
ちゃんと招待するから。今は、まだ心の整理が……」
必死の演技で、なんとかその場を切り抜ける。
サキたちは「そっか、無理言っちゃってごめんね」
と、納得してくれたみたいだけど。
……冷や汗が止まらない。
友達を招くなんて、絶対に不可能だ。
もし地下から、十八メートルの質量が軋む音が聞こえたら?
もし畳の下の違法建築に、誰かが気づいてしまったら?
私の平和な日常は、その瞬間に崩壊する。
私は、誰もいない地下の『ガソタム』を思い浮かべた。
じいちゃん。
あんたが遺したロボットのせいで。
私は、友達を家に呼ぶ自由すら失っちゃったよ。




