第4話:DIYで隠蔽する、私の放課後
決めたら、やるしかない。
私はホームセンターで板と釘、それから工具を買い込んできた。
まずは、地下へと続くあの忌々しい階段の入り口だ。
厚手の合板をサイズ通りに切り、床の穴を塞いでいく。
トン、トン、と釘を打つ音が、誰もいない居間に響く。
……女子高生が一人、自宅で何をやっているんだろう。
板を打ち付けた後は、その上に重い桐の箪笥を置いた。
さらに上からラグを敷き、小さなテーブルを配置する。
これで、見た目はただの『和室』になった。
この下に、十八メートルの鋼鉄の怪物がいるなんて。
この下に、違法建築の巨大空間があるなんて。
パッと見では、絶対に分からないはずだ。
作業が終わる頃には、外はすっかり暗くなっていた。
全身が埃まみれで、腰が信じられないくらい痛い。
「……ふう。これで一通り、終わったかな」
私は、おじいちゃんが愛用していた茶筒で茶を淹れた。
温かい液体が、冷え切った体に染み渡っていく。
明日からは、普通の高校生活に戻らなきゃいけない。
ガソタムなんて、最初からなかったことにするんだ。
私の名前は、古谷麗。
ごく普通の、どこにでもいる女子高生。
私は自分にそう言い聞かせ、早めに布団へ潜り込んだ。
……どうか、明日から何事も起きませんように。




