第38話:招かれざる女子会、あるいは平和の崩壊
訓練の疲れが抜けきらない翌日の昼休み。
親友のサキが、お弁当を広げながらとんでもない爆弾を投げ込んできた。
「ねえ、今週末。麗の家で、お泊まり会しない?」
その瞬間、私は飲んでいたお茶を思い切りむせ返した。
お泊まり。よりによって、巨大ロボットと軍用AIが潜む、私の家で?
「えっ!? だ、ダメだよ! うち、今ちょっと事情があって……!」
「何言ってんの。麗、おじいちゃん亡くなってからずっと一人じゃん。
寂しいだろうし、みんなでパジャマパーティーして元気づけようって」
サキの純粋な優しさが、今の私には猛毒のように突き刺さる。
周りのクラスメイトも「賛成!」「恋バナしよう!」と大盛り上がりだ。
断る正当な理由が見当たらない。でも、本当の理由は絶対に言えない。
(……どうしよう。家の中、おじいちゃんのせいで魔改造されてるのに)
壁はミサイルに耐える特殊合金。床下には強制射出機能付きの椅子。
そして何より、隙あらば「レイ様」と呼びかけてくる、あの執事AI。
私は引きつった笑顔を浮かべながら、止まらない汗を必死に拭った。
隠蔽すべき秘密が多すぎる我が家で、女子高生三人のお泊まり会。
ガソタムの操作より、ずっと難易度の高いミッションが始まった。




