第36話:禁断の輝きと、揺れる乙女心
ドォォォォン! と鼓膜を震わせる轟音と共に、白光が走った。
視界が晴れると、モニターに映っていた仮想の街の一部が、
跡形もなく消滅し、ただオレンジ色の火柱だけが立ち昇っている。
「……うそ。一撃で、これ? おじいちゃん、本当に何を作ったの」
私は自分の指先を見つめて戦慄した。
けれど、その恐怖の裏側で、心臓がトクトクと速く脈打っている。
この圧倒的な破壊力。この絶対的な力。……正直、もっと見たい。
「……いけない、私は平和主義。でも、この操作感は凄すぎるわ」
のめり込んでいく自分を隠すように、私は大きく息を吐いた。
すると、バロのホログラムが私の高揚を見透かしたように明滅する。
『レイ様。破壊の効率をご理解いただけたようですね。
では次は、近接戦闘用装備……ビームサーベルの訓練に移ります』
シュパッ! という鋭い音と共に、ガソタムの太もも部分が開く。
そこから滑り出すように現れた金属の柄を、巨大な手が掴んだ。
私がスイッチを入れた瞬間、シュバァァァ! と高周波音が響き、
全周囲モニターを焼き切らんばかりの、青白い光の刃が伸びた。
「……。何これ、綺麗。……じゃなくて、これも物騒すぎじゃない?」
『源造様独自のプラズマ収束技術です。万物を両断する光の剣です。
さあレイ様、その剣を振るい、目前の仮想建造物を斬ってください』
私は導かれるように、光り輝く柄を握り直した。
怖いはずなのに、次はどんな手応えがあるのか、期待が止まらない。
私は、おじいちゃんが遺した「究極の玩具」の魔力に、
女子高生の倫理観を少しずつ、着実に削り取られ始めていた。




