第28話:全自動の変身、あるいは羞恥の加速
滑走するシートに揺られ、絶叫しながら闇の中を滑り落ちる。
その時、視界がいきなり眩い白い光に包み込まれた。
「な、何!? 熱くはないけど、体が変な感じが……」
驚愕した。光を潜り抜ける瞬間、私が着ていた制服が、
粒子となって溶け出すように消えていくではないか。
あえて言おう。今の私は、完全に、まっぱだかだ。
「ぎゃああああ!? ちょっと、何してんのよエロじじいーーッ!」
人権も何もない光速のストリップに、私は涙目で叫んだ。
冷汗すら乾くような羞恥の中、シートは次なる光へ。
今度は、先ほどよりもやや黄色みが強い光のトンネルだ。
そこに飛び込んだ瞬間、私の肌に不思議な感覚が走った。
光の粒子が糸のように絡み合い、私の体を締め付けていく。
手足の先から、重厚な質感を伴って『服』が形成されていくのだ。
かつてのアニメの変身シーンのように、光が螺旋を描いて踊る。
肩には防護パーツが、胸元にはエンブレムが刻まれた、
無駄に格好いい、ピンク色のパイロットスーツ。
最後の一粒がヘルメットを形成した瞬間、変身は完了した。
「……。なによこれ。勝手に着せ替えないでよ……っ!」
本人の意志を置き去りにした、全自動の出撃シークエンス。
私は、おじいちゃんのロマンという名の暴力に身を委ね、
ガソタムの心臓部……操縦席へと突入した。




