第25話:管理された日常と、謎の特訓
翌朝。私が目を覚ますと、枕元でバロが不気味に発光していた。
ホログラムが展開され、目の前に分刻みの表が浮かび上がる。
『おはようございます、レイ様。本日より、
私がレイ様のスケジュール管理を厳格に行わせて頂きます。
〇六時〇〇分:起床および朝食
〇七時三〇分:登校
十六時三〇分:帰宅
十七時〇〇分:シミュレーターによる戦闘訓練
十八時三〇分:夕食
十九時三〇分:入浴
二十一時〇〇分:就寝
以上でございます』
「……ちょっと。その名前で呼ぶなって言ってるでしょ。
私は『うらら』。勝手に予定を詰め込まないでくれる?」
抗議を無視して映し出された予定に、私は思わず目を疑った。
「……戦闘訓練って何よ。私はただの女子高生だってば」
『ご安心を。レイ様がシミュレーターを使用した記録はあります。
基礎的な適性は、すでに源造様が確認済みでございます』
「……。え、記録? 私、そんなのやったことないけど」
首を傾げた私の脳裏に、ふと幼い頃の記憶が蘇った。
おじいちゃんの膝の上で、変な操縦桿を握って遊んだビデオゲーム。
画面の中でロボットを動かして、おじいちゃんが手を叩いて喜んでいた。
「……まさか、あのゲーム。あれがシミュレーターだったの?」
『左様です。源造様特製の「英才教育用ソフト」でございます。
レイ様が自由自在に操縦するためには、もはや仕上げのみ』
「安心できる要素が一ミリも無いんだけど……!」
冷汗がまた背中を伝う。
知らない間に、私はおじいちゃんの描いたシナリオに乗せられていた。
私は、おじいちゃんが遺した「過保護すぎるシステム」に、
今日からプライベートまで徹底的に管理されることになった。




