第23話:核シェルター級の我が家
バロのホログラム解説は、さらに私の理解を置き去りにしていく。
投影された図面が、ガソタムから家全体へと広がった。
『レイ様。驚くべきはガソタムだけではありません。
この地下施設、および私たちが今いるこの家自体にも、
源造様の開発した特殊合金が惜しみなく使われております』
「……は? このボロ家にも、あの無敵の金属が?」
私は思わず、目の前の古びたちゃぶ台の足を触った。
見た目はただの木材やコンクリートなのに。
『左様です。見た目をカモフラージュしているに過ぎません。
この家は、ミサイルが直撃しても傷一つ付かないでしょう。
核シェルターを遥かに凌駕する強度を誇っております』
……ミサイルが落ちても壊れない。
その言葉を聞いた瞬間、私はバロのレンズを掴んで叫んだ。
「ちょっと! さっき処分できないって言ったの、そういうこと!?」
『お察しの通りです。通常の解体業者が重機を持ってきても、
ドリルの先端が折れるか、ショベルがひしゃげるだけです。
物理的に、この家もガソタムも「壊す」ことができないのです』
私は唖然として、力なく畳の上にへたり込んだ。
頑丈すぎて壊せない。一生、この家を捨てることもできない。
おじいちゃんの愛情と執念は、
私を「絶対に壊れない最強の牢獄」に閉じ込めていたのだ。
「……おじいちゃん。やりすぎだよ、いくらなんでも」
私は、最強の装甲に守られた我が家の天井を仰ぎ、
冷汗と共に、深い絶望の溜め息を漏らした。




