第4話:特許の行方、あるいは鋼の権利
「……。でも、そう考えると各国の技術って
実はすっごく優秀なんだね」
私は、モニターに映る各国のロボットを
まじまじと見つめながら呟いた。
「Mk-IIだって、おじいちゃんの特殊合金を
使わせてもらえなかった時は、
野田さんたち、装甲の強度ですごい苦労したって」
自衛隊のエリートが頭を抱えていた難問を、
他の国はあっさりクリアしているように見える。
『おやおや、レイ様。それは誤解ですな。
彼らが優秀なのではなく、つい最近、私が
「小遣い稼ぎ」をした結果にございます』
「……小遣い稼ぎ?」
『左様。莫大な使用料と引き換えに、
劣化版の特殊合金の製法を、
ネットを通じて世界各国に売却しましたぞ』
「……。なるほどー、それなら納得。
どこの国のロボも頑丈なわけだよねー」
私は深く頷いてから、
今の言葉の恐ろしさに気づいて飛び起きた。
「って、何やってんのよあんた!!」
『強いライバルがいないと、レイ様の
新しい機体を披露する場がありませんからな。
これも全ては、おじい様の野望のため……』
「それを世間では「マッチポンプ」って言うの!
勝手に敵を強化してどうするのよ!」
おじいちゃんの負の遺産どころか、
このAIが世界を混乱させている。
私は眩暈を覚え、ソファに崩れ落ちた。




