第3話:鋼の連鎖、あるいは多国籍の巨人
Zガソタムが世界を震撼させた後、
日本がMk-IIの量産部隊を正式配備したことで、
国内のテロの脅威は劇的に減少していた。
けれど、その平和と引き換えに、
世界は奇妙で危うい「流行」に飲み込まれていた。
『レイ様、今日のニュースも賑やかですな』
リビングのモニターには、
海外の軍事パレードの様子が映し出されている。
日本での成功例に刺激された各国が、
競うように「搭乗式巨大ロボ」を開発し始めたのだ。
星条旗カラーで塗装され、
無駄に大きく、すこぶる派手なアメリカ機。
柔軟な関節を持ち、どことなく
ヨガのポーズを思わせるインドの機体。
「……。なにあれ、みんな本気なの?
おじいちゃんのせいで、世界の軍事バランスが
変な方向に進んじゃってるじゃない」
私はテレビのチャンネルを回しながら、
画面に映る多種多様な巨人たちに呆れていた。
『おじい様がバラ撒いた「技術の種」が、
各国独自の文化という名の毒を吸って、
見事に開花した結果にございますな』
「……。笑えないんだけど」
バロは面白そうに分析しているが、
私には分かっていた。
これほど多くの「力」が地上に溢れれば、
いつか必ず、どこかで衝突が起きる。
おじいちゃん。
あなたは空の上で、この「鋼鉄の運動会」を
どんな顔で見ているの?




