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第69話:孤独な待機、あるいは嵐の前の静けさ
おじいちゃんの突きつけたあまりに鋭い問いに、
野田さんは苦渋に満ちた顔で俯いた。
「……少し、検討する時間が欲しい。
捜索と対応はこのまま自衛隊に任せてくれ」
彼はそれだけ言い残すと、逃げるように
司令室を去っていった。
結局、私は「自宅待機」を命じられ、
いつもの家の居間に一人で戻ってきた。
「……。結局、こうなっちゃうのね」
ソファに深く沈み込み、私は天井を見上げる。
学校は休み、ガソタムは盗まれ、
真の機体は私の真下で眠っているという。
『レイ様。野田様は今頃、上層部と
泥臭い交渉でもされているのでしょうな。
正義の味方というのも楽ではございません』
バロはいつもの執事の姿に戻り、
私の横で優雅に宙を漂っている。
「おじいちゃんがあんな意地悪言わなきゃ、
もっとスムーズに進んだんじゃないの?」
『フフフ。あの方は、レイ様の未来を
安売りしたくなかっただけでございますよ』
遠くでヘリの爆音が微かに聞こえる。
都心のどこかでは、今も「偽物」が
誰にも止められぬまま彷徨っているのだ。
私は、まだ見ぬ「真のガソタム」が眠る
足元の床を、そっと掌で撫でた。




