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第49話:春の予感、あるいは二代目の誕生
波乱の正月が嘘のように、その後はたまに
基地へ指導に向かう以外、私はごく平凡な
高校生活を送っていた。
季節は巡り、庭の桜が蕾を膨らませる春。
今は短い春休みの真っ最中だ。
「……ふぅ。この休みが終わったら、
もう高校2年生になっちゃうのね」
縁側で日向ぼっこをしながら、私は呟く。
ガソタムの使用料で通帳の数字はすごいけど、
私の生活は相変わらずポテチと漫画だ。
『レイ様。野田様より通信が入っております。
ガソタムMk-IIが完成したとのことです』
バロの言葉と同時に、スマホが鳴った。
「……はい、古谷です」
『古谷さんか。ついに「Mk-II」の
量産試作初号機が完成した。お披露目前に、
ぜひ君の目で確かめてほしい』
「えっ!? もうですか? 早いですね……」
『ああ。九条さんの助言もあり、開発は順調だ。
今、君の家の前に迎えの車を待たせている』
窓の外を見ると、いつもの黒塗りの車が
門の前に静かに停まっていた。
「……わかりました。今、すぐ行きます」
おじいちゃんの設計図と、国の最新技術。
その二つが混ざり合って生まれた「二代目」。
私は春の陽気から離れ、再び鋼鉄の
巨人たちが待つ基地へと向かった。




