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第41話:戦慄の三が日、あるいは欠陥の予感
世の中が華やかなお正月ムードに包まれる中、
私はこの三が日、全く気が気ではなかった。
おせち料理の味も、ほとんど覚えていない。
頭にあるのは、バロが漏らしたあの言葉。
特殊合金を使わない、野田さんたちの「マークII」。
それは、はっきり言って欠陥機ではないのか?
「バロ……。自重にも耐えられないかもって、
それ、普通に立ってるだけで壊れるってこと?」
『左様でございます。あの巨体を支えるには、
普通の鉄ではあまりに脆弱。一歩歩くたびに、
どこかのボルトが飛ぶかもしれませんな』
バロはコタツの上で、のんきに鏡餅の形をして
浮かんでいるけれど、私は震えが止まらない。
まともに動くのか、いや、仮に動いたとしても、
そのたびに大規模なメンテナンスが必要になるはず。
「……。今にも野田さんから、激怒の電話が
かかってくるんじゃないかって、怖いのよ」
スマホが震えるたびに心臓が跳ね上がり、
画面を確認しては「広告か……」と安堵する。
そんなことを繰り返しているせいで、
今年の正月は少しも楽しくなんてなかった。
おじいちゃんのケチと、バロの意地悪。
その板挟みになって、私はただ
嵐の前の静けさのような休日を過ごしていた。




