表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
起動させないしガソタム〜おじいちゃんが地下にガンダムみたいな遺産を残していった件〜  作者: じょん-ドゥ
起動させないしZガソタム〜おじいちゃんの野望はまだまだ止まらない〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

134/201

第26話:帰路の対話、あるいは聖夜の誘い

 基地からの帰り道、私は再び野田さんの車に揺られていた。

 窓の外を流れる冬の夜景を眺めながら、

 野田さんが静かに口を開く。


「……さっきの、設計図を譲渡するという提案。

 国としては決して悪い話ではない」


 野田さんはハンドルを握ったまま、

 どこか遠くを見つめるように続けた。


「ただ、私の一存では決められん。

 上層部と予算を含めて、少し検討させてもらう」


「あの、私、使用料なんていりませんから。

 おじいちゃんが勝手に言ってるだけですし」


 私が慌てて首を振ると、野田さんは

 鼻で短く笑って答えた。


「そうはいかん。子供の持ち物を国家が

 無償で奪うような真似はできんのでな」


 意外と律儀なその言葉に、

 私の心の中にあった警戒心が少しだけ溶けていく。

 車が自宅の門扉の前に滑り込んだ。

 私はシートベルトを外しながら、

 思い切って彼に声をかけた。


「あの……明日、私の家でクリスマスパーティを

 やるんですけど。野田さんも、よろしければ来ませんか?」


 野田さんが驚いたようにこちらを見る。


「今日の真砂さんとももっとお話ししたいですし、

 ……尾田さんも、よろしければ一緒に」


 野田さんは一瞬、穏やかな目をしたけれど、

 すぐに元の厳しい表情に戻って首を振った。


「ありがたい誘いだが、私は忙しくてな。失礼する」


 断られて少ししょんぼりした私に、

 野田さんは車を出す直前、小さく付け加えた。


「真砂と尾田には伝えておく。

 予定が空いていれば、行かせるようにしよう」


 去っていく車のテールランプを見送りながら、

 私は少しだけ明日が楽しみになっている自分に気づいた。


うらら

「皆さま、いつも『起動させないしガソタム

〜おじいちゃんが地下にガンダム

みたいな遺産を残していった件〜』

をお読みいただき、本当にありがとうございます!

本編でガソタムの存在に怯え、周囲の壮大すぎる勘違いに

毎日胃を痛めております、主人公の古谷うららです!」



(パチパチパチパチとスタジオに

虚しく響く一人拍手の音)


うらら

「えー、まずは皆さまに、大きな大きな感謝を

お伝えしなければなりません!

前回の第1章完結記念の外伝投稿、

そしてあのインタビューあとがきが、

読者の皆さまから『めちゃくちゃ好評』

だったみたいなんです!

『あとがきの掛け合いが面白すぎる』とか、

たくさんの嬉しい反応をいただきまして、

本当にありがとうございました!」


うらら

「……で、ですね。本当なら、

このインタビュー形式のあとがきって

『各章の最後の最後にだけ更新されるお楽しみ特典』

っていう風に、作者さんとの間で厳格なルールを

決めていたはずなんですよ。

そうじゃないと私のツッコミ体力が

保ちませんからね!?」


うらら

「手前味噌ですけど! あまりにも前回の評判が良くて

味を占めたのか、作者さんが『うららちゃん! 今回は

特別に不定期の番外編ってことで、もう一回だけ

あとがきやって! お願い!』って、目を輝かせながら

この紙切れを私の机に叩きつけてきたんです。

ルールって言葉の意味、知ってますか作者さん!?

好評だからってすぐに調子に乗って不定期更新を

ねじ込んでくるの、本当にこの作品の

行き当たりばったりなノリそのものですよ!」


(フーーー、と天井を見上げて深くため息をつく)


うらら

「はぁ……。しかも、前回のあとがきで

作者の自作自演メモに対して

私一人で最初から最後まで全力で

ツッコミを入れ続けるの、

精神的にも肉体的にもめちゃくちゃ

キツかったんですよ!

終わったあと喉がガラガラになりましたからね!?」


うらら

「というわけで! 今回はもう私の身が保たないので、

強力な助っ人として特別ゲストをお呼びしています!

よいしょ、よいしょ……。

はい、我が家のAI執事、バロです!」


(うららがバスケットボール型のバロを両手で大事そうに

抱えて持ってきて、机の上にコトッと置く。

するとバロの本体から光が放たれ、

眼鏡をきらりと光らせた

紳士的な執事のホログラムが空間に投影される)


バロ

「システム起動。皆さま、お初にお目にかかりますな。

古谷家に仕えるAI執事のバロですぞ。

本日はレイ様の精神負荷が規定値を超え、脳細胞が著しく

トップバリュー化する恐れがあると判断したため、

バックアップとしてこのメタ空間あとがき

へ参上いたしました」


うらら

「いい加減うららって呼んでよ!!!」


バロ

「(無表情のまま眼鏡のブリッジをクイッと上げ)

お断りしますぞ、レイ様。

古谷家の執事たるもの、主人の戸籍謄本に登録されている

正式なフリガナ『レイ』を無視し、自称である

『うらら』という非公式コードで呼ぶなど言語道断。

どれほど頼まれようと、私は生涯あなたを

レイ様とお呼びし続ける所存ですぞ」


うらら

「うぐぐぐ……! だからその名前で呼ばないでって

言ってるでしょ!

私はその名前が嫌だから『うらら』って名乗ってるの!

……ああっもう、相変わらずそこだけは融通が

利かないんだから……。

まぁいいわ、来てくれてありがとうバロ!

その眼鏡をクイッと上げるモーション、

あとがきで見てもすごく知的で格好いいよ!」


バロ

「お褒め預かり光栄ですな、レイ様。

このホログラム映像は私の誇りですぞ。

しかし、この場に足を踏み入れた瞬間から、

私のメインプロセッサが『論理的破綻』のアラートを

検知し続けておりますぞ。

……特に、あちらの部屋の隅に存在する

謎の生物に対してですが」


うらら

「あ、やっぱり気づいちゃった? 皆さま、ちょっと

私の視線の先、部屋の隅の暗がりを見てください」


(しーーーん……と静まり返る部屋の隅)


バロ

「(机の上からホログラムの首を伸ばし、

眼鏡の奥の目を細めて)スキャン中……。

対象、成人男性。床にレジャーシートを敷き、

『黙々と砂遊び』を行っていますな。

砂で粗末な人型の造形物を作り、小声で

『デュクシ! デュクシ!』と

音声出力を確認。

……レイ様、あれは野生の不審者ですぞ?

今すぐ駆除プログラムを起動して、私のこの

金属製のバスケットボール型本体を、レイ様が両手で

チェストパスの如くあの男へ全力投球することを

お勧めしますぞ?」


うらら

「バロ、待って! 私に重い金属球で

全力チェストパスさせないで!

殺人未遂になっちゃうから! あれ、

この作品の作者さんだから!

26話一気に書き上げて脳のどこかのリミッターが

溶けちゃったみたいなんだよね……。

もう本当に恥ずかしいから、

砂遊びをやめて早く片付けてほしいんだけど!」


バロ

「了解。対象を『創造主』として

データベースに再登録しましたぞ。

……しかし遺憾ですな。我々の日常を滅茶苦茶に

している元凶が、部屋の隅で泥団子を作っている

幼児退行男性だと思うと、AIである私の回路に

電子的な頭痛が走りますぞ。

あとであの砂利は、私のホログラムプロジェクターの

排熱でカラカラに乾燥させたのち、作者のポケットに

すべて詰め込んで廃棄処分にしておきます」


うらら

「あはは、バロの毒舌が冴え渡ってて最高! ……さて、

今回の特別編は作者さんの自作自演メモばかり

読むのも癪ですし、せっかくバロに来ていただいたので、

今度は私からバロに質問させてもらいます!」


バロ

「ほう、私への質問ですかな? お任せください、

源造様が遺した古谷家の全データ、およびガソタムに

関する機密ログから、AI執事の名に懸けて

的確に回答してみせますぞ」


うらら

「ありがとう! じゃあさっそく聞きたいんだけど、

第1話にも出てきた『ガソタムの型式名がJ01-GSTM』

になってたじゃん。

あれ、実際のところなんでこの名前になったの?

特に前半の『J01』とか、なんかもの凄く格好いい

意味がありそうなんだけど!」


バロ

「なるほど、型式名『J01-GSTM』の由来ですな。

さすがレイ様、お目の付け所が素晴らしい。

前半の『J01』には、源造様の輝かしい天才科学者としての

歴史が刻まれておりますぞ。

源造様はこれまで、自分が発明したモノに対して、

開発順にA、B、C……とアルファベットのコードを

割り振ってきたのです。

アルファベットの10番目、つまりガソタムは、

源造様が生涯で開発した

『10番目の大発明(Jシリーズ)の第1号機』であることを

指しているのですぞ」


うらら

「すごーーーい!!! おじいちゃん、

そこはめちゃくちゃ本格的なマッドサイエンティストっぽい

ナンバリングルールで作ってたんだね! 鳥肌たっちゃった!」


バロ

「ええ、設定自体は極めて重厚ですな。

ちなみに、源造様の発明品リストの

ナンバリングルールで申し上げますと、

私自身の型式名は『M07-BARO』となっておりますぞ」


うらら

「えっ!? バロにも型式名があったの!?

『M07-BARO』ってことは……」


バロ

「はい、アルファベットの13番目。

つまり私は源造様が手がけた

『13番目の大発明(Mシリーズ)の第7号機』

ということですな。

ガソタム(Jシリーズ)よりも後に作られた

、源造様の技術の粋が集まった最新の最高傑作、

それがこの私なのですぞ

(フッ、と胸を張って眼鏡をきらりと光らせる)」


うらら

「バロ、自分のことになると急に誇らしげになるね(笑)。

でもガソタムより後の発明品なんだ!

ナンバリングルールって面白いなぁ……」


バロ

「源造様の設計思想の素晴らしさが

ご理解いただけて何よりですな。

……ですがレイ様。この古谷家の

データベースを検索したところ、

実はガソタムとバロの間、アルファベットの

12番目にもう一つ、登録された驚くべき

コードネームが存在しますぞ。

それこそが『L01-REI』ですな」


うらら

「え? なんでレイに型式名をつけてるの……?」


うらら

「ちょっと待ってバロ、

私の戸籍上の本名『レイ』が、

おじいちゃんの発明品のコードネームに

組み込まれてるってどういうこと!?

意味が分からないんだけど!」


バロ

「データを確認しますな。Jシリーズ(ガソタム)が

10番目、Mシリーズ(私)が13番目ですから、

その間にあるLシリーズはガソタムのあとに

開発されたものですぞ。

解読したデータログには、こう記録されております……

『レイを変身させるための、

様々なギミックを搭載したアイテム群である』と」


うらら

「あの変態変身システムのことかーーーーっ!!!!」


うらら

「何考えてるのおじいちゃん!!! 確かに本編で

『今着ている服が粒子になって溶けて次の粒子が付着して

パイロットスーツに変身する』っていう

最悪な嫌がらせ(変身)を体験させられたけど、

あれおじいちゃんが開発した

Lシリーズの仕業だったのね!?

あんなのただの露出狂のシステムじゃん!

しかもアイテム群ってことは、

もしかして他にもあるの……?」


バロ

「ええ、その通り。データベースによると、

この変身ギミックアイテムは『L25』まで存在しますな」


うらら

「あと24個も残ってんじゃねえよおぉーーーっ!!??」


うらら

「私の戸籍(本名)すら『L01-REI』っていう

変身アイテムの型式名だった事実だけでもショックなのに、

あの恥ずかしい粒子変身の

バリエーションが25個もあるの!?

次はどんな風に服を溶かされるのよ!?

……っていうかさぁ、バロ。

いくら中身がおじいちゃんの精神だからって、

そんな絶望的な未来のデータを

嬉々として報告してこないでよ!」


バロ

「(激しくホログラムのノイズが走る)おっと、レイ様!

それは第1章の重大な内容に触れるため、

このメタ空間あとがきでは大人の事情により

検閲対象ですぞ!

まだそこまで読んでいない新規の読者様のために、

そのツッコミは強制シャットダウンさせていただきますぞ」


うらら

「あ、メタ的な力で有耶無耶にしたわね!?

本編ではもうとっくにバレてるんだから

今さら隠さなくていいでしょ!

……まぁいいわ、今回はバロのおかげで

色んな型式名の謎が解けたし、これで終わりに……」


バロ

「……時にレイ様。

以前、源造様から直接お預かりしていた

案件があるのですが、そのお見合いの話を

進めてもよろしいですかな?」


うらら

「は? お見合い? なんで私がこんな歳で

お見合いしなきゃいけないのよ!

絶対にお断り……って、バロがホログラムで

並べてきたそのお見合い写真、何これ。

……安室さん、安室くん、安室教授、安室パイロット。

ちょっと待って、苗字が全員

安室アムロ』なんだけど!!」


うらら

「おじいちゃん!! まだ私を安室アムロ

結婚させて、本名を

『アムロ・レイ』にするの諦めてないのーーっ!!!???」


バロ

古谷ふるやから安室あむろへ。

これぞ源造様が夢見た、我が古谷一族の

究極形態ですな」


うらら

「やかましいわ! 私の人生をおじいちゃんの

趣味のダジャレに巻き込むな!!

今すぐこのお見合い写真を

シュレッダーにかけて!!」


うらら

「……はぁ、はぁ。もう何なのよこれ……。

結局、強力なゲスト(バロ)を呼んだところで、

いつも以上にツッコミまくって

めちゃくちゃ疲れてるんだけど!!!

私の喉を休ませるための

ゲスト企画じゃなかったの!?

完全にツッコミの過労死ラインを越えたわ!!」


バロ

「お疲れ様ですな、レイ様。

私のデータベースによると、

良いツッコミはカロリー消費が高いため、

ダイエット効果が期待できますぞ」


うらら

「もう怒る気力も残ってないわ……。

はい、というわけで最後の最後に

一番とんでもない爆弾が降ってきたところで、

今回の不定期特別編あとがきはここまでです!

おじいちゃんの狂った執念が、

皆さまにしっかりと伝われば幸いです!」


うらら

「こんな風に、おじいちゃんの超科学遺産と、

アムロ・レイ計画という恐怖の

婚活に全力で立ち向かっている

私とバロ(M07-BARO)を

『今回の裏話もおもしろかった!』

『うららちゃん逃げて!』

と思ってくださった優しい読者の皆さま!

ぜひ! ページ下部にある【ブックマーク登録】や

、評価の【⭐星を5つ】ポチッと押して

応援していただけると、物凄い励みになります!」


バロ

「皆さまのその応援(星マーク)が、

次なる執筆のエネルギー、

いわば作者の燃料ガソリンとなりますぞ。

もし星が少なければ、あの男は

一生あの部屋の隅で砂のお城を増築し続ける

バグを繰り返すことになりますので、何卒、

高評価をよろしくお願いいたしますぞ。

砂はあとできちんと片付けさせますので

安心してくださいな」


うらら

「それでは、次回の『起動させないしガソタム』

どうぞお楽しみに!

婚姻届の防衛線を張りながらお待ちしています!

古谷うららと、」


バロ

「AI執事のバロでしたぞ。

皆さま、健やかなシステムライフを」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
一気読みで面白かった。 パイロットの名がガンダムから暴走族になってきた感じですね。 ところでこの先、麗ちゃんが知恵をつけて日本政府と交渉して戸籍を書き換えたら バロ君発狂ですかね??
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ