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第20話:魂の摩耗、あるいは交代の序曲
ガソタムのハッチがプシューと音を立てて開き、
中から真砂さんがゆっくりと姿を現した。
その顔は驚くほど青白く、
膝が震えて今にも崩れ落ちそうなほどだった。
「……真砂さん! 大丈夫ですか?」
駆け寄る私に、彼女は焦点の合わない目で
消え入りそうな声を漏らした。
「……あんな……あんな感覚、初めてです。
ただの操縦じゃない。
脳を直接かき回されているような……」
彼女は手すりを握り締め、自分に言い聞かせる。
「でも、ガソタムが私の意思に応えてくれた。
重い鉄の塊が、まるで自分の体のように……」
真砂さんは凄まじい疲労感を見せながらも、
フラフラと更衣室へ向かい、スーツを脱いだ。
そして数分後。
真砂さんから手渡されたあのピンクのスーツを、
尾田さんが「爆弾」でも扱うような手つきで受け取った。
「……。おい、古谷。これ、本当に着るのか?」
尾田さんは震える声で私を睨んだが、
後ろに控える野田さんの無言の圧力に屈し、
絶望に満ちた足取りで更衣室へと消えていった。
廊下の奥から聞こえてくる、
「……くそっ、なんでこんなにキツいんだ!」
という叫び声を聞きながら、私は冷や汗を流した。




