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第11話:禁断の処方、あるいは強化人間の影
「……じゃあ、機体の方はどうなの?
プログラムを書き換えるとか、部品を交換するとか。
あっちをいじって、誰でも動かせるようにできないの?」
私は藁をも掴む思いで、バロに提案した。
人間を改造するのがダメなら、機械を直せばいい。
だが、バロは無機質な電子音と共に首を振った。
『残念ながら、それも不可能でございます。
ガソタムの構造材である「最高フレーム」そのものが、
レイ様の精神波にしか反応しない性質を持っております』
「……。フレーム自体が、私を指名してるってこと?」
『左様です。プログラムは脳波と密接にリンクしており、
中枢を書き換えようとした瞬間に、全システムが
自己崩壊を起こすよう設計されています』
バロの言葉に、私はガックリと肩を落とした。
『ネジ一本外せないのは、物理的な強度だけでなく、
「レイ様以外には触れさせない」という、
おじい様の執念がシステムに刻まれているからですな』
「……本当、どこまでもおじいちゃんの独占欲に
振り回される運命なのね、私は」
人間もダメ。機械をいじるのもダメ。
打つ手がすべて封じられたまま、
運命の「冬休み初日」が刻一刻と近づいていた。




