1話:再演の残響、あるいは悶絶の居間
『……おじいちゃんの……』
『おじいちゃんのガソタムは……』
『伊達じゃないっ!!!!!!!!!』
スピーカーから響き渡る、自分自身の絶叫。
虹色の光を放ち、必死の形相でタンカーを
押し戻すあの時の私の姿が、克明に流れる。
あの嵐のような夏休みから、早くも数週間。
私は居間のソファで、バロが空中に投影した
この「ハイライト映像」を前に悶絶していた。
「やめてぇぇぇ! バロ、今すぐ消して!
恥ずかしすぎて死んじゃうっ!!」
私はクッションに顔を埋めてのた打ち回った。
あの時は無我夢中だったけれど、冷静に
見返すとこのセリフはあまりに痛すぎる。
『安心してください、レイ様。この映像を
YouTubeに投稿したところ、わずか10分で
再生数100万回を突破いたしましたぞ』
バロの報告に、私は跳ね起き、目を見開いた。
「……はあ!? 動画に上げたの!?
嘘でしょ、お願いだから今すぐ削除して!」
私は手を合わせ、半べそでバロに懇願した。
けれど、バロは慇懃に首を振るだけだった。
「一生、地下に封印してって言ったじゃない!
あのガソタムだって、今はもう
国に没収されちゃったんだから!」
『フフフ……。レイ様、国が持っていったのは
ネジ一本外せぬ「ただの鉄の塊」ですよ。
真のシステムは、今も私の手の中にあります』
おじいちゃんの不敵な笑みが怪しく光った。
平和に戻ったはずの私の日常に、
再び、静かな波紋が広がり始めていた。




