表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
起動させないしガソタム〜おじいちゃんが地下にガンダムみたいな遺産を残していった件〜  作者: じょん-ドゥ
起動させないしガソタム〜おじいちゃんが地下にガンダムみたいな遺産を残していった件〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

108/199

外伝 第6/6話 円環あるいは未完の神話

「なるほどね。おじいちゃんのアクションはともかく、

 こうしておばあちゃんと出会って、結婚したんだね」


私はお煎餅の袋を逆さにして、最後のかけらを口に放り込んだ。

お人好しで無鉄砲な若き日の祖父。その不器用な誠実さが、

今の家族に繋がっているのだと、一応の納得はした。


「ねえ、バロ。そうなると、その腕の中の赤ん坊って……

 私にとってはおじさんか、おばさんってことだよね?

 会ったことないんだけど、今はどこで何してるの?」


私の素朴な疑問に、さっきまで熱弁を振るっていたバロが、

急に視線を泳がせ、眼鏡を何度も指で押し上げた。


『あ、ああ……。まあ、うん……。そんな感じですなぞ。

 当時は色々ありましたからな。……ゴホッ、ゴホッ!』


バロはあからさまに動揺し、ホログラムを激しく乱した。


「ちょっと、バロ? 何その歯切れの悪いリアクション。

 まさか、まだ私に隠してることがあるんじゃないの?」


私がじろりと詰め寄ると、バロは球体の体を震わせて白状した。


『実は……当時の記録は、源造様によって大部分が

 「黒歴史」として封印されておりまして……な』


「……えっ。それって、今までのドラマチックな話、

 全部バロの妄想と脚色だったってこと?」


『……れい様、想像力は人生を豊かにしますぞ!』


バロのホログラムが逃げるように消え、居間には静寂が戻った。

私は空になったお煎餅の袋を丸めると、再びスマホを手に取り

ソファに寝転がった。


「まあ、いっか。おじいちゃんが変なのは今も一緒だし」


真実なんてどうでもいい。結局、今が平和ならそれでいいのだ。

うらら

「皆さま、いつも『起動させないしガソタム

〜おじいちゃんが地下にガンダムみたいな遺産を残していった件〜』

をお読みいただき、本当にありがとうございます!

本編でガソタムの存在に怯え、周囲の壮大すぎる

勘違いに毎日胃を痛めております、

主人公の古谷うららです!」


(パチパチパチパチと、スタジオに虚しく

響く一人拍手の音)


うらら

「本日はいつもと趣向を変えまして、なんと!

この物語を生み出した

張本人であり、すべての元凶である『作者さん』を

この場にお呼びして、

作品の裏話や設定の謎をトコトン聞き出そうという

スペシャル対談企画

をお届けする予定……だったのですが」


(しーーーん……と静まり返る空間)


うらら

「……ご覧の通り、私の隣の特設シートには

誰も座っていません。

ただの空席です。事前に『読者の皆さまに向けて、

あとがきに出て

ちゃんと自分の口で語ってください』って

あれほど念押ししておいたのに、

当の本人は『インタビューなんて恥ずかしくて無理!

照れちゃうから物陰に隠れてる!』とか言って、

部屋の隅の暗がりに引きこっまています。

主人公である私を、毎回あれだけとんでもない

世界危機レベルのトラブルに巻き込んでおいて、

自分は極度の人見知りを発揮するとか、

ちょっとシャイの方向性が間違っていませんか!?」


(フーーー、と天井を見上げて深くため息をつく)


うらら

「はぁ……。まぁ、居ない人間の文句を言っても

始まりません。しかもですよ?

『せっかくのあとがきなんだから、

読者さんから届いた質問コーナーとか

やればいいじゃん! 盛り上がるよ!』って

私が事前に提案したら、作者さん、

なんて言ったと思います?」


うらら

「『いや、まだ読者からの質問なんて一通も

来てないから。

悲しい現実を突きつけないで』って、

物凄いリアルに凹みながら、

このクシャクシャの紙切れを渡してきたんです!

質問が来てないなら来てないで、

もっと別の見栄の張り方があったでしょうに!

なんでそんな生々しいところで無駄に正直なんですか!

『ファンレターが殺到して選べないよ〜』とか

嘘でもいいから言ってくださいよ!

切なくなるから!」


(ガサゴソと手元の紙を広げて、

マイクに音を響かせる)


うらら

「というわけで、読者からの質問は

『一通も来ていない』ので!

この紙に書かれた、作者さんが自作自演で

寂しく用意した

『本当はこれについて語りたかったんだ……』

という言い訳メモを、私が代わりに虚しく

読み上げていきたいと思います。

読者の皆さま、物陰からじっとこちらを

凝視している作者さんの熱い視線だけは、

各自の心でキャッチしてくださいね」


うらら

「コホン。ではさっそく、作者さんの

自作自演メモ第一条。

『どうしてガソタムなんて作品を書こうと

思ったのかについて』。

これ、私もシンプルに知りたかったんですよね。

各方面からいつ怒られてもおかしくない、

この攻めすぎた設定の理由が、

ここに書かれています」


『いやぁ、実はですね。まわりの友達から

「ガンダムみたいな作品を読みたいなぁ」って

言われて、なんとなくノリで書いてみたんですよ。

そしたら意図せず評判がめちゃくちゃ良くなっちゃって、

自分でもびっくりしているというか……

本当に嬉しい誤算なんですよね』


うらら

「いや、アイドルオーディションに応募した

女の子の定番コメントか!!!」


うらら

「『私は全然そんな気なかったんですけどー、

まわりの友達が勝手に履歴書送っちゃってー、

そしたらなんか最終選考まで残っちゃって

ビックリしてますー』

のやつじゃないですか!

なんですかその、狙ってないのに

売れちゃいましたアピールは!

友達に勧められたからって、地下にガソタム

埋めるような話を軽いノリで生み出さないでください!

友達もそんな斜め上の出力で返ってくるとは思ってなかったはずですよ!」


(ハァハァと息を切らし、胸元を手で仰ぐ)


うらら

「……いけない、最初から全力でツッコミすぎて早くも体力を半分消費しました。

物陰から『うららちゃんナイスツッコミ! キレッキレだね!』みたいな顔で、

親指を立てている作者さんが本当に憎らしいです。

褒めてないで表に出てきてください」


うらら

「気を取り直して、次のメモにいきましょう。

第二条。『なんで主人公が女子高生なんですか?』。

これ、作中の雰囲気的にもかなり謎ですよね。

普通、こういうロボット(?)モノって、

熱血漢の男の子とか、宿命を背負った

少年兵とかが主人公じゃないですか。

なのに、なぜただの女子高生である私なのか。

その真相がこちらです」


『女子高生いいじゃないですか』


うらら

「ロリコンだーーーっ!!! 誰か、

ここに警察呼んでください!!

ガソタムの起動スイッチじゃなくて、

110番のボタンを今すぐに連打してください!!!」


うらら

「なんですかその潔すぎる一言は!

欲望がストレートすぎて

逆に怖いですよ! メモに一言だけ

『女子高生いいじゃないですか』って

書かれてるの、本当に恐怖なんですけど!

完全に事案じゃないですか! 普段の私の制服姿とか、

どんな目線で描写してたんですか!」


(物陰から必死に両手を大きく振って、

×印を作って弁明しようとする作者の気配)


うらら

「あ、物陰から必死にバツ印を作って何かを

全力で訴えてますね。

え? 『紙を裏返せ』? ……あ、裏にもまだ

見苦しい言い訳の続きがありました。

読み上げます」


『違います! 誤解です警察は呼ばないで!

ちゃんと真面目な創作上の理由があるんです!

いいですか、おじいちゃんの遺産とか、

国家規模の勘違いとか、

そういう理不尽極まりないトラブルに

めちゃくちゃに振り回されるのは、

むさ苦しい男より、可憐な女子高生の方が

絵面的に良いじゃないですか!

その方が絶対に読者の皆さんも楽しめますって!』


うらら

「言い訳の方向性がさらに変態だーーーーっ!!!」


うらら

「何を大真面目に力説してるんですか!

『可憐な女子高生が理不尽に

振り回される絵面が良い』って、

それただのドSサディストの思考回路ですよ!

私が毎回、地下室で冷や汗を流しながら

『これガンダムじゃん! 起動したら

私の人生終わるじゃん!』って

絶望してる姿を、どんなニヤニヤ顔で

執筆してるんですか!」


うらら

「しかも『その方が読者さんも楽しめる』って、

読者の皆さまを巻き込んで自分の性癖を

カモフラージュしないでください!

読者の皆さまはもっと純粋に、私の平穏を……

平穏な女子高生ライフを願って……え、

願ってくれてますよね……?


(急に不安になって、画面の前の皆さまを

恐る恐る見渡す)」


(物陰から「うんうん、みんな楽しんでるよ!」と

深く深く頷く作者)


うらら

「作者さんが一番信じられない目で頷いてるのが、

最高に納得いかないですけど!

……はぁ。まぁ、私の寿命が削れる絵面が

良いという変態的なこだわりは

一旦置いておきましょう。次が最後のメモです」


うらら

「第三条。『作中最大の謎、ガソタムのエネルギーは

何ですか?』。

これです、これですよ! 『ガソタム』って

いうくらいだから、

どうせただのガソリンなんだろって思ってたら、

なんかびっしり難しい文章が書かれてます。

ちょっと読んでみますね」


『ガソタムの駆動原理についてですが、

あれはただガソリンを

燃やしているわけではありません。

第1話にも書きましたが、

正式名称は

「重力変換式着火型ガスタービン推進機構」です。

英語にすると

「Gravitational Spark Turbine Mechanism Powered by Fusion」

まず、ガソリンをエンジン内で意図的に不完全燃焼させ、

そこから水素を抽出します。

その水素を独自の触媒によって瞬間的に重水素へと加工。

それを機体中心部にある

「超重力ジェネレーター(Gravitational)」で圧縮し、

発生させた超高温プラズマ内で

【核融合反応(Powered by Fusion)】を起こして

莫大なエネルギーに変換しているのです。

だから略して「ガソタム」なんですよ』


うらら

「核!? 核融合!? え、ちょっと待って、

ガソタムって核で動いてるの!?」


うらら

「何ですかその無駄に細かくてガチなSF設定は!

普通のガソリンスタンドで給油したレギュラーガソリンが、

ガソタムの体内に入った瞬間に核燃料にロンダリングされてるじゃないですか!

というか、英語の頭文字を並べたら本当に

『G.S.T.M.P.Fガソタム』っぽくなってるの、無駄にオシャレで腹が立ちますね!?」


(ガタガタと震えながら、必死にメモの続きを追う)


『あ、でも安心してください。核分裂の原子力と違って、

核融合は何かトラブルがあれば一瞬で反応が止まる安全なシステムですからね。

ただ、超重力とプラズマを閉じ込める磁場が

ちょっとでもバグったら、

周囲一帯が人工太陽の熱で消し飛ぶだけです。

まあ、おじいちゃんが適当なジャンクパーツで

作った制御装置なので、

たまに火花が散ったりしますけど、

今のところは大丈夫です』


うらら

「私大丈夫じゃないじゃん!!! 完全にアウトだよ!!!」


うらら

「何が『安心してください』ですか!

全然安心できませんよ!

ジャンクパーツで核融合を制御しないでおじいちゃん!

火花が散るだけで私の寿命が縮んでいくんですけど!

『起動させないしガソタム』っていうタイトル、

私の平穏のためじゃなくて、

これ『起動させたらガチで周辺地域が消滅するから』

っていう

生命維持的な意味のタイトルだったんですか!?

怖すぎるわ!!」


(ゼーゼーと肩で息をしながら、顔面蒼白になる)


うらら

「もうダメだ……この作品、コメディだと思ってたら

バックグラウンドがヘビーすぎる。物陰の作者さん、

なんでそんな楽しそうにガソタムのプラズマを調整する

ジェスチャーをしてるんですか。

今すぐその超重力ジェネレーターを停止させてください」


うらら

「……はぁ、はぁ。というわけで!

作者さんが恥ずかしがって

表に出てこないせいで、私がひたすら自作自演の

メモにツッコミを入れ続けるという、

精神的にも肉体的にも

過酷なあとがきコーナーでした!

作者さんの危ない本性と、ガソタムの物騒な中身が

皆さまにしっかりと伝われば幸いです!」


うらら

「こんな風に、作者さんの暴走と、

それに伴う理不尽なトラブルに

日々全力で立ち向かっている私を

『よし、ちょっと応援してあげようかな……』と

思ってくださった優しい読者の皆さま!

ぜひ! ページ下部にある【ブックマーク登録】や、

評価の【⭐星を5つ】ポチッと押して

応援していただけると、

物凄い励みになります!」


うらら

「皆さまのその応援(と、ガソタムが暴走しないための監視の目)が、

次回の執筆エネルギーになります!

ちなみにガソタムと違って、

作者さんは皆さまの星マーク(評価)で

動くので燃費は良いはずです!

ぜひよろしくお願いいたします!」


うらら

「それでは、次回の『起動させないしガソタム』もどうぞお楽しみに!

防護服を常備しながらお待ちしています! 古谷うららでした! バイバイ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
本編より気合の入った後書き?お疲れ様でした。 これはYouTube版が楽しみですね。 あと麗ちゃんと爺様の血縁は無しの可能性大ですな。 とすると麗ちゃんの肢体への異常執着も…
>平穏な女子高生ライフを願って……え、 >願ってくれてますよね……? ・・・(目そらし) いやさぁ、例えばパイロットスーツのくだりをおっさんだの男子高校生がやったってさぁ・・・
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ