表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
194/203

第188話

「なぜ渋谷は破壊されるのか。順を追って説明します。それは――――」


 話しながら整理しよう。まず初月諒花に敗れた化蛸のダーガン。当人は翡翠の前でこう暴露した。


 ワイルドコブラを裏で掌握して操り、今回の抗争を起こさせたのは自分であり、それを仕組ませ、裏で操っていたのは越田組であると。


「越田組は昔、お前らが国分寺で滅ぼしただろう? まだ残党がいたっていうのか?」


 スカールの言う通りだ。越田組は既に滅んだはずであり、死んだはずの化蛸共々、今回再び姿を現したのだ。これには翡翠から名前が出た直後、驚く他なかった。


「いえ、それはありません。私は確かにこの目で見ましたから」


 2013年。XIEDシードが国分寺にある越田組事務所を壊滅させた時、現場にいたからだ。あの時、仕切っていた組長の越田えちだと若頭と補佐二人をはじめとした主要メンバーは全員逮捕、組は崩壊した。


 元の組織が組長の越田と若頭、補佐二人以外はただの取るに足らない下っ端ばかりであったからだ。

 

 そして現在。これまで数多の犯罪組織を見てきたが、滅んだはずの越田組が水面下で再び活動を再開していることは想定外であった。


 表向きに見れば越田組が復活したように見えるが、実際はそうではない。


 ワイルドコブラの裏で暗躍しているのは、越田組の代紋を再利用しただけの本質は全く別の組織。


 この組織をまとめる人物がMr.カトルズ。裏社会にはレーツァンやスカール達をはじめ様々な闇の王や実力者がいるが、この名前自体も聞くのは初めてであった。


 だが翡翠はその正体も突き止めており、それを今ハッキリと伝えられた――――。



 それは、XIEDシードのトップ、中郷利雄。


「おいおいおい!? よりによって中郷かよ!! 新生越田組のトップって……そんなことがまかり通って良いのか!? 大問題だぞ……! 警視庁で例えるならば、警視総監が秘密裏にテロリストを飼い慣らしてるようなもんだぞ」


 蔭山も仰天、目を丸くした。


「いえ、私は警察庁に例えるべきだと思います、蔭山警部。警察庁長官に等しいこの日本のXIED(シード)のトップである長官がそれをやっているのですから」


 日本のXIEDシードの長官その人であるからだ。だがやはりであると合点がいった。


 8年前に岩龍会が滅亡した後、再編されたXIEDシードの長官に就任した中郷だが、常に人前に姿を見せない胡散臭さ。


 実際、画面越しだけでしか会ったことはない。誰に自分達は管理されているのか、自分や上を含めて、誰の下で戦っているのか分からなくなる。


 最後に。


 敗れた化蛸は初月諒花に中郷から託された黒條零の連絡先を教えた。電話で彼女は直接、零に事実を伝えられ、その情報は翡翠に共有された。それを今しがた聞いたばかりだ。



 黒條零。そもそも彼女もなぜ初月諒花のもとにいて、中郷の指揮下にいるのか分からない。なぜなら彼女は────!



 極めつけが今回のワイルドコブラによって起こった抗争。全ては中郷によって初月諒花からデータを取るために仕組まれた実験であり、その総仕上げが今日と明日かけて渋谷で行われる。


 渋谷はとっくにカヴラの援軍として駆けつけてきた越田組が徘徊し、危険な状態と化している。



 そして、文化の日の終わりとともにそれはやってくる。犯罪組織による未曾有の大規模テロによって渋谷崩壊の時。



 中郷によって描かれた口実カバーストーリーが確かな現実のものとなろうとしている瞬間が迫っている。



 それを阻止するべく、翡翠は現在、滝沢邸に退いて対応に追われている。黒條零のこともそうだが、爆弾を解除するために。だからこそ――――


「長くなりましたが、説明は以上です。これは翡翠からの伝言であり、頼みであり、私からも────皆さんにどうかお願いがあります」



 事態を解決し、守るためならば、致し方ない。帽子を取って、頭を下げる。



「私と、滝沢邸に来て下さい……お願いします」



 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ