表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
35/36

第八幕 魔手の囁き  第三場 好奇の森で

挿絵(By みてみん)


(あれが妖精(エルフ)というものか?)


ふいに薄物を被ったように

月の光が淡くなる

彼らが過ぎても木の葉は揺れず

おれに踏まれて枝は鳴る


幼い(かお)にはそぐわないほど

憂いを含んだ碧い瞳

透けるような肌というより

まるで肉体そのものが

結晶のように穢れなく

触れれば灼けるかに思われた


あれが妖精(エルフ)というものか

どうしてラムダの館にいるんだ


息を殺していることが

これほどまでにつらいのは

音を消しつつふたりを追って

駆けてきたからだけじゃない


思いのままに描いては消す

悪戯のような銀の軌跡は

酔いを醒ます蝶のように

定まらず 読みとれず


鬱蒼とした深夜の森で

追尾するのに骨は折れたが

逆巻くように血がめぐり

左の胸が激しく打つのは

息を切らしたからじゃない


あいつはラムダの何なのだと

邪推するにはあまりにも

清々しくも神々しい

夜と未明の戯れの絵図


雷神ソールの金槌(ハンマー)

怒りを買うかもしれないが

おれはただひたすらに

罪の意識もおぼろげに

盗み見するのを止められない


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ