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第三幕 古戦場の悪夢 第四場 廃都 断末魔の呪い
石段に腰かけ動かぬは乞食
路地裏でゴミをあさるは浮浪者
猶も敗けぬと足掻こうとして
からん、と壁から小石が落ちる
道端に死に絶えるは明日なき老人
この国の行く末は如何に
未だ白煙は立ちのぼり
陽の光を遮断する
国ごとまるごと燻されて
水も緑も枯れ果てた
低く重たく淀む空には
嬉々として飛ぶ食屍鳥
丸焼けになった屍肉をついばみ
その嘴は満たされる
アイトーリアの都を見守る
栄華のしるしの赤煉瓦の塔
崩れ去った巨石の下に
圧し潰された血溜まりの花
はみ出す腕は地をかきむしり
微かな息も消えていく
大気にたゆたう呪いの念も
力尽きては効くこともなし
瓦礫の雨降る古びた寺院の
貶められた祭壇の前
片眼の濁った老婆の祭服が
呪文の風に巻き上がる
愚か者よ 人殺しの末裔よ
花も恥じらう乙女の爪を
桜の色に染めたところで
血塗られた跡は消せはしまい
たとえ未来に栄えようとも
罪の地盤は永くは持つまい
愛したものも憎んだものも
今となっては等しく虚しく
飛び散っていく脳髄の
滴とともに消え去っていく
ああ許すまじ南嶺王よ
いかなる戦も世のならい
とはいえ 貴様の愚かな哄笑に
泣き寝入りしたとは思うなかれ
人の記憶は代々に
薄れて忘れ去られども
我らを哀れと思し召す
神の怒りは鎮まらぬと知れ




