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第二幕 〔目覚め〕の兆し 第四場 黒豹の独り言
夜明けの前に戻らねば
ならない運命がこれほどつらい
あの子の涙を見ても尚
去らねばならない運命がつらい
あの子のうぶな幼い心が
孤独と不安に塞いだときには
月が隠れる 夜気が揺らめく
占い盤の水面が乱れる
愛しいひとよ
どこにいても
俺はお前を見守っている
身と身は遠く離れていても
いつでも鼓動を感じてる
お前が恋する黒豹は
仮の姿まやかしだけど
俺が隠す多くの真相を
知られる機会すらありはしない
あの子の氷の接吻が
融けないうちに眠りにつこう
くつろぐ身体を抱きしめていた
腕の麻痺がとれぬ間に
黒豹は、昇り来る朝日のなか、森を駆け抜けていた。
こんな逢瀬が、あの子にとっての拠り所となっているのか、わからない。自分のエゴに過ぎないのかもしれない。それでも、どうしてもこの気持ちを抑えることができなかった。
森の外れまで来たところで、黒豹はふと立ち止まった。まるで闇が立ち上るように黒い人影となっていく。
長い黒髪がフードからこぼれた。
長身の人影は、清らかな朝の大気から逃れるように、早足で歩き始めた。




