↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
47/50

#18 同じ舞台に上がった仲!(1)

バトルで傷付き衣装や防具も汚れる展開は、神代自身熱さを感じます。


リノンに関しては彼女の内面の気高さを出す為にも、必ず入れねばならないと思っていました。

「まったく、無茶するんだから」


 ナナカがそー言って呆れながらも、あーしに優しく微笑んでくれてる。


「ホントだよぉ、けどどうやら勝負あったようだねぇ」


 あーしファンのおばちゃんも、ほっと一息吐いた様子で親指を立ててる(サムズアップしてる)


「あはっ、おばちゃん中々ポップなリアクションするじゃん」


 これにはあーしもつい笑いがこぼれちまった。


「ゼクレイ、ゼクレイっ!」


 ……エルギアドがゼクレイに()()()()()()、必死に呼び掛けてる。


「……うっさい」


 ゼクレイは割とフツーのトーンでそー言いながら、エルギアドの顔を(はた)いた。


「ぷおっ!?」


 何が『ぷおっ』だよ。


「酷いぞゼクレイ! キミを心配して声を掛けているというのに!」


 いや、だからそれはお前が単純に嫌がられてるからだよっ。それをなんでまだちょっと上から目線で接してんだよ……。


 コイツホント何が恐ろしいって、こんなにも情けねー姿(さら)しながら、それでも()()()()()()()()()()()を出し続けやがるからな。


 ったく。……嫌さはあるけど、コイツとも一回ガッツリ話しとくか。


「エルギアド、とりあえずお前はもー寝てろ」


「何ぃ!? ファリシアの聖女よ、キミに僕の行動を制限することなんて出来ないぞっ」


「いやここあーしの寺院(ホーム)だし……。あんまゴチャゴチャ言ってるとフェイロード城に引き渡しちまうぞ」


「ふん。そうしたところで今の僕は、魔物の守り神封印の鍵を持ってないがなっ。ちゃんと安全な場所に隠してあるんだっ」


 やっぱりだコイツ! 相手し出したらめっちゃ食らいついてきやがるっ!


「あーもーホントうっせえな! 別に今その品物(アイテム)の事を一番に考えちゃいねーよっ。あーしは警察ってワケじゃねえし、何よりも聖女だかんなっ」


 勢いで強い感じに言っちまったけどこれについてはマジにあーし、そー思ってるぞ。


「ぐ、ぐむむっ。け、警察という言葉は僕も知ってるが、キミは人の法というものでは動かないということか?」


 ちょっと落ち着いて話すわ。


「ああ、そーだよ。それにな、あーしは危険な存在ってヤツの為に、他の人達への信頼を()()()()()もんにはしたくねえんだ。――そんなの、なんか腹立つだろ。手前(テメー)の意思で頑張ってる人の事を、あーしが軽く見てるみてーじゃん」


「みてーじゃんって……。いや、そういう風に言われたら、その心は分からなくもないってなるが……。だが、ならばファリシアの聖女よ、キミはそんな者達に対しどう()るつもりなんだ?」


 ん? そーゆー質問してくるんだ?


「そーだな。強いて言えばその、なんだ、あーし自身無茶なこと言ってる自覚はあるけど――」


 いや、これはちょっとマジで考えてみよーかな。


「――あー、そーだ。あーしは皆にとっての、いざという時の切り札になりてーかな。それなら話通るじゃん、うん、それで決定」


 これだ。多分、な?


「む、むうぅっ!! 切り札になるとは、大きく出たな。或る意味、恐れを知らない考え方をするものだ」


 エルギアドのヤツ、意外とすんなり受け入れるのな。……ってそーいや、コイツもコイツで大それた考えしてるヤツだったわ。


 そーだよな。手前(テメー)が無茶な考え持ってるのに他人の無茶思考には文句言うとか、それこそダサダサのダサだもんな。


「……そーだな、あーし自身そー思うわ。それにさ――」


 なんか気分がノッたかもしんねー。話してる内に、なんか思ってもなかったことがあーしの口から出てきた。


「それに、何だ?」


「お前が封印の鍵を持ってるんなら、少なくとも今後、それ狙いでフェイロード城が誰かに襲撃されるって心配は無くなる。そうだろ?」


「――っ! あ、当たり前だ、僕を誰だと思ってる!」


 ……へへっ。なんとなくお前はそー答えるって気がしたぜ。はっきり意識はしてなかったけど、ホントなんとなくさ。


「おー良い返事だなっ。よし、(はなし)して疲れたろ。――おーい修道士達、このボロッボロの魔道士をベッドに運んでやってくれー」


「は、はいっ」


「おい僕はまだ元気だぞっ。勝手に退場させるな――ああっ、やめろ僕を連れていくなぁーーっ!」


 ()ーんだよ、この辺で話終わっといて。これ以上長話になると、お前絶対ウザさが出るだろーからな。


 寧ろ長く話してやった方だよ。


 修道士に両手を引かれて床を()()()()と引きずられながら、エルギアドは礼拝の間から消えていった。


 それを見てた礼拝者の子供二人が話し出す。


「ねえねえ、あのお兄ちゃんずっと狐耳のお姉ちゃん心配してたねー」


「そーだねー。一生懸命でなんかちょっと、カッコ良かったかもー」


 ええっ!? マ、マジか……。凄えな、子供の(ピュア)な感性だとアイツの事そんな風にも見えんのか……。


 あーしはカッケーまでは思わねーけど……。


 二人は男の子と女の子で、揃って目を輝かせて話し合ってる。そっか、そーなんだ……。


 ま、まあいいわ。それよりもゼクレイだ。


「おーい、まだ元気してるかー?」


 ヤツの顔を覗き込みながら、そー尋ねる。


「はあ、はあ……お前のムカつく顔見たら元気になったわよ……」


 ゼクレイはそー言ってしかめっ(つら)してきた。まあ、『お前をぶん殴りたいって気持ちが湧いて元気になった』って意味だろーな。


 けどさっきまでみてーな激しい表情からはだいぶ弱々しくなってるし、声も静かだ。気持ちは有っても体力の方がもう底を尽いちまってるんだ。


 それでもコイツは、どーにか立ち上がってきた。ぜえぜえと肩で息しながら、あーしを真っ直ぐに見てきてる。


 ……不思議なもんだな。こー静かにしてると、コイツの顔の印象ってだいぶ変わってくるんだ。


 切れ長の目に花緑青(はなろくしょう)のアイライン。


 さっきまでは激烈に熱い怒りの目を際立たせてたこの色彩が、今は落ち着いた目のそのクールさを、冷たく深みのあるものへと昇華(しょうか)させてるって感じる。


 ――(2)につづく!――

リノンの魅力にご興味頂けたなら、⬇︎にあるブックマーク登録と評価をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。