#14 これが聖女のマジバトル!(4)
リノンの本気が燃え上がる!
あーしの顔を正面から見てるエルギアドが、目を見開いてた。
「……笑っている、だと?」
その言葉を聞いて、あーしは今自分が笑ってることに気付いた。
感じてたのは額から汗が出てる感触だけでさ、笑ってるなんて自覚は無かったんだ。
「……あはっ。そっか、あーし今笑ってんのか」
下半身まで闇に染まって、顔だけが出てる状態で。……苦しいってのに、なのにあーしは笑ってるらしかった。
「聖女様っ!!」
姫さまもあーしに必死で呼びかけてきてくれてる。
……ふっ。ありがとな。
あーしのこと本気で気にしてくれてさ。アンタとはこれから先も、親友で居たいってそー思うよ。
今日出会ったばっかりだってのにな。けどそんなのは別にどーでもいいんだ。
だってあーしは基本、ノリで生きてるギャルなんだからっ!!
だからこの闇の魔力への抵抗だって、どーゆーアプローチでやるかノリで考えてやるんだっ!
重たい感情込みの魔力があーしの体と精神の力をジワジワと奪ってる。少しでも気を抜けばそのまま倒れて意識無くしちまう。
エルギアドが叫んでくる。
「キミへの闇魔法は他の者に掛けたものより数倍強くしてある! そう、命の灯火さえ掻き消してしまう程にだ!!」
そーかよ。じゃあヘタすりゃもう一回異世界転移しちまうかもな。いや、この場合は転生か。
ニホンでの人生から数えて二度目になる、超レアの大ピンチだ。
けどな、舐めんなよエルギアド。
実際にそのレアを引いたあーしにとっては、そのヤバさがちょっとクセにもなってるんだよっ!
「……ったくよー、自分のMさ加減にマジでウケるぜ。この状況にあーし、ちょっとゾクゾクしちまってるわ!」
エルギアドがそのイケメン顔を思わず間抜けにする程驚いた。
「ウ、ウケる!? エ、Mぅ!?」
「ああ超ウケるぜ。だって楽し過ぎんだろ、真剣勝負ってのはよぉっ!!」
思わず全力で騒ぎ出したくなるよーな、この高揚感。
これは、そーだ……!
「――あーしは真面目な高校生じゃあなかったからよ、校則のギリギリ外側を攻めてくのが日常だった。時々痛い目見てでも、それでも情熱重視で得られる充実感がイイって思ってたんだ!」
危険は承知なのは、あの頃からだった!
やらかして泣いて謝った日もあったけど、でもそーゆー恥ずいのも含めてあーしは自分の経験値を上げてきたんだ!
――それが、楽しかった!
闇ん中で見えなくったって、あーしの心が今熱くなってんのがめっちゃくちゃ分かるっ!
いや、妬み恨みのネガティブな闇ん中だからこそっ!
「先生や親に押さえ込めよーとされればされる程、逆にあーしの心は燃え上がってた! それをこの闇が思い出させてくれたぜーーーっ!!」
皆の目の前で、あーしのこの心の鼓動を表現したい!
「なっ? キミは一体何をしているんだ!?」
「何って、踊ってんだよっ!」
エルギアドへの答えどーり、あーしは自分のノリに任せてダンスしてた。
ニホンでさ、実写ドラマのエンディングで俳優がダンスしてるのとかが有ったじゃん? あーゆーのの見様見真似っ。
素人ダンスだからってバカにすんなよ、あーしはこれでも動画をアップしてた程の腕前なんだかんなっ!
――(5)につづく!――
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