表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/41

29話 魔法の扱い方


「それじゃ、あとはお願いするよ」

 モンスター避けの線香を仁井くんが私に手渡す。


 この線香は文字通りモンスターを寄せ付けなくさせるものではない。線香に火を付けると、その周辺でモンスターが一時的に沸かなくなるだけのアイテムで、遠くからモンスターがやってくることも十分に考えられる。

 そのため私たちは武器を枕元に置いて寝ることになっている。


 私たちは二人一組で4ペアを作り、1本約1時間で燃え尽きる線香を1ペア2本分の間、見張りをすることにした。


 集中力や魔力の回復を優先するために、私とナルミくんから始まる。

 私たち二人は、6時間分の睡眠時間が確保される予定だ。


 次が日菜乃と陣内くんで朱莉と杉村くんが後に続き、最後が山口くんと仁井くんの組み合わせだ。策敵能力のある3人と前衛の3人がペアを組んでいる。


 連続6時間睡眠が取れるのは私とナルミくんペアと最後の山口くん仁井くんペアのみだが、他のメンバーも一応6時間は寝れる。


 今後ここで狩りをするなら、私とナルミくんは固定で他のメンバーはローテーションで順番を変えるつもりでいたが、「起こしに来んの男子やんか! めっちゃ恥ずかしいかけん、嫌なんやけど」と日菜乃の猛抗議でローテーションは無しに決まった。

 もちろん睡眠不足にならなければの話で、もし睡眠不足になるようならば日菜乃には悪いが、ローテーションを組むことになる。


「見張りの時は絶対に喋らないこと。モンスターが寄ってくる可能性もあるし、寝てる人を起こすかもしれないからね」と仁井くんは言っていたが、回りにはまだ酒盛りをしている大人たちや、酔って歌っている人までいる。

 この中で寝るのは大変だろうと思いながら、薪を火にくべる。



 1本目の線香が切れて2本目の線香に火をつけた。


「君たち見張りなの? 大変だろうけど頑張りなよ」

 唐突に声をかけられた方を見ると、30前後だろうか? 酒瓶片手に杖を手にもった女性が声をかけてきた。


「はい、ありがとうございます。お姉さん達は見張りはしないのですか?」

「お姉さんだって、嫌だわそんなに若く見えるのかしら」

 にまーとふやけた笑顔を女性は見せる。


「もしかして新入りさんかな? お姉さんが色々と教えてあげるかにゃあ?」と言って女性は空いてた椅子に腰を下ろす。


「私たちは見張りとは別に使い捨ての結界を使ってるのよ。あとは『PTS:礼拝』を使えるようにしてるの」

「使い捨ての結界ですか? 採算取れますか?」

 フラリスの道具屋に置いてたアイテムだ。確か『光の瞬き』って名前だったはずだが、1個50万リンはするしろものだ。


 私の疑問に女性は「ふふふ」と不適に笑う。


「ここだけの話だけどね『光の瞬き』は設置してから撤去するか、モンスターに攻撃されて耐久がなくなるまではずっとその場にあるアイテムなの」

 とんでもない情報に私とナルミくんは目を開く。


「だから、私たちは見張りを立てなくていいし、お酒も飲めるのよ」

「なるほど……。だからこんなにも盛り上がってたんですね」

 辺りを見渡すが、結界を使っているところばかりなのだろう。パーティーメンバーで酒盛りしているか、見張りをたてずに就寝しているところしかない。


 ここだけの話といいつつ、ほとんどの人たちが知っている情報のようだ。


 私たちはモンスターに襲われにくいように真ん中にテントを張った。比較的安全な真ん中が空いていたのは偶然だと思っていたが違うようだ。


 結界があるから比較的安全な真ん中より、プライバシー重視で端にテントを寄せているのだろう。


「君たちもここで狩りをするなら、結界を張るといいよー」

 女性は「にゃはははは」と高笑いしながら歩いていった。


「ナルミくんはここにいて! 私あの人送る届けるよ」

「え……? あ、はい」


 幾ら結界で安全だろうと、ここは結界の外のはずだ。モンスター避けの線香は私たちしか炊いてないから、帰る途中でキャンプ場内にモンスターが沸いてくる可能性もある。

 有益な情報を貰ったお礼に女性をテントまで送り届けることにした。


「待ってくださいお姉さん! テントまで送りますよ」

 女性は私の意図を理解したのだろう。少し細目の目を見開いた。


「ふふふ……。優しいわね、お姉さんお願いしちゃおーかしら」

 よほどお姉さんと呼ばれたことが嬉しかったのか、軽い足取りで歩き出す。


「君は魔法系の職業なのかな?」

 片手に持っている私の杖を見ながら聞いてきた。別段隠すようなことではないはずだから、素直に答えるとする。


「はい、そうです。『水魔法使い』と『魔法使い 』に『ランナー 』『ホルダー』ですね。どれも10レベルで合わせてます」

「ふむふむ、なるほどね。ってことは15レベルで習う魔法の扱いはまだ知らないかな?」


 魔法の扱いは知らないが、その事を知っているってことはこの女性は最低でも15レベルはあることになる。もしかしたらもっと上の高レベルプレイヤーなのだろうか。


「魔法ってさ、ゲームの中じゃないと使うことできないでしょ? だから中々レベル上げるのが大変なの。でも、所詮ゲームだからコツを掴めば楽になるよ」

 そう言って手に持っている杖の先端に火を灯した。


「まずこれが何も考えないで放つ火魔法ね」

 ゴォっと音をたてて1メートルくらいの火柱が立つ。


「それで、次が大きな火柱をイメージして放つとこーなるの」

 さっきよりも大きな音をたてて、2メートル以上は火柱が立った。


「職業レベルが上がると、魔法の威力が上がったり、MP消費量が減ったりするよね。でもそれは火柱を高くしたり、小さくしたり……あとはてい!」

 女性が空高くサッカーボールくらいの大きさの火の玉を飛ばし、次は矢の形をした火を飛ばした。


「こうやって色んな形状の魔法を撃つことと、職業レベルは関係ないんだ。魔法を使うにはイメージすることと、使う魔力を考える必要があるの。使う魔力が大きければ威力が上がるし、少なければ威力が弱い魔法が打てるからね」


 私は常に全力で撃っていた。1日に何発の水魔法が撃てるのかは考えていたが、威力調整はしてこなかった。

 もし上手く威力調整ができるようになれば、オーバーキルをしなくてすむようになる。つまり、深刻な魔力切れに怯える必要性が減るのだ。


「今まで魔力不足で困ったことがありましたけど、何とかなりそうです。ありがとうございます」

「ふふふーいいのさ、いいのさ。お姉さんに任せなさい。って言ってもベータープレイヤーの人に習ったことだけどね」


 女性をテントまで送り届けて、さっそく習ったことをナルミくんと共にすることにした。


「まずは、小さな水の塊を出すことをイメージして……」


 お互い魔法を扱う練習をしていたら、予定の二時間がたっていた。


 今回の予行練習で、魔力の操作と魔法のイメージの練習をすることでプレイヤースキルを上げる目標ができた。


 かなり短くなり、申し訳ございません。

 今後の予定ですが、明日は18時に1話投稿しますが、土日はお昼と夕方の合わせて2話投稿します。

 月曜日は18時に1話、その後19時にもう1話投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ